第3話Vtuber潰し討伐

 今日、私。織田乃田は人気Vtuber爆竹製造系Vtuber爆☆畜☆に宣戦布告し、それを見た視聴者が攻撃しにいった。


匿名『竹を見る 過ちをなし 愚者なり』


百式『音聞こう とても活き良し 帰り悪し 爆破の終わり 人生の終わり』


ナンロ『この人の転生前を晒します!ここから見てください!(URLを貼り付けてある)』 

 

助けてください(登録者数が1万いったら助かる小学生)『助けてください』


5nk4e『この配信って、何が面白いの?』

 

 いつもの通りの地獄絵図だったが、そこに、いつもでは見られない霧のような異臭を放つコメントがあった。


怪文王¥50000『拝啓。爆☆畜☆様


気持ちが落ち着きますね、この配信を見ていると、かなら            ず持ちものはパンでパン屋さんでランデブーと高く言って

いまちかようしせつに大ぶち込まれてラッキーだとおもっ 

ていたよ。金星を見上げようとしたら、壁だったことを思

い、鯖死す、なんてことを考えてるんだろうと、親友のた

るい鎌にかぎらず言ってきたんで来たんですよ……ガチほ

んとうに抱かだ君にはまいっちゃう!       

だんぜん、ろくろ首は燃やして討伐派の簡単くんです!   

ろうそくが消える!までよろしくね!!!!!!!       

おしりをつかって森羅万象の物を表す競技、カカカ、お前

が産むんだよ、全国+全世界問答無用参加コンテスト 

が今度行われるんですけど、とんでもエクストリーム

面白そうなので、パンをもって、ハンカチは大とても

白いので大丈夫だよね!!!?勿論弁当を持ってこな

くても大丈夫だよ?海岸のわかめ持っていくから、く 

ないは料理するのに使うから持ってきてね♪おもしろ

いからね!?大丈夫、帰宅途中に石を蹴って帰る遊び

の100分の1くらいの面白さだから安心してね!???

はなしはまた今度のスパチャで!? 


   親愛なる爆竹製造系Vtuber爆☆畜☆様へ。』


 そのスパチャの額をだんだん減らしながら、連投していると、本能寺の変が起こり、爆竹製造系Vtuber爆☆畜☆は終わった。


 私はいつも通りに、ご恩配信をしていると、その様子がかなり変だった。


 『死ね』のコメントでコメント欄が埋め尽くされていたのだ、その速度はまるで光の速さのごとく、私のファンが擁護のコメントを投稿しても、それが表示されるのは刹那。


 一瞬にして、その枠は『死ね』になる。


 私はこんな異常なことをやってのけるのは革命系Vtuberの御三家が一人、連投天のせいだとわかった。

   

 これは……、不味いかもしれないね。


 御三家の一人である怪文王は攻撃力は申し分ないが、防御面においては全くもって意味をなさない。

 

 どうしよう、このままじゃ、負けちゃう。


 そう、本能寺の変の狙いは、ただ炎上させてVtuberを潰すことではない。


 本能寺の変をされてしまったVtuberのファンは見切りをつけて離れていってしまう為、それは実質的な敗北に繋がり、敗北した場合、二度とファンはつかず、再び活動をしたければ自らのチャンネルを消すしかないのだ。

 

 自らチャンネルを消すことを少し前は引退などと呼んでいたが、今では戦国風に自害と言われている。


 でも、これは。良いチャンスなんじゃないかな。


 このまま、不純な事をしていても、駄目だし。


 ここはいっそ、今まで支えてくれたファンには悪いけど自害してしまえばいいんじゃないかな?


 御三家の最後の一人、略奪王が、最後に私のチャンネルを荒らして。



 私は決心がついた。



☆――


 今日、7時30分。


 私が攻撃を仕掛けたのが影響したのかはよくわからないが。

 

 織田乃田の重要報告配信がなされた。


 その内容を簡潔にまとめると、自分のせいでVtuber戦国時代になっている事に責任を感じ、切腹するといった内容だ。


 切腹と言っても、本当に武士がやるように腹を切るわけではなく、自ら引退するだけだ、本人は私の死でVtuber戦国時代が終わると願から最後の自害と銘打っていた。


 その配信中には、『多分、釣りだな』『織田乃田殿!考え直して下され!殴りますから!』といったコメントが書かれ、本当に切腹して配信を終わる頃、こんなコメントが流れた『これが本当の本能寺の変か』というコメントが、妙に頭に残った。


 本人は本当に辞め、チャンネルも、もう存在しない。


 私も一応のご恩配信をして、即チャンネルを消した。


 その後のVtuber界隈は織田乃田がいなくなったことで、徐々にVtuber潰しも減ってゆき、最終的には平和が訪れた。


 だが、今のVtuber界隈は以前の飽和状態の頃よりも確実に良くなっている。


 Vtuber戦国時代でファンを獲得するのに切磋琢磨した結果。己のスタイルを確立したVtuberも多く、平和になった今では、皆が様々な動画、配信をしている為。


 まだVtuberというコンテンツは生きれそうで安心した。


 私はそう思いつつ、休日の暇な時間をネットサーフィンで潰していると、聞いたことのある声が聞こえる。


「ガチにちは〜、どうもガチゲーム実況系Vtuberのガチルです!よろしくお願いします。」

 

私はその心底楽しそうな声を聞いて、配信に魅入った。 

  


 

 

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Vtuber戦国時代録 大正 水鷹 @66rliyourliya969

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