腐った夢
下之森茂
ゾンビは犬に噛まれた夢を見るか?
右手が
かさぶさができている。
通学途中で右手を近所の犬にまた
いつも
犬の名前はフレッシュという。
高校に通うようになって、
フレッシュと友達になった。
フレッシュだけが友達だった。
そんな友達に
あくびを2
高校生になってからしばらく
ろくに勉強もせず、深夜まで起きて
第一志望校に落ちたからか、
受験が終わった
僕本人でさえわからない。
くだらない内容なんだろうけれども、
僕にとっては楽しい
高校生活は
第一志望に落ちた先の高校では、
授業は中学校のおさらいのような内容。
くだらない映画の方がよほど
僕はそうして授業を受けず、
だいたいぼんやりと聞いて、
教科書を閉じたまま
教師に呼ばれようとも、
僕は
こんな
僕には友達ができないのだろう。
でも僕は友達を作りに、
学校に来ているわけじゃない。
友達なら犬でも
こんな
これは毎朝
フレッシュのうんちの
授業はとうに終わっているのか、
教室には誰もいない。
遠くで
僕はあくびを
休憩時間中に買っておけば、昼休みに
残ったアンパンで
どの教室も生徒が
文化祭の準備で看板や
教室内に
そんな室内の
なんせ
みんな
持っていったんだろうか。
僕はなんとも
それとも僕が寝てる間に、
でも
仕方なく台に身を乗り出して腕を伸ばし、
ショーケースの裏から
人気のローストビーフサンドを
これは
フランスパンのバゲット
上下に分割されたパンから
牛肉の
レタスとオニオンが
高校生男子の
このローストビーフサンドは
3年生の
取ってしまうのだが、
いまの僕なら
パートのおばちゃんも居ないので、
誰もいない
女子と
知らない2年生の女生徒で、
僕に気づくなり
近くのトイレに戻ってしまった。
女子って大変だな。
たぶん、事情があるんだろう。
男子にも
お互い様だと思いたい。
だからつまり、僕の顔を見て
失礼な反応をしたのではないと信じた。
外が
バタバタとヘリコプターの羽の音がする。
遠くの空を飛んでいる程度の音量ではない。
向かいの
屋上に
この学校にはヘリポートはない。
普通はないし、
それから、ヘリコプターが
大量の
ヘリコプターの高度はみるみるうちに下がって
やがて機体は
まるで映画のワンシーンのような光景に、
僕はローストビーフサンドを持ったまま
ヘリコプターは屋上から
バランスを
燃料を
校舎の窓ガラスが
耳をつんざく
廊下に
現実感のなさに恐怖は
僕は声もなく笑っている。
自分の笑い声など聞こえないのだ。
だってこんな光景、
誰だって笑うしかない。
それからして、女子生徒の
その音に引き寄せられるかのように、
どこからともなく生徒たちが集まる。
血色が悪く、目は
口を開けっ放しにしている。
そのうえ、ひどい
「ゾンビだっ!」
僕は心の中で
映画で見た、ゾンビの
メイド服?
どこかのクラスが文化祭で、ゾンビ衣装の
お
提供する食事は
くさやにキムチと
当然ながら
世界一
そりゃ
逃げ出す生徒も居るだろう。
なお、
などと勝手な
ゾンビたちは目の前の僕など無視して
ほかの生徒を追いかけている。
そのゾンビの
僕が
学校嫌いにさせた
◆
入学して
クラスの男子どもはどいつも馬鹿なので、
体育の時間の前に、女子更衣室見学しようぜ!
と笑えないことを言い出すやつがいた。
俺も
本人にとっては
周囲にとって笑えない話を繰り返す
相手にされないと馬鹿は…
あぁ、お前ホモか…。と言い出すのである。
そのくらいは別にいい。
こいつは、自分にとって気に
レッテルを
中学時代も
しかしそんな
生徒全員を集めて体育の授業を中止にした。
もちろん、女子更衣室見学も中止だ。
みんなに注目されることを
一体なにがこの教師の
といえば、アウティングだった。
つまり、
アウティングもなにも
全員からゲイ
俺は教室内の
ゾンビの
フレッシュのうんちが混ざった
よろよろと歩き、
ゾンビたちに見つかったらしく
助けを求めて
ゾンビたちは彼女を取り押さえ、
若いゾンビの中に、
やがて
ゾンビの
◆
ゾンビはどうして食べ残しをするんだろうか。
深夜にくだらない映画を見ている
僕の疑問は、常にそこにある。
人間が
食欲に支配されて人間を
ゾンビは人間を食べきるわけでもなく、
感染を拡大させるために
こうして新たなゾンビの
つまり子供を作る仕組みだ。
しかしそんな
死んでいて、
骨だけでも動けるのだろうか。
それに
必要なビタミンなら、
野菜で
そういえば、
他人に
僕も最近は
まともな食事を
ゾンビたちのほうが健康かもしれない。
トイレに行き、
そこに
血の気のない
だらしのない口元からよだれが
◆
そんな
ヘリコプターといい、
教室はお化け屋敷の衣装の準備で
盛り上がっていたが、寝ていた僕は
そんな空気に
気持ち悪さに
僕の
ヒリヒリと
僕は聞こえるような小声ですまんと
カバンを肩にかけて
カバンのベルトから手がすっぽぬけると
右手の
彼の
廊下で副担任の
両手を
と、
その
僕は
僕から飛び出た
急に
手で顔を
病院を
僕は
ゾンビのように集まる。
トイレから出てくる2年の女生徒と
夢で見た生徒に似ている気がするが、
彼女はセーラー服
メイド服を着ていた。
夢の中の彼女とは
そんな彼女に僕などが
◆
犬のフレッシュに会おうと思ったが、
そういえば、フレッシュのうんちは
友達にも会えない
カバンから
ローストビーフサンドを手にする。
掴んだ右手はフレッシュの
そうだ。犬は友達でもなかった。
もう学校に行くのはやめよう。
ゲイ
なんせ、僕は
けたたましく
僕は犬に
いつの
ローストビーフサンドを
(了)
腐った夢 下之森茂 @UTF
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