友愛と優しさの羽

すぅ

友愛と優しさの羽


空の高い高い上の方。


白い羽のユキと黒い羽のコウという天使が暮らしていた。


ユキは優愛に満ちていた。


白い羽がそう作用していた。


「この白い羽は、わたしたちを優しさで包んでくれるの。持つだけでも効果はあるのよ。大事な時に渡してあげなさい。でもね、無理にむしりすぎてはいけないよ。優しさが逃げてしまうからね。」


そうお母さんが言ってた。


一方コウの方は冷淡な性格をしていた。

これもまた、黒い羽の作用である。


ユキはコウにも自分のような優しさを持ってほしかった。

ユキは自分の白い羽を1枚むしり、コウのポケットにそっと忍び込ませた。

すると、コウは採ってきた果物を分け与えてくれた。

今までこんな優しさを見せたことはなかった。

ユキは嬉しくなり、また1枚羽をむしった。

コウには、これを持つと強くなれるんだよ、と持ちたくなるように誘導した。


羽を毎日のように渡し、渡した分コウは優しくなった。

そして、あっという間にユキの羽は半分ほどになってしまった。


コウがまた果物を分けてくれた。


「またこれ?もっとマシな食べ物ないの??」


そう言い放ったユキの背には、黒い羽根が生えていた。




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友愛と優しさの羽 すぅ @Suu_44

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