閑話

キャラクター紹介など

 作者が想定する読者の認識を書くつもりなので、新情報はあまり出ないと思います。つまり読まなくても大丈夫です。本編を読んでいて人名を見たとき「これ誰だったっけ」となったときなどにお使いください。


 4章終了時点までの情報を纏めますが、4章を読んでないよって方でも、ご利用いただいて大丈夫です。大したネタバレは無いと思います。





―目次―


●〝魔女のよすが〟

・アノール

・ヨルノ

・ガル

・イエッタ

・アスキア

・クエスリィ

・ドミエンナ

・〝魔女の塔〟


●〝クレアムルの三王子と貴族〟

・キルリ

・オリーブ

・ガーレイド

・イエグ

・〝お父様もお兄様も暗殺作戦〟

・エリカ

・ムクル


●〝銀の鶴翼〟

・レオン

・オニクス

・アッチェ

・ストロベリー

・〝銀の翼〟

・カリオ


●〝イヴの一家〟

・エール

・ギラフ

・フィオネ

・ショット

・シワス


・アイン


●それぞれの手形とそれに対応した能力傾向

●精霊体





●〝魔女のよすが〟

 傭兵団。メンバーはアノール含め7人。最終的な目的は中央教会を倒すこと。その手段として(手形を手に入れるために?)〝アッカラ村の襲撃〟を画策したが、主にレオンの抵抗によって失敗した。

 現在は、彼らの協力者である第三王子ガーレイドをクレアムルの国王にしようとしている。(〝お父様もお兄様も暗殺作戦〟)

 一部メンバーは、過去に存在した〝魔女の塔〟という組織のメンバーでもある。



・アノール・イリス・アーク(〝能力の盗用クラック〟)(容姿の描写:1話、8話)

 今作の主人公。1章を経て〝魔女のよすが〟に加入。なし崩し的に戦闘に巻き込まれていくが、その中で〝魔女のよすが〟に愛着が湧いてくる。

 能力のスペックを纏めると、「射程は20メートルでギリギリ」「効果は一秒未満」「一度使うと同じ相手には数分は使えなくなる」「複雑な能力だと、初見で思い通りに操作するのは難しい」が「オンオフくらいならどんな能力相手でもできる」。

 副次的な効果が無視できないレベルで有効。「相手が能力者かどうか分かる」「能力者の気配を察知できる」。

 惚れっぽい。ガル、ドミエンナ、ガーレイドの全員に恋っぽい感情を感じている。この中ではガルが一歩リードか。

 ヨルノに上記に似た感情を向けたことはないのだが、「綺麗」で「魅力的」に見えるときはあるらしい。



・ヨルノ・ホーク(〝下品で汚れた色眼鏡レインボーワールド〟)(容姿の描写:1話、8話)

 アノールの母親の仇。

 自称「アノールの運命のヒロイン」。なぜかアノールのことが好き(?)。

 能力によって、他人の選抜の適性や、どれほど強い能力を手に入れられるかが分かる。教会が「選抜は人生一度きり」というルールを敷いているため、この能力の価値が大変なことになっている。

 正式な名称はヨルノ・アー・ホーク。父親にムクルを持つ。

 一時期〝イヴの一家〟に預けられていた。ショットと因縁(?)がある。



・ルルウ・ガル・ヴァルカロナ(〝能力の借用フォースキルズ〟)(容姿の描写:5話、8話)

 〝魔女のよすが〟の頭領。立案、指揮、実行、全部やる。魔女で表舞台に出るのは、ふつう彼女だけらしい。

 一人称が「わたし」「わたくし」、呼称が「ガル」「ルルウ」と場合によって変わる。ふつう敬語で話すのだが相手によってはタメ語が出る時もある。キャラも自己肯定感低め系とカリスマ系で揺れる。読者の敵。

 〝魔女の塔〟という組織のメンバーだったらしい。「生き残りは三人」と言っていて、きっと本人もこの三人に数えられるのだろう。

 イエッタからは「浮気女」呼ばわり。人を垂らし込むのが上手い様子。

 過去にショットという影武者がいたらしい。影武者を必要としていたと言うことは、元々は地位の高い身分にあったのだろうか。



・イエッタ・アスキュート(〝密室殺人現場保存モデルルーム〟)(容姿の描写:8話)

