小ネタ

 切腹─それは、古来より武士が己の命と引き換えに責任を果たす為に行われてきた儀式である。いつしか武士達は切腹での散り様に美学を求め始め、やがてそれは崇高に己を殺す武道『崇殺道すうさいどう』へと発展した。余談だが英語で自殺を意味するスーサイドは崇殺道が語源である事は言うまでもない。

 しかし、己の死を以て完成する崇殺道は伝承者が必ず死ぬ為、後継者不足という問題にぶち当たる。当たり前だ。それを心残りにこの世を去った崇殺道最後の伝承者(落ち武者)は成仏出来ずに現世を彷徨っていた。

 時は令和のある日、落ち武者は手首を切った主人公(メンヘラ女)を偶然目撃する。その美しいリストカットぶりに惚れた落ち武者は、不思議パワーで主人公の傷を癒す。そして主人公から可視化された落ち武者はこう問いかける。

「貴殿、もっと美しく散る気は無いか!?拙者の崇殺道を継ぐ気は!!」


……面白くなる要素がねえわ。

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