第2話潰し潰し、動く
最近のVtuberはおかしい。
せっかくのファンをけしかけて他のVtuberを消しにかかるからだ。
その兆候はとある革命系Vtuberが現れて、とんでもないカリスマ性で多くのファンを抱えて、多くの有名Vtuber、底辺Vtuberをまんべんなく、攻撃して辞めさせ、少し経つと嵐のように去っていった頃だった。
そう思いつつ、"元"Vtuberの明美はVtuber潰しに『Vtuber潰しなんてもう辞めましょうよ。』とコメントする。
そのコメントには『空気読めよ』等の私の意見に批判的なコメントが寄せられ、更に、配信主に無視された。
駄目ね、誰も聞く耳を持たないわ。
これじゃ、みんな傷つけあって、全員精神的に病んで、Vtuber業界が終わってしまう。それだけは阻止しないと。
でも、こんな誹謗中傷とかで滅茶苦茶やっても警察は動いていない。
何故だかは分からないけど、なにか大きな陰謀が起こっていると思うわ。
……って、こんな時に陰謀論を考えてどうするのよ、考えるべきは、そんな飛躍したものではない。もっと、身近なこと。陰謀を止めるより、今の状況を変えないと。
その為には、Vtuber潰しで最も有名な人を説得した方が影響力は高そうだけど。
私は珍しく、とんでもないファンの誹謗中傷力が高く、容赦なく本能寺の変をさせることから、戦国時代自らを魔王と名乗った織田信長の名字をあだ名として組み込まれ、織田乃田と言う名広がったら織田乃田が、ただゲームしているだけの、織田乃田の配信を見る。
そして私は一時間配信を終わった。
……織田乃田、普通にゲーム上手くない?上手すぎて一瞬プロゲーマーを見ているのかなって錯覚してしまったわ。
なんで、あんなにゲームうまし、優しいし、イラストもいいし、声もいいのに。
どうしてVtuber潰しなんてなんてやっているのよ!
これは1ファンとして、説得してVtuberを辞めさせないと、この才能が無駄になるし。あの優しさなら、今の状況を嘆いてるに違いないわ。
私は早速、織田乃田にDWを送った。
☆――
「うん?これはDW?初めてだなー、どんなことが書かれているのかな?」
私は少し間をおいて考える。
私、というよりかは、織田乃田にDWを送ってくることは、ダイレクトアタックかもしれない。
ダイレクトアタックとは、レギュレーションでは邪道数ある中での攻撃方法。相手にDWで権力などをちらつかせて強制的に辞めさせること。
やっている事は脅迫でしかないので、辞めておいた方がいい行為だ。
私は、ダイレクトアタックじゃなきゃいいなと思いつつ、DWを見た。
その内容は、私の予想を斜め上をいく物だった。
内容を要約すると、「あなたはVtuber潰しをやめた方がいい」という物だった。
私は新たなダイレクトアタックかな?と思ったが、そのDWはとても丁寧に敬語を使って書かれていため、ダイレクトアタックではないと思った。
でもなー、これ。どういう事だろう?そのままの意味で受け取っていいのかな?
取り敢えず、返信しておこう。
「そうしたいのはやまやまですが、しばらく出来そうにありません。っと。」
私はDWにそう返信して、次の配信の準備をする。
☆――
うん、多分駄目だ。
ダイレクトアタックだと思われている。
これだと、もう一回やっても意味は無いわね。
どうしようかしら、これじゃ、どうしょうもなくなってしまったわ。
私はどうにかしようと、この前立ち上げた掲示板を覗いた。
そこには、我こそはと時代を変えんとするスレ民は、私が帰りを報告すると、『よく帰ってきた』、『スレ主キタコレ』などといったレスが書き込まれ、その中の一つにはこんなものがあった。
『これは、スレ主が特攻を仕掛けて織田乃田を本能寺の変させる他ないですなwww』
そのレスを見た私は完全なる最終手段かつリスクが大きな選択肢を思いついく。
織田乃田を私がVtuberを再開して、本能寺の変させることだ。
そう私に魔が差した時、一つのレスが投下された。
『それだったら御三家である私と、連投天が手助けするぞ』
そのレスには『本当だったら凄いが、どうせ嘘だろ』、『そうだったらお願いするわ。』等のレスが書き込まれ、『それなら、証拠を見せてやるよ。ディスプレイ耐久度確認系Vtuber破壊ニキの配信を見に来い、破壊させてやる』
私はその言葉の真実を確認するため、ディスプレイ耐久度確認系Vtuber破壊ニキの配信を見に行ったが。
圧倒的だった。
その荒らしは素人する生半可なものではなく、プロがやる徹底的な潰しだった。
しかも、革命系Vtuberの時よりも進化している。
そして、掲示板に戻ってみると。
案の定、書き込みしていた。
『どうだ、これで俺が本物なのは分かったか?』
そのスレに『最強御三家の内の二人、キターーー!!!』『これで勝つる!!!』『俺は最初からわかっていた』等の歓喜の声で溢れていた。
勝算ができた為、私は最終手段を取ることを決めた。
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