 関西弁をベースにした瀬戸内風の方言を操る。アスキアのことを「アスキアたん」という愛称で呼ぶのは彼女だけ。

 共和国ツイネックの有力マフィアの娘らしい。

 既出のいずれの手形とも違いそうな能力を持っている。

 能力は、描写を見る限り「インテリアと壁、扉や窓など」を固定して傷一つつかない状態にするもの。「落下中のランプ」をインテリアに判定できる。



・アスキア(〝保存と読み込みラプラスヒューマン〟)(容姿の描写:8話)

 無表情の人。本人曰く「ガルの参謀」。

 能力は過去の自分のステータスを読み込むというもの。読み込めるステータスには〝座標〟も含まれており、それにより瞬間移動も可能。このとき他人を伴うこともできる。

 とはいえ素直に収監されていたことから察するに、あまり古い座標は保存できないのだろうか。それとも能力を無効化できるような収監方法があるのだろうか。

 体の状態の読み込みと座標の読み込みの同時使用も可能。能力にはクールタイムがあるらしく、一度使うと、少しの間使えなくなる。



・クエスリィ・クリア(〝目にも留まらぬ早業クレプトマニア〟)(容姿の描写:13話)

 猫な人。モノローグは普通のお姉さんっぽい。愛称はクエス。

 エールの師匠になってしまった。エール曰く「強すぎる」らしいが当時のエール評なので、全体でどれくらいの強さなのかは分からない。

 〝魔女の塔〟の生き残り三人のうちの一人。でもショットとは違い、ガルのことはガルと呼ぶ。にゃんすらつけない。



・ドミエンナ(〝触覚拡張サイコキネシス〟)(容姿の描写:13話、23話)

 敬語+語尾に母音が出る。「~ですねえ」。カジノの支配人をやっている。お酒好き。愛称はドミィ。

 メインウェポンは先端に矢じり(?)の付いた鋼線(?)で、普段は腰に付けたリール(?)に巻かれている。



・〝魔女の塔〟

 十年前にあった〝魔女のよすが〟の前身とされる組織。〝銀の翼〟という組織に敗れたらしい。ガル曰く「生き残りは三人」。きっとガルを含むので、明記されたショットとクエスリィを加えて、三人埋まる。





●〝王国クレアムルの三王子と貴族〟

 クレアムル王位の継承は何事も無ければ長男キルリなのだが、弟二人がキルリの暗殺を企んだため、ややこしいことになった。



・キルリ(〝形態変化—情報ゴーストフレーム〟)(容姿の描写:34話)

 第一王子。一人称は「オレ」。

 自殺志願者なのだが、相手が殺す気できていたなら全力で抵抗するという、複雑な精神構造をしている。

 弟二人の感情を逆撫でて、自分の殺害に思い至るよう誘導した。それが狂人のだったのかは判断が難しいところだが(実際殺されそうになるのは楽しかったようだし)、エールの発言を見るに、「狂人ぶっている」側面は少なからずあったのだろう。

 作品現状のほとんど全ての原因を背負っているが、一概に全てが本人のせいとも言い切れない微妙なところ。



・オリーブ(容姿の描写:39話)

 第二王子。一人称が「俺」のときと「私」のときがある。

 ムクルと協力関係にあったらしいのだが、あえなく裏切られてしまった。

 なんだかんだ兄弟愛がある様子。

 結局エールに惚れているのかは定かでない。



・ガーレイド(〝複製の生成エンドレス〟)(容姿の描写:13話)

 第三王子。一人称は「ボク」。

 魔女とは数年来の協力者。ヨルノの能力に自身を視てもらい、選抜を確実に合格してきた。四年はハーキアに行っていたという話。となると、それぞれの手形の選抜を受けるためには、思い至ってから最速でも四年くらいはかかる、ということだろうか。

 王になるのはあくまで手段で、目的は中央教会の打倒にある。「人類を救う」と発言しているところから、中央教会を倒すのは、精霊体の普及による病死克服のためだろう。

 ずば抜けた読心術はキルリの心情を理解しようとする中で身に着けたらしい。女装趣味がキルリと付き合い始めてからのものなのか、元からそのがあったのかは明らかになっていない。ドミエンナが「ガーレイドはキルリ一筋だと思っていた」くらいなので、エールが知らなかっただけで、この二人の関係は有名なのかも。

 彼がキルリに死んでもらいたいと思う理由は主に二つある。「個人的な過去の因縁」と「王になるにあたっての障害」だ。もし後者に重きを置いているなら、エールがキルリを誘拐するのを簡単に認めるだろう。しかし前者に重きを置いているならば、きっとエールの誘拐には対抗する行動をとるはずだ。



・イエグ(〝能力の模倣コピーキャット〟)(容姿の描写:18話)

