もしこの世界に来ることがあったら

UD

第1話 ニニラカン大陸

 ずっとずっと探している本があるんだ。


 その本はこの世界のことじゃなくてね、全く別の世界、そう、異世界のことについて書かれているんだ。


『ニニラカン大陸で生活するために』っていう本なんだけどね。


 この本には、大陸に存在する各国の特徴や成り立ち、歴史が書かれていてね。

 あ、でもそこはあんまりおもしろくないんだけど。

 でもね、この本の本当にすごいところは、大陸各地の動植物、特に魔物に関する記述が詳細に記されているところなんだ。


 今、本に関する情報はネットを少し検索したらたくさん出てくるんだど、どれも本当のことなんて書いてない。断片的な情報だったり嘘ばっかり書いてあったり。


 なんでお前にそんな事が分かるんだ、って?


 しかたないじゃない。だってこの本は僕が書いたんだもの。


 なにを言ってるんだって?


 信じられないかもしれないけど、僕は異世界に行ったことがあるんだ。


 そう、やっぱり信じてもらえないか。


 そりゃあそうだよね、今この日本にはそういうゲームやアニメ、マンガであふれているしね。そう思うのもしかたない。しかもその手のお話は死んじゃったりして異世界に行ったりするもんね。


 だけど、僕はね。


 異世界『ニニラカン大陸』ってところに転移して、また地球に戻ってきちゃったんだ。


 まだ信じられないって?


 仕方ないな。

 じゃあ少しだけ、異世界のお話をしてあげよう。

 もしかすると、君も異世界『ニニラカン大陸』に転移するかもしれないからね。


 君がもしニニラカン大陸に行ったら、きっとその知識が必要になると思うよ。

 本に書かれている生き物や植物の中には、こっちの世界にはいないものがたくさんあるからさ。


 じゃあ、ニニラカン大陸についてお話してあげよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もしこの世界に来ることがあったら UD @UdAsato

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画