44.機械人類は濃藍の夜の夢を見ない/独一焔
作品名:機械人類は濃藍の夜の夢を見ない
性癖:アンドロイド
性癖:吸血鬼
性癖:逃避行
性癖:無機質な少女
性癖:人間と同じ見た目をした、人間とは違う視点・価値観の存在
性癖:リフレイン
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16817330657638486371
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前回の第四回性癖小説選手権にご参加頂いた独一焔さんです。
前回では人外と双子の話を投稿頂いた方で、人の外見をしながらも人と違う存在という物に心を惹かれている方になります。
今回投稿頂いた作品も人外である『アンドロイド』が出てくるのですが、その設定が「まっさらな状態の人工知能を、人間の成長に合わせたボディに移し替えながら教育をする」というチャイルノイドと呼ばれる物。そこまでして人間の子供に寄せたアンドロイドを用意する人類の探求心と愚かさがとてもSFチックでいいですね。そして自分達で作っておきながら「自我が芽生えていないチャイルノイドには存在理由が無い」としています。いい傲慢っぷりです。
そういったイメージが『吸血鬼』であるもう一人の主人公の作中の「まともな人類」と呼ばれる者を全く信用していないで、「まともじゃない」存在である『無機質な少女』に価値を見出している部分からよく伝わってきます。人外の方がよっぽど人情的って奴ですね。『人間と同じ見た目をした、人間とは違う視点・価値観の存在』だからこそ、愚かな人類では選べない「正解」を掴む事が出来るという独一焔さんの性癖がこれでもかとアピールされていました。ナイス性癖!!
そんな素敵な人外物の作品だったのですが、一点だけ『リフレイン』という性癖についてが少しわかりにくいなと思いました。『リフレイン』の意味としては『同じ句を繰り返す事」とあるので、物語の一番最初の旅立ちのシーンが最後にも同じ旅立ちのシーンとして書かれている事なのかと思ったのですが、今作の全体的なテーマに絡めるとそれだけで終わる気がしません。何かもっと別の部分で『リフレイン』が起きている様な気がするのですが、結局アンドロイドは記憶を失って無いですし吸血鬼も過去に何があったかどうかが分からないので『リフレイン』の良さが伝わり難いと思います。
『アンドロイド』と『吸血鬼』の人外物としてとても素晴らしい性癖の詰まった作品でしたので、せっかく性癖紹介に上げて頂いたからには『リフレイン』についてももっとアピールをして欲しかったかなと思います。
しかし、それを補って余るほどの独一焔さんの『人間と同じ見た目をした、人間とは違う視点・価値観の存在』への愛情を感じれる作品だったと思います。
独一焔さんは続いて連続で作品を投稿頂いているので、次の話も楽しみですね。ご参加ありがとうございます。
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