第8話
私は次々とノートを開いていく。
「どうして……!」
私の脳には私と同年代の男の人の脳が移植されていることが分かった。私は手が震えノートを落としそうになる。そのときピコンとスマホが鳴りスマホを開くそこには
「モデル兼俳優の雪が死亡……?」
そう私の脳にはこの人の脳が移植されている。
内容を見るとコメント欄に
「私たちの雪を奪われた」
「移植で脳を上げるとか正気かよ」
と書かれていた。私は何万人にも愛されている人から人生を奪ってしまった。私のせいだ……
ノートを見るとそこには雪さんの日記だったことが分かった。
「俺と架純の脳は運命的に相性がよかった。死ぬのは怖いけど架純のためなら死ねる。架純すぐ楽にしてやるから待ってろよ」
「移植したら架純は俺の脳みそは完全に架純のものとなり、俺の記憶はないままになる。悲しいけど架純が生きれるなら俺は嬉しい」
「色んな女優に告白されても、世界中を探したって俺の愛する人は架純しかいない」
「雪……!!」
私はノートを抱きしめながら泣いてしまった。
私に生きる価値なんかない。雪のノートを見ると最後のページにこう書かれていた。
辛い時は問いかけて。俺はいつでも架純と一緒にいるから。
5年後
「新郎新婦のご登場です!!」
私は自分の家族と雪の家族を結婚式に呼んだ。
私はドアの前1人で緊張する。
「ねぇ、雪」
「なんだよ」
「私とっても幸せだよ」
「俺も」
「幸せなときも辛い時も雪がいてくれたから過ごせたの」
「これからもよろしくな」
「うん、おばあちゃんになっても、よろしくね?」
「俺こそよろしくお願いします。」
「じゃあ行くよ」
私と雪は一緒にバージンロードに足を踏み入れた。
ミヤコワスレの花が記憶(おもいで)から消えるまで 明智 依毬 @moonlight52
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます