第427話 初日を終えて【side立花望】

三島裕太が…やっちゃった…。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663085191362/episodes/16818093080902132339



??『望?貴女何してんの?』

??『望ちゃん?なんかすごい動きしてたよね?』


自分が閃光魔術シャイニングウイザードで倒してしまった三島裕太をゲンナリしながら助け起こすところに大好きな先輩のお声♪

…シャイニングウイザードって光魔法っぽくない?

※ゴリゴリの物理攻撃です。


あ?!


ごずん!


三島の頭落としちゃった…!


『小幡先輩、香椎先輩どうしたんですか?』

※気にしてない。


あたしは嬉しくなって駆け寄った!

小幡先輩は公立最難関の県高、香椎先輩は県トップの天月。

2人とも綺麗で文武両道の才媛。2人とも学業と部活を両立してらっしゃる。


小幡『大丈夫なの?その子?』

香椎『ダメだよ?むやみに暴力振るっちゃ!

君大丈夫?』


香椎先輩が慌てて介抱を…ダウンした三島のヤツを膝枕しかねない!


『先輩!ちょっと待って?』


あたしは急いで芹に電話!

せりー!!芹はすぐに出た。


芹『望ちゃん?!

もう試合じゃ無いの?どうしたの?!』


慌てる芹に一言、



『第三コート裏。香椎先輩居るよ、小幡先輩といっしょ。』


『…んっ!!』


…芹は一瞬で理解してダッシュでやってきた!

あたしは事情説明して芹に三島を託した。


『…芹…鈴木くんに電話してさ?

三島がダウンしたから迎えに来てって電話して?』


芹はコクコク頷いた!

鈴木くんに電話する口実出来たね!やったね芹ちゃん!


香椎『…本当に大丈夫?』

小幡『あれ?この子って…。』


ダウンしてる三島裕太を覗き込むお二人に大丈夫大丈夫!ってフォロー入れて?


『シャイニングウイザードは光の魔術(物理)なのですぐ目を覚します!

お二人ともどうしたんです?』


先日のひーちゃんにくれた絵本のお礼を言いながら自分の仕出かしを流しつつなんでここに居るの?って聞いてみる。

小幡先輩は青をあしらった涼しげなウェアでクール美人感全開!


小幡『うちらも火曜からインターハイ予選でね?会場ここだから下見に来たのよ。ちょうど貴女たちも大会中だから見て行こうって?ね?』


香椎先輩は白に赤をあしらった綺麗なウェアで今日も全開で美人さん。

香椎先輩はうなずきながら、


香椎『そうそう、母校の後輩たちの顔見たかったしね♪』


『お話ししたいけどそろそろ入場なんです。

またあとで!』


小幡『あら?引き止めて悪かったわね?

…望、頑張って。』

香椎『望ちゃんはきっと私の中3の時より強い。

…普段通りの力を出してね?がんば♪』


お世話になってる先輩の前で無様な試合見せられないよっ!

あたしは2回戦を圧勝して皆んなの元に戻る。

気付けばひーちゃんは先輩に抱かれて雪だるまさんの絵本のお話しに夢中。

お姉ちゃん勝ったよ!


みんな帰りは新川町。

母さんとひーちゃんは自家用車で一足早く家へ帰る。

最後の大会ってこともあってあたしはみんなと電車で新川町へ帰る。

先輩も一緒に帰るけど人気の先輩で皆んなに囲まれて大変みたい。


『(香椎先輩ならなんで兄ちゃんが忙しいか知ってるかな?)』


そう思ったけど周囲が人多くてもう話しかける機会が無かった。

明日も来るかも?そう言い残し駅で先輩とはお別れ。



緑『よくお兄さんと話しなよ?』

きい『まじまじ。お兄ちゃんに可愛がって貰うといい♡』

茜『そうそう!お兄ちゃん来てくれなかったからあたち調子出なかったのぉ〜♡とかやってきなよ!』


芹『…素直にさ?試合見に来て欲しかったよ、いつも応援してくれてありがとう!って言いなさいね♪』


『…でも明日もバイトで来れないって言われたもん…。』


思い出して腹が立つし…さみしい…かなしい。


芹『そう言えば良いじゃん。

来てくれないから寂しいって。

お兄さんもそうとうシスコンだから怒るより甘えた方が効果的じゃない?』


『…そんなこと…。』


4人に散々煽られて家に帰る。

…でもそうか…怒るより甘える…仕方ないよね?

メンタルの為!皆んなに勧められたから!兄ちゃんと仲直りしてさ?

来て欲しかったんだよって伝えてさ?

…地方大会や全国大会は見に来てね?っておねがいしちゃおう…♪


やーあたし可愛い妹だなぁ。

そんな事思いながら家の扉を開けて玄関に入ると祖父母がめちゃくちゃ喜んで出迎えてくれた!


ひー『ねえちゃん!ねえちゃんおかえり!

いまね!ねえちゃんのしあいしゅごいかった!っておはなしてたの!』


ひーちゃん大興奮!祖父母も大喜びで聞いてくるから?

聞きたいか?あたしの武勇伝♪


ひとしきりひーちゃんと祖父母にお話しして荷物下ろしてキッチンへ向かう。

…兄ちゃんはまだ帰宅していない。

キッチンでは母さんが夕飯の支度中。


『おかあさーん!口が寂しがってるー!』

※お腹減ったって言う望のアピールw


母さんはあらあらって微笑みながら


母『寂しがりなお口だね?あーん?』


『あーん♡』


お母さん調理中の豚の角煮の崩れたところをお口に放り込まれる!

ハフハフ!米!米要るよ!


すぐ飲み込むのが惜しくてむごむごしてたら母さんがもう一切れくれた!うま!

調理中の母さんとおしゃべりしながら色々話す。

親友たちのこと、先輩たちのこと、テニスのこと、大会のこと。


『…そう言えば…兄ちゃんは帰って無いね?』


あたしはすぐに聞けなかったことを今更聞いた。

母さんは困った顔して、


母『あー…。

承ね?急にバイト入ったって。

遅くなるかもって言ってたよ。』


『は?』


マジなんなの?

仲直りしよう、素直に来て欲しかったんだよって伝えたかったのに…。


『兄ちゃん嫌い。マジでおかしいよ?

ぐれたのかな?変な女にハマってるとか?』


その一言をひーちゃんが聞いててひーちゃんは悲しい顔してる。

まじで兄ちゃんムカつく!

ムカつく!ムカつく!





…さみしい。

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