第399話 ひとたびの決意
『玲奈さん…聞いてくれる?
昔もこんな事言ったかもな…。
俺がなんとかする!必ずなんとかしてみせる!』
ああ、前もこんなだったなぁ。
どんなだったっけ?体育祭だったような?
88話 決意
https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16817330659897511457
婚約者の居る女の子と手を握り合う。
生理的に不貞っぽくて嫌悪感ある…!
でも玲奈さん、玲奈さんなんだもん!
俺にとっては女神?月?
いいや、唯一無二の香椎玲奈その人だろ。
『玲奈さんの望みは…
1、新二くんと結婚はしたくない。
2、自由に生きて大学、弁護士の夢を追う事。
3、好きな人と結婚…で良いんだよね?』
潤んだ瞳で頷く玲奈さん。
まあ正直、2、3番は自分でなんとかして貰うとして…
実質1番の新二くんとの婚約破棄して結婚が御破算になれば進学や結婚の自由が戻って万事解決なわけで。
…って言うか新二くんの婚約だけなんだよね。
おおっと、不安がるな!
玲奈さんが見てる!
玲奈『…だけど…簡単に行かないから困ってるの…。
承くんを疑う訳ではないよ?
でも…お金持ちの権力者で…無理を通せる力のある人な訳で…。』
玲奈さんは申し訳無さそうに俺に注意喚起してくれる。
そんなの百も承知で俺も口にしている訳で…。
それでも、
『前も言ったけどさ?
それが玲奈さんの願いなら俺が必ず叶えるから!
俺が持ってる力、才能、知恵、努力、お金、人なんでも全部を使って、いやらしい手でも悪辣な手でもどんな手段でもなんでも使って必ず玲奈さんの願い叶えてみせる!
』
前回は…犯罪は以外って言った…。
…今回は…言えない…。
真っ当な手段じゃ…。
でも俺…のぞひーに顔向け出来ない事は…。
前と違うのは玲奈さんって呼んだこと。
『なんで?なんでそこまでしてくれるの?
…前回は『誓い』があったから…だよね?』
玲奈さんは熱い瞳で握る手をさらに強く握って俺に問いかける。
…その時は…。
『あの日誓ったから!』
確か…そう答えた…。
俺がクラス委員長解任されて玲奈さんが色々聴きにきて…ふたりで泣いちゃって…
困ってたら助けてくれる?って玲奈さんが言った、その時俺は必ず助ける、誓う!って言ったんだった。
その気持ちも嘘じゃないし、間違いじゃ無い。
でもね本当は、本当に言いたかった事は違うこと。
いつかキチンと玲奈さんに好意を伝える日が、求愛をする日が来ると思っていた。
その結果はどうであれ。
それが…まさか…自分の部屋のいつも寝てるベッドの上…
こんなシチュエーションだけは全く想定してなかった…いやマジで。
熱い眼差しで玲奈さんは俺の言葉を待つ。
お互いに正座して暗い室内、ベッドに正座して向かい合う。
俺は玲奈さんの手を強く握り、玲奈さんは俺の手をキュって握る。
俺は大きく息を吸い込んだ。
もう逃げないし、もう迷わない。
心を澄ませば自分の奥から出て来る言葉はただただ好意と求愛の言葉のみだった。
俺は覚悟を決めて、口を開いた…!
☆ ☆ ☆
次回400話記念回w
承の告白回です。
玲奈さんは言わせたい(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます