とある犯罪と欲望の街で解決屋を生業にしていた主人公は、不慮の事故に巻き込まれ、命を絶つ。行き先は天国か、はたまた地獄か?
閻魔大王の裁きは、死神補佐として当面、下働きすること…敏腕の解決屋がまさかの復活。厄介で面倒な仕事は山のようにあるけれど、ぎりぎり地獄堕ちは回避されたっぽい?
活動の場は、現世の平行世界よろしく、美女も居れば、温泉もある。閻魔大王も人柄が悪くないし、取り巻き連中も面白可笑しい奴ばかり。人情味にも溢れていて
「こりゃ、なかなか良いわい」と呑気に身構え、すっかり馴染み始めた頃、不穏な話を耳にする。
千二百年前に起きたという天界史上最大最悪の大事件とは…
天界を揺るがし、封じたはずの邪悪な怨念体が力を増して蘇りつつあった。
不穏の影は間もなく実体となり、危機は現実と化した。開戦の狼煙、逃げ場のない戦場。
再び総力を結集して、強大な敵に立ち向かうことになる中、主人公の命運や如何に。
巨大要塞に超強力な霊子砲、そして霊子フィールドを展開!
神も天使も入り乱れる大戦の幕が切って落とされた。軍師となって率いる閻魔大王の決断は?
そして主人公と仲間たちは、この戦場というインフェルノの中でどう立ち回り、何を掴み取るのか?
この物語の主人公、黒崎は解決屋を営む二十四歳の男。
仕事内容は個人の護衛に救出、盗品の奪還から、浮気調査や猫探しなど多岐にわたり、その経験値は並の同年代より遥かに高いです!
かなりグレーな仕事内容で荒っぽいこともするようですが、依頼主や周りの人間からも信頼は厚く、しっかりと自分の中に流儀がある男が惚れる男。
そんな彼がある日、子供を庇って亡くなってしまうのですが……ここからが面白い!
そう。その先に待っていたのは――あの世の世界!
しかも、あの世はあの世でも皆さんが想像するより、遥かにインフラが整ってるときたもんだ!
駅もあれば電車もあるし、車やホテル、と来れば当然……お仕事も♪
現実に近しい世界観で描かれるお陰もあってか、お話がスッと入ってくるし、想像もしやすい!
死神や閻魔大王もかなりフレンドリーなキャラなので、『こんな世界が後に待ってたら楽しそう!』と読者に思わせてくれます。
そんな天界で再び解決屋として歩み始める黒崎の生き様!
皆さんも一度、手に取ってみてはいかがでしょう?
解決屋をしていた主人公は、死んでからも天界で解決屋を……、というか、死神(人々の魂を管理する存在)のお手伝いをする事になります。
ただの人だった(つまり死神試験をパスしてない)ものが、死神の手伝いをするなんて、前代未聞。まわりはザワザワ。
そんななかでも、主人公は、「やってやるぜ!」と奮闘します。
ある時は、持ち前の武闘で。
ある時は、鍛えた戦いのカンで。
ある時は、義理人情にあつい男として。
主人公は、まっすぐな男です。
そして、まわりの人々との絆、交流が、丁寧に描かれます。
バトル物として楽しく読む事ができますが、人とのかかわりを、温かい視線で描いた物語です。
追記。
サブキャラですが、「閻魔大王」と美人秘書の「エレイン」の関係が良くってですね〜。ずいぶん物語が先に進んだところで、この二人の過去編もあるのですが、とっても良いです。
心があったかくなって、読者はにまにましながら、読書することになるでしょう。♪
おすすめですよ!
ぜひ、ご一読を!