 ガーレイドのお目付け役。メイド服。顔の右側を仮面で隠している。

 汗を浮かべているシーンが多い。

 彼女が病気にかかったとき、ガーレイドが魔女からの提案を受けたことから、手形に触れて能力者になった。ガーレイドは命の恩人ということになる。



・〝お父様もお兄様も暗殺作戦〟

 ガーレイドと魔女が練り上げた計画。お父様もお兄様も殺してしまうことでガーレイドが王になる作戦。

 オリーブが国王とキルリを殺そうとしていると聞いて、魔女はこれを見届けてから、オリーブだけを殺すつもりでいた。結果、オリーブが失敗したので、魔女は王子二人を自ら対処する必要が生まれてしまっている。元通りといえば元通り。



・エリカ・アー・エンドロール(容姿の描写:34話)

 クレアムル貴族院議員の一人。ですわ口調。

 ガルを「ルルウ」と呼ぶ者の一人。ガルとは友人らしく、魔女の拠点は彼女が提供しているもの。

 アノールたちが貴族界に潜入する際の伝手にもなっている。

 自分が〝魔女の塔〟の残存メンバーに数えられるかどうか気にしていたことから、ガルとはきっと10年以上前からの仲なのだろう。当時〝魔女の塔〟の活動も把握していたようだ。

 彼女自身の裁量がかなり大きいことから、女主人と思われる。



・ムクル・アー・ホーク(〝身体強化—眼アッパー・スコープ〟)(容姿の描写:33話)

 クレアムル貴族の一人。ホーク家当主。たぶん貴族院の議員でもあるのだろう。

 ヨルノの父親。ヨルノに妻と長女を殺されているらしい。

 〝イヴの一家〟への伝手を持っていて、十年前にも「ヨルノの暗殺」を依頼したことがある。

 オリーブと手を組んでいたが、乗り換えた。最初からキルリとヨルノが結婚する未来を見据えていたようだ。勝負の席に着いた時点でいずれにせよ勝っていたわけだが、キルリ案を通せるならそちらの方が最終的に良い結果になるので、今回のような結末になったのだろう。





●〝銀の鶴翼〟

 〝魔女のよすが〟を倒すために創られた組織。前身となる〝銀の翼〟という組織があるらしい。クレアムル、ハーキア、中央教会から人間が選出されているという。全部で八人いる。



・レオン・メイソン(能力名不明)(容姿の描写:1話、19話)

 エール曰く「キモい」。腕章は左肩。

 一応〝銀の鶴翼〟の筆頭なのだが、あまり〝銀の鶴翼〟らしい動機で動いていない。

 本人曰く「アノールの幸せが一番」。

 キルリが能力を喋ってからそれ自体が「無かったこと」になったので、読者にだけ能力の情報が公開されている。とはいえまだよく分からない。



・オニクス・スパー(〝触覚拡張サイコキネシス〟)(容姿の描写:2話、19話)

 かつて御神体(=手形)の護衛の任に着いていた女性。この世界における手形がいかに重要な代物かを考えると、かなりの評価を受けていたのだろうことが分かる。

 腕章は右肩に二つ。

 カリオとは、仕事仲間だけではない、何らかの関係があったようだ。

 炎に関わるトラウマがあるらしい。

 能力は、「さらっと触る」だけなら徒歩10分の距離の状況すら把握することができる。「指一つ動かせなくなる」範囲は都市の数ブロック先まで。自分と数十センチまで近付けば、鉄製のナイフであっても「くしゃくしゃに丸める」ことができる。

 よく「能力を広げる」と描写されるので、普段はそれほど大きな範囲に効果を広げていないようだ。



・アッチェ・スピード(〝四肢八肢限りなしアラクネー〟)(容姿の描写:25話)

 故人。おそらく〝左の腰翼〟。

 〝通り魔シスター〟〝教会の大蜘蛛〟という二つ名がある。

 本来の自分の身体は、腹部の容器に格納されている「脳とそこから伸びる脊髄」だけだったらしい。精霊体が生存できる最低要件がそれくらいということか。

 能力は、身体組織の露出した部分から、四肢もしくは頭部を生やすというもの。このとき、四肢の長さ、太さ、筋肉密度などはかなり自由に設定することができる。能力の限界はかなり先にありそうで、作中以上に大きくなれた可能性がある。アノール曰くかなり複雑な能力らしいので、作中で描写されたよりもっと細かく、指だけだったり目だけだったりといった生やし方もできるのかもしれない。

