金曜日のメロンクリームソーダ

金曜日のメロンクリームソーダ

　きらきらしたものを摂取しなくちゃ。

　とっても綺麗で、最高中の最高のきらきらを。

　「身につける」んじゃ、だめなんだ。

　可愛いネイル、透き通るアクセ、眩しい服。

　それでもいいけど、今日は違う。

　「身につける」のと「取り込む」のじゃ、話が違うから。

　いま、私はきらきらに溺れたい。

　きらきらを内にいれて、きらきらに染まりたい。

　他人には見えないけど、それがいい。

　心や魂は見えないからね。

　メロンクリームソーダを浴びよう。

　心と魂にメロンクリームソーダを浴びるんだ。

　あの緑色を何に例える？

　「宝石みたいだ」なんてありふれすぎてる。

　あの緑はメロンクリームソーダにしか生み出せないのだ！

　グラスいっぱいに広がるメロンクリームソーダの海。

　浮かんでいるのはアイスの白浜の島。

　真っ赤なさくらんぼはきっとビーチボール。

　私だけの小さなユートピア。

　しゅわしゅわ、潮騒が砕けて甘い香りが弾けている。

　その影すらも、メロンクリームソーダ色。

　舌と喉で完璧な世界を味わって。

【終】