第11話 これが寮か!
俺とセシルは、アルシルの二人と別れてギルド寮に向かっている。
街は既に光の波長の長い色、赤色に染まりかける時間となっていた。
空は青色と赤色の二極に分かれている、まるで氷と炎、俺とセシルの冒険譚のようだ。はて、これからどうなることやら。
そして目の前に聳えるものは団地、ではなく寮だ。
ギルド寮自体が一つの小さな町なんじゃないかと思うくらいの広さ。知らんけど。
この街はもう都市って名乗ってもええんやないか。
「これが寮だ! 実はここの寮はギルドに加入さえしてれば入居出来るから、違う場所から来た人も居るんだよ」
「だからこんなに広いし大きいんだな」
「そうそう」
別の街とか都市から来るならこのサイズ感がいいのかもな。
いやもう都市じゃん。
ダンジョンに行く前にシルーナさんに貰った、寮に入る為の羊皮紙を確認する。
そこには俺の名前や年齢、種族といったスキルなどの情報以外が記されていた。俺の部屋はI248らしい、初めて見たときは2の等比数列に見えたけど。因みにI棟っていう建物の二階の階段から数えて48個目の部屋だ。
この世界でも数字とアルファベットは同じだということに、音ゲーで初見フルコンした時くらいの驚きが生まれた。
要するにさほど大きくはないが、小さくもない驚きというわけだ。
寮内を歩いていると子供が多いと思っていたが、じいちゃんばあちゃんも暮らしているのだと分かった。ほら、町やんけ。
「ここか、俺の部屋は」
「因みに隣のI247は私の部屋だよ!」
ほえーふえーはえー。
「そうなん……だ!?」
「わっ! びっくりしたー。急に大声出さないでよー」
「あ、ごめん。俺もびっくりしたんだよ」
「シルーナさんに隣の部屋がいいなー、って言ったら丁度いいタイミングで空き部屋になってたらしい。やったぜ!」
わお。凄いキリッな顔になってる。
「まぁ知り合いが近くに居てくれた方が何かと助かるし、ありがとなセシル」
「知り合い? もう友達でしょ? あれ、私が勘違いしてたかなぁ」
「そりゃもちろん友達になりたいが、出会って初日だよ?」
「でも一緒にキノコ食べて、ギルドに行って、ダンジョンまでも行ったんだから、親友まではまだ遠いにしろもう友達だよ」
ふむ、これがコミュ強かぁ。県超える、国超えるどころか、まさかの世界超えて友達出来ちゃったよ、俺。
「ああ、そうだな。これからもよろしくな」
「こちらこそ! 頑張ろうね、カノン!」
寮の部屋は一人で暮らすには丁度いい、いや十分すぎる広さだった。
ただ元の世界と違って動力が電気じゃなく魔力みたいだ。
もちろん、自分の魔力を使えるらしいがやり方が分からない。
だが魔力を溜めている魔力溜め装置なるものが各部屋に置かれているので、それを使えば良いとのこと。電気と似ているなと思った。
元の世界は電線で供給していたが、寮には大きな魔力溜め装置がありそこから何かしらの経路を用いて供給しているらしい。
電気代みたく魔力代があるらしい、あんまり使いすぎないようにしよう。
一旦部屋を覗いたのでセシルを呼びに行った、飯の時間だからだ。
腹が減ったのだ。
「部屋はどうだったー? 落ち着けそう?」
「うん、何とかなると思うよ」
「それは良かった。馴染めないと疲れるからねー」
むむむ? なんかセシルの闇が今垣間見えた気が……いや気のせい気のせい。
「それじゃあ今度は食堂に行くよ! 寮に入ってない人も来れるから人気なんだー。席も沢山あるから長い間待つってことはないんだよ!」
一般公開の食堂か、いいな。
聞いてたらより腹が減った。
テンションがBPM(Beats Per Minute:一分毎の拍数)が260に達しそうだ。ずんちゃずんちゃ。
「よし、行くか!」
「カノン、そっちじゃないよ」
あ、俺方向音痴なんだった。
「さっき来た入り口から出るだけなのに……カノン方向音痴なの?」
「そうとも言う、はは」
こうして口にされると、なんか悲しきかな。
只今受験生故に夏休みで猛勉強中
執筆時々してるけど投稿できません……
まぁどうせ見てくれる人そんなに居ないんだけどね(* 'ᵕ' )
音ゲーマーの異世界転生~せっかくの機会なので異世界を満喫しつつ、固有スキル【音ゲー】でダンジョンを攻略します~ 手羽先でばて @debateba
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