『ゲッコーボーイ」

ジャンル: 変身ヒーロー

ストーリー

　何億年もの昔、地球を支配していた生物は爬虫類達であった。そして、爬虫類達の中から脳を発達させ、二本の足で歩き、両手で道具を使いこなす『人類』へと進化した者達が現れた。彼らの名は爬虫人類レプティリアン。毛ではなく鱗に覆われた皮膚は我々サルから進化した人類とは異なる特徴を持っていた。その一つが変温動物であった事。故に彼らは氷河期の訪れとともに絶滅してしまう。恐竜とレプティリアンの滅んだ後の地球を支配したのは彼らから逃げ回っていた哺乳類の末裔達である。しかし、レプティリアン達は後の世に自らの遺伝子情報を秘薬として遺していた。何億年もの時を経てシベリアの永久凍土より発掘されたレプティリアンの秘薬を飲んだ二人の男。片やこの力を医療等に使うべしとする善の男。片や地球を哺乳類の手から取り戻すため、人類を滅ぼす事に使うべしと考える邪なる男。そして現代、一人の少年は邪なる者の手により生死の境を彷徨うが、善なる男の手により九死に一生を得た。失うはずだった命はヤモリの爬虫人へと変身する能力を得た。善なる者達の意思を継ぎ、少年は邪なる爬虫人類達と戦う事を決意する。その名はゲッコーボーイ！

キャラクター

○宮守　勇(みやもりゆう)/ゲッコーボーイ

　福井県敦賀市に住む高校2年生。秘密結社REXに雇われた半グレ達の悪事を目撃した事により死にかけるが、REXを追っていた男であり医者のカシムにより助けられ、ヤモリの能力を備えた半爬虫人となる。その後、勇を追って現れたREX の刺客により知人の警察官・源治郎が殉職した事により彼の意思を継ぎ、街を守るヒーロー『ゲッコーボーイ』として戦う事を決意する。

移動用にカワサキ Z250に乗るが、市販車である。

●萬田　紗良 (まんださら) /ニュートガール

　勇の幼なじみ。父がプロレスラーで将来の夢はプロレスのコスチュームデザイナー兼職人。勇がヤモリ人間に変身する事を知り、彼にゲッコーボーイのコスチュームを作る。勇を支える中で事故からイモリの特性を持つ両生人類 (アンフィビウス)となってしまうが、自ら変身ヒロイン風コスチュームを作りニュートガールを名乗ってゲッコーボーイと共闘する。

○亀田　治郎(かめだげんじろう)/ジオコップ

　福井県警察敦賀署に所属する警察官(駐在所勤務)。 35歳、妻子あり。階級は巡査部長。柔道の猛者であり勇と紗良は小学生の頃、警察署の少年柔道教室に通い源治郎の指導を受けていた。REXの刺客スキンクマンから勇と紗良を守り殉職……したかに見えたが、警察庁対テロ特別機動部隊の手によりリクガメの半爬虫人となり生存。だが不完全な手術により生身では力を発揮できないため、『甲羅 (シェル)』というパワードスーツを装着し、コードネーム「ジオコップ」としてREXの怪人から治安を守る。　スーツの耐久力に加えリクガメの力とスタミナ、源治郎の柔道・逮捕術・射撃の腕前が合わさり無類の強さを発揮するが、俊敏性や機動力に欠けるためスーツと連動する白バイ『ギガントータス』に乗る。ベース車両はホンダゴールドウィング。

○海東　可士武(かいとう　かしむ)/マスター・ツァタラ

　勇と砂良を治療し、半爬虫人へと変えた医者。その正体はムカシトカゲの半爬虫人。

　第二次大戦終結直後のシベリアで抑留されていた日本人を監視していた元ソ連兵。ある日、一人の日本兵が炭鉱で爬虫人類の秘薬を発見し、それをロシア政府の手に渡らせまいとして日本兵とともに脱走。追っ手と交戦する為、秘薬を使い爬虫人類となる。実際は100歳近い老人だが、ムカシトカゲの寿命により外見が老けていない。ロシアに併合された部族の出身であり、脱走後は日本に帰化し (株) レックス立ち上げの傍ら医者となる。

○大惣　壮吉 (だいな　そうきち)/ダイノエンペラー

　大手製薬メーカー株式会社レックスのCEOにして秘密結社REX総帥。1945年のシベリア脱走の際、カシムとともに発掘した爬虫人類薬を服用。その際にティラノサウルスの能力を得る。日本に戻りカシムとともにレックス製薬を起業し、以降70年以上自らが精製した秘薬の力によりあらゆる恐竜の特性を得るが、次第に『哺乳類を駆逐し地球を再び爬虫類の支配下に戻す』という爬虫人類の思想に取り憑かれてしまう。

○李　竜童 (リー　レントン)/ バラナスキッド

　REXの怪人達が失敗や裏切りをした際にそれらを始末する殺し屋。元は香港の地下格闘技界でマフィアに飼われていた孤児。オオトカゲの力と中国拳法で戦う。ゲッコーポーイと敵対するが、ニュートガールの説得により仲間に。移動用にドゥカティモンスターを使用。ほぼ市販車。

○吉涯博士 (Dr. ヨシガイ)

　警察庁特別科学捜査研究所所長。源治郎をジオコップに改造したマッドサイエンティスト。REX壊滅後は独立し、ゲッコーボーイとバラナスキッドに専用スーツとバイクを開発する。

用語

・爬虫人類(はちゅうじんるい、レプティリアン)

　トカゲやヘビ、ワニ、カメ、そして恐竜といった爬虫類から人類へと進化した種族。高度な文明を築いたが変温動物であった為、氷河期に絶滅。しかし自らの遺伝子情報を薬にして後世に遺しており、「地球を再び爬虫類の楽園に戻す」という願いを呪術的方法で込めている。

・半爬人 (はんぱびと、レプタイラー)

　ヒト科の哺乳類が秘薬を服用して爬虫人類への変身を可能とした状態。変身後は体毛が鱗へと変化し(両生類秘薬の場合はヒトとの融合が不完全なので肌が粘膜化する程度)、対応する爬虫類の能力が使える様になる。変身後は見た目がほぼ「怪人」なのでゲッコー」ボーイとバラナスキッドは紗良の作ったコスチュームを、ジオコップはパワードスーツを装着してヒーローらしい見た目になる。

・秘薬(レプチゾル)

爬虫人類たちが爬虫類の遺伝子を後世に残すため作り出した。使用した生物の体を爬虫類の体組織に造り替える。大昔の地層等から出土する事があり、大抵は博物館等へ寄贈されるのだが、REXはそれを集める為に非合法な手段も用いる。

・秘密結社REX

　正式名 Reptiles Evolution Xanadu (進化した爬虫類達の楽園)。レックス製薬株式会社の裏の顔。地球から人類を一掃し、再び爬虫類達の支配下に戻す事を目的としている。