 天啓のままに非能力者を殺して回っていたのだろうと推察できるのだが、その天啓が妄想ではなく本物のクレアム神からの勅命だったことが明らかになったため、神を狂信せざるを得なかった境遇を踏まえると、一概に悪人とも言い切れないのかもしれない。



・ストロベリー(〝還元の大鎌ビー・スティンガー〟)(容姿の描写:28話)

 〝右の脚翼〟で、ハーキアの〝四人の戦術兵器〟でもある。同じく〝四人の戦術兵器〟であるアインと仲が良かったらしい。

 能力は、鎌で斬ったものの「命」を奪う、というもの。このとき、「命」を奪われたものは、全身(全体)がバラバラになる。人を殺したなら鎌の「命」カウントが増えていき、この「命」をなんらか別のものに与えるといった運用もできる。地面に「命」を与えると森が生えて来たので、生命力を与えるといったイメージなのだろうか。

 ガルの説得(実態は不明)を受けて魔女に協力するという話だったのだが、物語から姿が消えている。



・〝銀の翼〟

 〝銀の鶴翼〟の前身となる組織。10年前に〝魔女の塔〟を倒したらしい。



・カリオ(能力不明)(容姿の描写:2話)

 直接描写されていないが、相当の確率で故人。〝アッカラ村の襲撃〟における教会での戦闘で亡くなった。

 能力の描写はほとんどない。「林を更地にする勢いで爆発を起こす」ことができるらしい。

 「オニクスが自身のものとカリオのものとで二つの腕章をつけている」という話から察するに、かつて〝銀の翼〟のメンバーだったのだろうか。





●〝イヴの一家〟

 暗殺者一家。元々8人いたらしく、エールを加えて9人。集団としては魔女と教会を巡る争いに関わる動機が無い。苗字を〝イヴ〟で統一した「姉妹」で構成されている。



・エール・アッカラ(〝身体強化—脚アッパー・ホッパー〟)(容姿の描写:1話、30話、34話)

 ギラフにスカウトされて〝イヴの一家〟にいる。しかしヨルノ暗殺に関わる依頼以外は受ける気が無い。

 目的はヨルノを殺すこと。最終的な目標はアノールの奪還。とはいえ、ヨルノを無視してアノールだけを取り戻すという考えはないようだ。

 ヨルノを殺してもアノールの奪還にイコールで繋がらないような気がするのだが、ヨルノを殺した後の展開に想定があるのだろうか? もしくはイコールで繋がると勘違いしているのだろうか。今のところ、ヨルノを殺した後のことはあまり考えていないように見える。

 能力を使うと瞬間移動と見紛うレベルの高速移動が可能になる。とはいえ攻撃がどれもこれも直線的なことや、足を止めてから自分の傷に気付くなどの反応から、感覚器官がスピードに追い付いてきているわけではないらしい。

 クエスリィに「出世払い」の約束がある。ギラフにも「出世払い」の約束があったようななかったような。



・ギラフ・イヴ(〝体液変化—毒デッドヴェール〟)(容姿の描写:1話、22話)

 幼馴染組を抜けば最も早く登場したキャラ。口調にこれといった特徴無し。少なくともシワス、フィオネよりはお姉ちゃん側っぽい。

 〝アッカラ村の襲撃〟での砦単騎攻略は、そういう「暗殺依頼」だった。

 シワスから「戦闘狂の脳筋」呼ばわりされている。

 能力は、自分の体液を激痛を引き起こす毒に変化させるというもの。これは精霊体の痛覚鈍化を貫通する。唾でも血でも体液なら何でもいいようだが、シワス曰く「血の方が痛い」。気化したものを吸うだけで体が痺れ、口から直接摂取したなら、少なくとも非能力者なら確実に殺せるようだ。

 理由と経緯は分からないが、中央教会の外務職員になっている。拷問官として働いていたことから、能力を評価されての抜擢だろうか。

 どのタイミングからムクルのキルリ案を聞いていたのか分からないが、もしかしたら最初からエールにヨルノを殺させるつもりは無かったのかもしれない。



・フィオネ・イヴ(〝ウスモノ注意リーフブレード〟)(容姿の描写:30話)

 だけれど口調の使い手。ギラフ曰く「言い回しが怠い」。

 隠すほどではないので能力名は公開。

 悪い人ではなさそうだが、役回りが損。



・ショット・イヴ(〝終われる運命ランデブー〟)(容姿の描写:36話、43話)

