第493話 不本意な進化【side伊勢成実】
『…困っちゃうよ…。』
紅緒『それは贅沢な悩みじゃないかな?』
夏休み後半のある日、バイト終わりのあたしはとわわん家でおしゃべりタイム。学校が無いと暇!って叫ぶとわわんは用も無いのに目の前の東光高校へ出入りしては去年の担任の柳先生に帰れって言われてるらしい。
…話題は夏→変わったこと→体型ってはなし。
私のバストサイズがさぁ…。
『…94のG。最近キツイなとは思ってたんだ…体重はほとんど増えてないんだよ?!』
紅緒『…強そう…!ブロッケ◯GとかGガンダ◯とか…!』
なにそれ?
『実際肩凝るし…男子に凝視されるし…良いこと無いよ。
洋服だってかなり種類が限られるし…。
胸が大きくてウエストがキュって服あんま無いんだ。漫画だとおかしいほどバストとウエスト差がある服あるけど実際そんな服オーダーメイドじゃなきゃ無いし、そうすると露出多い服か身体のラインクッキリ見えちゃうか太ってる見える服の選択…。』
紅緒『まあまあ、なるみんは服になると熱くなっちゃうから…。』
『男子にめっちゃ見られるからね?
…ほんとこんな愚痴聞いてくれるのもとわわんだけ…下手するとおっぱいマウントって取られるし…。』
紅緒『…私もよく人に見られちゃうよ。
なんで皆んな人をジロジロ見るんだろうね?』
それは紅緒永遠って娘が明らかに人目を惹く外見だからでしょ?
とわわんはそこんとこ無頓着…。
※成実も意外と無防備。
『FからGでまたブラ買い直さなきゃだよ…。とほほ。』
もうじき出る冬物とか買いたいのに…。ってとわわんに漏らすとビックリして、
紅緒『まだ夏だよ?なるみんは気が早いね?』
この美少女ダダ漏れっ子はこうゆうとこある。
ファッションに無頓着!
あたしと会うまでママの買った無難すぎる洋服とモコモコウェアで暮らしてた娘。
基本マネキン買いってお嬢様!
『やっぱE位が丁度良い感ない?』
紅緒『無いよ!Eってすっごいおっぱいだよ!』
『私は中2頃Eだったけど…。』
紅緒『そりゃ田中くんも視姦するって…!』
『なっ?!視姦?!』
紅緒『私はギリCだもんなぁ…私ももっと胸あれば…承くんを誘惑出来るのになぁ…。』
自分の胸をぽんぽんと刺激するとわわん。
…そんなに細いのにCは十分凹凸あるでしょ。
でもそこでとわわんがショックな事を言った。
紅緒『…でも承くんが巨乳好きだったらとっくになるみんの魅力に陥落していたか?ってことは巨乳が至高ってことでは無い…?』
え?えぇ…。
男子はジロジロ見てくるけど承は恥ずかしそうに目を逸らしてた…そゆことなん?!
…ショック…。
『Gなんか要らない…Fで良かった…ブラの種類考えたらEが…。』
なんかしょんぼりしてると、
スマホいじってたとわわんがテンション上げて、
永遠『…なるみん?
承くんにEFGでどれが好き?って聞いたらGだって?』
『え?!なんで?!』
紅緒『ふんふん…Gから始まる言葉って格好いい言葉多く無い?って。
グレートとかグラシアスとかジェントルマンとかジェニュインとかジオグラフィックとかギフトとかゴールド!グロリアスにゴール!なんか豪華!
ゲームやグレイビーソースとか好きだし。あとガンダム。』
読み上げるうちにとわわんは笑い転げてお腹抱えてる。
『ガンダム…。』
褒められてるのか笑われてるのか…!
でも昔からあの少年は人の事を基本的にプラスに捉える。
良いところを見てそこを褒めてくれる。
真面目な顔で正面から恥ずかしくなっちゃうほど。
とわわんが嬉しそうに、
永遠『あ!バイト終わりなんだって!シフト変更聞いて無いけど!?
来て来て!って送信!
…えへへ♪』
報連相がなってないよ!ってぶつぶつ言うとわわんはどこの目線なのか…?
でも承が来る?
とわわんと私は慌ててお菓子を整理して換気して前髪直して大慌て!
とわわんは部屋着も変えてた!あざとい!
5分後承が到着して、
承『今バイト終わりでさ?
ふたり居るならって思って来ちゃった。』
とわわんが嬉しそうに笑いかけて、
永遠『明日一緒にランチして夏休み宿題会やるのに…私の顔見たくなっちゃたー?』
承は恥ずかしそうに、
承『ふたりの顔な?
いつも見る顔だけど夏休みっていつもは会えないから伊勢さんと両方会えるなら顔見たいなって思って寄っちゃったよ!
って言うか明日も会うのにね?』
とわわんと顔を見合わせる。
こうゆう恥ずかしい事を言っちゃうのだ!こいつ!
…うれしい…。
承は不思議そうに、
承『さっきのGってなんなの?』
とわわんは私の胸を後ろからギュッて鷲掴みにしてきたの!
