第2話

もともと、理世は無口だった。渉は、理世を笑わすため、いろんなことを考えた。

渉の友人が恋人を泣かせても、

「別に!女性は泣かせるより、笑わせる方が難しいと思ってるから!」

と、それが渉の口癖だった。

ところが

「どうして、お見合いなんてするんだよ......」

ボツリ、渉が言った。

「ごめん、もう一緒に暮らすのがつらくなってきちゃった」

「だから、なんで......?」

理世は、もうそれ以上、口を開こうとしなかった。

翌日、理世は、荷物をまとめていた。

「出ていくのかよ」

「うん......」

「もう、好きじゃなくなったの?」

「うん......」

うん、としか、理世は言わなかった。

自分のどこが悪いかもわからない。何故、理世が渉のことを好きじゃなくなったのかもわからない。

それが、渉と理世の最後だった。




「リプレイに乾杯!」へ続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

リプレイに乾杯!エピソード1 林風(@hayashifu) @laughingseijidaze4649

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る