第400話 告白
『なんで?なんでそこまでしてくれるの?
…前回は『誓い』があったから…だよね?』
握り合う手と手、交わす熱い視線。
この至近距離で玲奈さんのまっすぐな瞳にもう誤魔化す事も嘘をつく事なんてできやしない。
俺は大きく息を吸い込んだ。
そして、自分の鼓動の音しかしない室内で正面から玲奈さんの大きな美しい瞳を見つめながら俺は一際強く手を握り伝える。
なぜか?と問われて答えられる事は…
『君が好きだから。』
薄暗い室内でもハッキリわかる玲奈さんの顔の紅潮。
今までも中3の文化祭やこないだのクリスマスでポロリと好意を口にしてしまった事はあった。
でも、今回は違う。
もう胸に仕舞えない!想いが大きくなりすぎてもう俺の胸には収まらないんだ。
『玲奈さんが好きだから、何度でも何度でも助けるし。
どんな事でも、どんな難問だろうと必ず俺が助けて見せる!』
あぁ、ださい!
俺のワードセンス…!
でも、俺はこうとしか言えない漢…。
巷にはもっとスマートな告白やオシャな告り方があると聞く。
それでも俺は…!
『さっきも言った事だけどね。
俺は子供の頃からずっとずっと君が好き。
…でも今はもっと好き。
この気持ちは誰にも負けない。
必ず俺がなんとかしてみせる!』
フリーズ状態の玲奈さんだけど…握る手は熱く、互いの鼓動が手から伝わってる気がする。
多分…だけど…玲奈さんも俺のこと好き…だと良いなぁ…。
と、言うのも玲奈さんの瞑った目から涙がずっと溢れてる。
綺麗な頬を真珠のような涙がポロリポロリと落ち続ける…。
声も出さずに涙する玲奈さん…。
いつの間にか外は月が出ている。
うっすら月明かりで照らされる玲奈さんは幻想的なほど綺麗で言葉も出ない。
左目の泣きぼくろの辺りを涙が流れていく…。
どれ位の時間が経過したのかわからない。
玲奈さんは口を開く、
大きな瞳からは依然涙は止まらない。
涙声の掠れたその声で、
『…私…私は…私も…』
俺はその花の様な唇を人差し指で閉じる。
『だから笑って欲しい。
玲奈さんが笑ってくれるなら俺は何でも出来るしどんな事だって出来る。
…全て終わったら…返事聞かせてほしい。
…俺は玲奈さんの笑顔をいつも、いつまでも見ていたいんだ。』
玲奈さんは大粒の涙を流しながら、頷きながら笑ってくれた。
大輪の花が咲く様な美しい笑顔は何度見ても心と頬を熱くする…!
子どもの頃からこうなんだ…玲奈さんを見てるだけでもっともっと好きになる。俺の心はバグってる。
…この笑顔の為なら死ねる!
俺は想いを伝えきった。
だっさい、勢いと熱だけの告白だけど子供の頃からの憧れ、香椎玲奈に想いを伝えた…!
☆ ☆ ☆
閑話など入れるともっとあるけどナンバリングの話は今回が400話目でした。
1話目で偽告白から付き合い出したり、とりあえず付き合ってみたら…みたいな話も多い中400話目でヒロインに告白って周りくどいお話しにお付き合い頂き本当にありがとうございますw
承くんの苦闘の日々が始まりますw
これからもお付き合い頂けたら幸いです。
♡、☆、コメント励みになってます、いつも読んでくれてありがとうございます♪
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