編集済
物語の発端となる出来事が起き、設定にも興味をそそられる第1話。そこから引き継いで説明を補足しつつさらにインパクトの強い出来事が起こる第2話。そして束縛の時間が終わりを告げ主人公の新たな人生が始まる第3話。ここまでの流れが見事なほどに完璧だと感じました。
特に第3話の開放感は爽快そのもので、「夜明け」という時間帯が主人公の新たな人生の幕開けの比喩となっているところが言葉につくせないほど良いシーンでした。アニメにするとなお映えそうですね。
また、組紐マニアな二人の会話とか、「それは身軽だな」という言い回しとか、「向こう三軒両隣ですら、透緒子を知らない。」という闇の深さとか、最後の最後になって透緒子さんが部屋に窓がないのを気付くところとか、とにかく名シーンの多い回でした。
また、序盤の話が終わり次から新しい場面が始まるのだということが感覚的に伝わってくるところも好きです。
追伸。
2周目。やっぱり神回。
何度読んでも「……道具は、持ち込めますか」に笑ってしまう。ちょっと興味持ち始めてるのがよくわかるw
1周目はストーリーを負うだけで精一杯でしたが2周目は色を調べながら読むのもまた楽しいですね。
作者からの返信
ありがとうございます!
今回参加コンテストが「世界を変える〜」という大きなテーマなので、この序盤で、これから彼女の世界が変わるのだという予感が伝わればと思って仕掛けた三話でした。
まだまだ足りない部分があるのですが、ハルカさんのコメントをいただいてほっとしています。
身軽だなという志貴殿の言葉は私もたいへん気に入っております。
透緒子、受けた恩を、とてもありがたいものだと思っていますね。
しかし傍から見れば、履物がないとか、向こう三軒両隣も透緒子のことを知らないとか、部屋には明かり窓ひとつなかったとか、おかしなことがめちゃめちゃありますね。
3ヶ月の間に、透緒子はそれに気づくことができるでしょうか。
朔灯、気づかせてあげて。
作者からの返信
いらっしゃいませ。
当店は真綿で虐げ(無自覚編)をテーマにした展示を開催中です。
周りから見れば、え、え、それちょっとなことがじりじりじりじりやってきます。
中編コンテスト作品につき、消化しきれない部分はありますが、お楽しみいただけましたら幸いです*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*