急に胸を触られて!先端が擦れちゃって…!
『…ひゃっ♡』
永遠『ほら!ガンダム!』
承は真っ赤になりながら、
承『何処がガンダム?
男子にそうゆうの見せない方がいい…!』
って真っ赤になって目を逸らした。
とわわんもびっくりして、
永遠『望ちゃんがおっぱい揉むとえっろい声出るって言ってたけど本当だった!』
おまえは締める。
☆ ☆ ☆
お菓子食べながらしばらく話して、そろそろ夕方って時間にお暇する。
とわわんが名残惜しそうに、あたしと承を見送ってくれる。
いつもの通学路。
だけど夏で暑くて夕陽が眩しい。
承『ねぇさっきのさ?Gってなんなの?教えて!』
『ふっふー!どうしようかな?』
承は考え込んで、
承『ジャイア◯?グレートマジンガ◯?グレンラガ◯?』
イライラするぅ…!
詳しくはわからないけど、なんかゴツくて男っぽい響きを感じる…!
河を渡ったコンビニで小休憩、涼しー!
承『あー生き返るー!』
『なにそれ!おっさんみたいー♪』
汗かきだからあたしは一応化粧室で制汗スプレーして、風で乱れた前髪整えて出る。
…買い食いしたいっ!でもブラで出費と服欲しい!
我慢我慢!…一個だけ…!
あたしはなんと無くあんドーナッツを手に取った。
387話 気遣いあんドーナッツ 参照
https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16818093077850056807
コンビニ外で承が待ってて、
『行こうか?』
自転車に乗るけどあたしは承ほど脚力が無い。
だから最初ノロノロ走る。
承『ほら!伊勢さん!』
パピ◯?二つに割るあのアイス!
『いいの?』
承『コレ二人で食べるから美味しいまであるよね?』
頬が熱い。
夕日で誤魔化せてるかな?
承『ほら!』
また?また手を伸ばす承におずおずと手を伸ばす…。
きゅ!承の力強い手が私の手をしっかり掴む!
『いっくよ!』
承が私の手を引きながら自転車急加速!
通学路、大河を渡る時風向きによっては私は全然進まない。
そのときだけ承と青井が私の背中を押してくれて1kmほどある直線を運んでくれる事がある…!
新川町!直線だけじゃない!
知り合いに会うかも!
あわあわするあたしを承は笑いながら全力で自転車を漕いで私を引っ張る!
手力強いな…。
重く無いかな?
どうゆう気持ちで手を握ってるのかな?
…きっと親切と遊びで夢中になって自転車漕いで手を握ってるんだろうなってわかる。
でも私は声をかけられない。
…声をかけて意識したらきっと承は手を離しちゃうから。
私はきゃあきゃあ叫びながら承に引っ張られるがまま。
恥ずかしいよ!って思うし、知り合いに見られる可能性だってあるんだよ?
でも私はとても手を離すことなんて出来ない。
ただ掴まれてる手の熱さと感触に集中しながら夏の新川町を駆け抜けた。
そんなに早く走ったら早く家に着いちゃう事だけが不満だったな。
承『とうちゃく!』
少年の顔でドヤ顔承はあたしの家の前まで送り届けてくれた!
『…ありがと…。』
ちょっと意識しちゃって…はにかんだ言い方になっちゃう。
承はあはは!って笑ったあと繋がってる手を見て、
『あっ…!』
って手を引っ込めそうになるのを…あたしが逆にぎゅーって握っちゃう!
『はい、お駄賃♪』
あんドーナッツをその手に握らせる。
食べたいけど…アイス半分貰ったし…!
承はあんドーナッツを見てにぱって顔を輝かせ、そしてあたしの顔を見てその場で袋を開けて、
『はい!半分こ!あーん!』
『…あーん…♪』
承に口を開けさせられてあんドーナッツを半分口に捻じ込まれちゃう…。
『…ん♡大きい…♡』
男子じゃ無いんだから!そんなにいっぺんに入らないよ!
承はあははって笑って、手を振って帰ろうとする。
あたしだけ真っ赤になって意識してるのが恥ずかしくって…!
『承!さっきのGだけどさー!』
まだそこに居るから少し大声!
承『んー!あれなに?』
『…の…サイズ!』
承『なんて?』
少し躊躇ったら承は聞き返す。
自転車乗ったまま後ろを振り返る承、あぶないよ!
大声でびっくりさせてやろ!
『あたしのブラのカップがGなのー!』
承は目に見えて動揺していた自転車グラングラン(笑)
おっかし!
…でも家に入って気付いた…顔から火が出そうだよー!
なんであたし…!大声で自分のブラのカップを…!
恥ずかしい…!はずかしいよぅ!
☆ ☆ ☆
直後立花家。
望『にいちゃんおかえりー!
聞いて聞いて!あたしのブラかろうじてBカップだったのが正真正銘のBになったよ!』
承は望の胸元をチラッと見て心ここに在らずってため息。
承『…B…C…D…E…F…G…Great…!』
望『…ふぁっく!
何かわからないけど負けた気がする…!』
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