『友達ができる』という黒魔術を使ったら異世界美少女が召喚されてきた件

霜月 アカリ

物語が始まる前に

 往々にして『物語』というものは、唐突に始まるものである。



 例えば、美人公爵令嬢が大勢の前で婚約破棄を宣言されていたり。


 例えば、いじらしい両片思いカップルのデートシーンからだったり。


 例えば、餓死する寸前、昔食べた茶漬けの回想からだったり。



 そもそも、『物語』とは、一年でも三ヶ月でも一週間でも、登場人物そのひとの『人生』のほんの一部を切り取ったものにすぎない。




 だからこそ、途中から。


 唐突に、始まるものなのだ。





 そんな事を考える、僕の『物語』の始まりは――――――――――――

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