精進落としの雑煮

 実家の通夜は面倒だ。基本的には普通の葬式だが、なぜか精進落としに凝っていた。  

 簡単に言えば雑煮の様な物を作らなければならなかった。


 鶏ガラと昆布の割出汁。

 コトコトと煮込んでいる鍋には灰汁が出る。それを一晩掬い続ける。

 夜が開ける頃、焼いた鶏肉を鍋に入れて水菜やかぼすの皮を刻む。モチは入れない。

 

 寝ずの番をしていた人が味見役だ。茶碗に乗せて持って行く。

 兄は、「親が作っていたのはこんな味では無かった」、と文句を言っていた。「知らんがな、レシピなんて教わってねえよ」、と私は内心不満タラタラで茶碗をぶん投げてやろうかと思った。

 自分で味見をしてみたが、徹夜明けの舌ではよく分からなかった。

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私のレシピ帳 あきかん @Gomibako

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