 キャラは陽気っぽい雰囲気。「やっほー」とか「たはー」とか言う。ガルのことを「ルルウ」と呼ぶ人間の一人。

 〝イヴの一家〟で、過去にガルの影武者をやっていて、エリカの親友(?)で、〝魔女の塔〟の生き残りの一人でもあり、ヨルノの暗殺依頼を受けたことがあって、なんだかんだで現在ヨルノとは友人。

 重要なキャラっぽいのだが、まだ本格的な出番がない。

 まだ能力もほとんど描写されていないが、おそらく既存の手形のどれとも違いそうな能力を持っている。



・シワス・イヴ(〝形態変化—粘液スライムフレーム〟)(容姿の描写:41話)

 一人称「シワス」。キャハハと笑う。

 スライムっぽくなる能力なのだが、そのトロトロ成分は片栗粉——デンプンと似たメカニズムで生まれているものらしい。デンプンと言えば糊なので、まあスライムっちゃあスライム。

 アミラーゼで分解できる。とはいえ、化学反応が起こっているというよりは、それに触れた瞬間能力が解除される、と言った雰囲気。

 結局ヨルノを攫おうとしたのは、ムクルの計画のためだった。ヨルノの誘拐が上手くいかなかったので、次の手として、アスキアと交換という形になった。





・アイン・トー(〝巨人のすきバサミト・レンド〟)(容姿の描写:10話)

 魔女が〝アッカラ村の襲撃〟以来、初めて戦った敵。うぷぷと笑う。口癖は「~すぎて」。

 ハーキアの〝四人の戦術兵器〟の一人。

 ガルに能力を貸していた。ガルから何らかの説得を受けたらしい。





●既出の手形とそれに対応した能力傾向

・王国クレアムル/クレアム神 → 「自分の身体を基礎とする能力」 赤色

・王国ハーキア/ハキア神 → 「触れたものを基礎とする能力」 緑色

・共和国ツイネック/? → 「?」

・魔女の有する手形 → 「能力を基礎とする能力」 白色

・イエッタの能力に該当するもの

・ショットの能力に該当するもの


 手形は全てで8枚あると思われるらしい。そのうちの5枚がそれぞれの国で祀られている。ツイネックはこの5つの国に含まれるという。

 魔女視点では最低でも6枚の手形が見えていることになる。



●精霊体

 能力を手に入れるとき、同時に手に入る身体。能力と精霊体の関係は今のところ分からず、それぞれを成立させるのに必須なものなのかどうかも定かではない。


 怪我しない限りは、生身の身体と変わらない。血が流れているし、内臓があるし、意思決定は脳で為される。

 しかし怪我をすると様子が変わって、主に痛覚が正常に働かなくなる。ヨルノ曰く「精霊体は痛みに鈍い」。組織が露出した部分からは当然血が出るのだが、少しすると出血が止まり(おそらく生身より早く止まるのだろう)、傷口を塞ぐようにして精霊が張り付いてくる。この精霊は精霊体を修復するようで、これは、生身だったら治癒が不可能な傷ですら治せてしまう。しかもかなり速い速度で。「たとえ欠損したとしても数日すれば再生する」。フィオネはクエスリィに四肢を斬り飛ばされていたが、(どれだけかかったか明言されていないものの)一週間か二週間で全快していた。当のクエスリィも「全身吹っ飛ばされた」状態から一週間で復帰したらしい。


 出血した血と、それともし身体から切り離された部分があったなら、それらは精霊に解け、空気中に溶けて、消滅する。こちらは修復されない。とはいえ、身体が真っ二つになったりしたら、どちらが再生するのだろうか。

 アスキアは頭部を真っ二つにされていたが、このときは頭頂部の方が溶けていっていた。つまり脳が軸という訳ではない。ドミエンナは全身を斜めに切られたわけだが、このときは下半身側が消滅して、上半身側が残った。胸より上なのは間違いないようだ。

 「首を斬らなきゃ死なない」という表現からも察せられるように、精霊体の中心、もしくはコアが首にあることは、疑う余地がないだろう。首を斬られない限りは、首を中心として体が再生されていく。逆に首さえ切られてしまえば、他の部位も消滅してしまう。

 しかし、首ならどこを傷つけられても死ぬという訳ではないようだ。アノールがシワス戦で首にかなりのダメージを負ったものの生還したように。アッチェの本体は「脳とそこから伸びる脊髄」だけで生存していたらしいので、これが最低条件だろうか。しかしアスキアは脳を損傷しても生きていた。となると脊髄だけでいいのだろうか。


 今のところ結論付けるなら、精霊体が生存するためには、首に伸びる脊髄がある程度無事である必要がある、というくらいになる。

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