第一陣 異世界、人生、リスタート
最初に目に入ったのは、凛々と輝く太陽だった。
「ここはどこだ?」
森、草村、目にしたことのない植物たち。手足の感覚。
俺は地面に倒れていた。
「なんだ?何が起きたんだ?」
体を起こした、小さな足が目に入る、手足が明らかに小さくなっている。
じろじろと手を見た、まるで小学生の手だ、自分の体は5歳くらいになっていた。
「なんだこれ?どういうことだ?」
近くにあった水たまりで、顔を確認する。別人がそこに移っていた。
きれいに整った顔、大きな瞳は赤く、少し釣目な少年が移っていた。
「ハハッなんだこれ、最近流行りの異世界転生ってやつ?」
乾いた笑いが出たが、すぐに立ち上がって冷静に考えるこれからどうする?
ドタドタドタドタと森の奥から足音が聞こえた。その瞬間だった。
どう形容していいのか、猪の化け物。角が上下に2本ずつ付いた3mはある、巨体が
自分に向かって突進してきた。
死ぬ瞬間というのは、案外あっさり気持ちが決まってしまう。
「リオン!!!!!!」
叫び声が聞こえた、けもの道を走ってきたその人は。
赤い髪、赤い瞳をした少し肌の黒い筋骨隆々の180cmはあるであろう男性だった。
叫び声と同時に、その人は僕に飛び掛かってきた猪を殴った。
その拳は炎を纏い、ちょうど猪の横腹にヒットした。強烈な大気を揺らす爆裂音とともに、3mはあるであろう猪をぶっ飛ばした。
5~6m巨大な猪は吹き飛び。ピクピクとけいれんを起こしたとと思うと。
まったく動かなくなった。
「リオン大丈夫か?ケガはないか?」
その男性は、僕に心配そうに、僕にそう問いかけた
「リオン」それがどうやら、この世界のぼくの名前らしい。
ぼくは男性を観察しつつ、コクリコクリと頷いた。
上半身は裸両手には不思議な文字の刺青が彫ってあった。
一見してどこかの部族のように思えた。
「はぁ~あのなリオン前も言っただろうが。ここは鋼猪の縄張り内だ、薬草を取りに行くのはいい、けどなまずは兄ちゃんか、大人に言ってから取りに行けっていつも言ってるだろう?」
そういってその男性は自分に指をさした。
「兄ちゃん?」
「?そうだ、俺はお前の兄ちゃんだろうが、ちょっとまて!!」
「お前、頭でも打ったのか!!」
そういってあたふたし始めた。
(この世界のことは何もわからないから記憶喪失ってことにした方が良いかもしれない)
「実はさっき頭を打って、何も覚えてなくて……」
「なに!!!!!」
「大変だ大変だ!!!!」
大の男がパニックになっている姿は少し笑えるが、我慢した
「ほれ背中に乗れ、とりあえず家まで送っていくから。」
そう言ってぼくは、兄の背中に乗った。
一人っ子だった僕には、その背中がとても広く見えて。
ひとの体温がこんなにも温かいものだったのかと想った。
『ジン、魔法武術で異世界無双』 ミツルギ @hashibirokou913
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