005 アクエリ〇ス? いいえ、ポーションです
上級回復薬作ったけどヒール草とケミー草まだまだ余ってるんだよなぁ。
ねえケイさん、なんか手軽に作れて常用できるポーションとかない?
〈栄養ポーションという滋養強壮用のポーションがあります〉
へぇ、そんなのあるんだ。どんな効果があるの?
〈疲労回復の促進、体力、気力、精力の回復、増進です〉
ほほう・・・それはどうやって作るの?
〈水にヒール草とケミー草を浸し、そこに塩と砂糖を混ぜるだけです〉
それじゃ細かいレシピ教えて!
〈水1L、ヒール草とケミー草50g、砂糖45g、塩1つまみで5本完成です〉
出た!料理初心者キラー塩一つまみ!どのくらいなのか分からないんだよねぇ・・・
〈約0.9gです。指3本でつまんだ時の量だそうです。〉
塩一つまみに明確な定義があったなんて・・・!
ちょっと感心してしまった。
えっと、まずはどうするの?
〈水にヒール草とケミー草を30分ほど浸します〉
んじゃあ取り敢えず10本作りたいから水を2L鍋に入れて、そこにヒール草とケミー草を浸す。
それじゃ30分待機!
――――――――――――――
30分経過
おお、濁り度合いとかなんか・・・アクエリ〇スみたい・・・
それで、ここに塩と砂糖を入れる・・・あれ?アクエリ〇スじゃね?
〈栄養ポーションです〉
いやぁ、そうなんだけどさ。見た目がアク―――
〈栄養ポーションです〉
わかってるよ?わかってるんだけど、やっぱりアク―――
〈栄養ポーションです〉
わかったから食い気味に否定するのやめてくれない?
・・・・・・
気を取り直してポーション作成に戻ろう。
といっても後はここに砂糖と塩を入れるだけなんだけどね。
ということで、完成!『アクエリ〇スもどき』~~!
〈栄養ポーションです〉
ということで、味見してみましょう。
ゴクリ。うん!アクエリ〇スだね!!・・・思ったよりアクエリ〇スだね!?
アクエリ〇スというよりスポーツドリンクの味がする。
正直思ったより美味しかった。
これ、今10本分しか作ってないよね?
〈はい。現在の作成量は10本分です〉
じゃあ大量に作ろう!!あっても絶対困らないし!!
〈普段使い出来ますので、困らないでしょう〉
よぉし、そうと決まれば薬草採取からだ。ケイさん!ヒール草とケミー草の表示お願い!
〈承知しました〉
その後一日かけて、200本ほど作成した。
――――――――――—――――
5日後
なんだかんだ1000本作っちゃった♪
いやぁ・・・作りすぎたかもなぁ・・・
でも【収納】で無限に収納できるし問題ないよね、ケイ太郎!
〈私はケイ太郎ではありません〉
・・・・・・ごめんね?
あ、そういや熊さんの毛皮って防具にできるんだよね?
〈はい。【錬金術】で作ることが可能です〉
それじゃあつくろっか。
モチーフは・・・そうだな。FFのクラ〇ドの服のマントがあるやつにしよう!
今まで古びたシャツとズボンと靴だったんだよねぇ
〈毛皮のままでは使いにくいので革に加工します〉
お、そんなことできるんだ。じゃあ、お願い
ポンッ!
軽快な音とともに漆黒の革が生成された。
おお・・・カッコいい。
〈服のみでは革が余るので靴とマントも作成できます〉
おお、そうなんだ。それはよかった。
あと多機能な服とか靴にしたいなぁ。
なんか収納とかいっぱいあるとか靴に隠し刃があるとかそういうの。ロマンだよね!
僕の偏見によると1つの装備にたくさん機能がついてるのが好きな男性が多い。
そういえば、革に元から付いてる効果とかあるの?
〈高耐久、斬撃・銃撃耐性、毒・酸・雷・炎無効があります〉
・・・えっ強くね?斬撃・銃撃耐性は何となく予想ついてたけど、それだけじゃなくて毒・酸・炎・雷無効!?
それ+α効果を付けられるわけでしょ!?
〈はい。例えば自動修復をつけたり耐久力を上げてさらに破壊されにくくしたり、筋力を上げて物理攻撃力を上げたり、氷無効を付けて状態異常に強くする事も可能です〉
だよねぇ・・・え?じゃあこの素材ぶっ壊れじゃん。
パワーバランスを破壊しそうな素材だけど・・・
まあ、いっか。僕が倒した熊の素材だもんね。
よし、じゃあまず上着を作ろうか。ケイさん、お願い。
〈はい。イメージをダウンロード完了。作成開始・・・〉
ポンッ!
〈〖
真っ黒の革の長袖上着で名前もかっこいい・・・!
よし!じゃあズボン・靴・マントも作っちゃおう!
〈〖
おお・・・全部真っ黒の装備だ・・・かっこいい・・・!
ところどころ金属の金具がついてるのもいいね!
〈下着も作りますか?〉
あ、そうだね。つくろっか。そうだな・・・おすすめの素材とか効果ある?
〈ご主人様はエルフィアなので絹などの肌に優しい素材がおすすめです。効果は温度調節機能が良いと思われます〉
ほう。肌に優しい素材で温度調節機能がいいと。なるほどなるほど。
・・・ん?エルフィア?ってなに?
〈ご主人様の種族です〉
・・・・・・・・・・・・
え!?!?!?!?!?僕人間じゃないの!?!?!?
〈はい〉
そ、そんなあっさり肯定・・・?
ていうかそもそもエルフィアってどんな種族なの?
〈エルフの血が入った人間です。寿命が人間より長く平均400年ほどで、魔力量が人間より多いという特徴があります。エルフの血が濃いものは耳が尖るなどのエルフの特徴が現れる場合もあります〉
なるほど?エルフと人間の混血種族ってことか。それはこの世界では珍しくないの?
〈世界全体ではそれほど多くありませんが、フーレラニア王国はエルフィアの国なので、この国では最も一般的な種族です〉
あ、ここエルフィアの国なんだ!?
あーでも、フィクションでも獣人の国とかあるもんね。それと同じような感じか。
ということはこの世界に人間はいるの?
〈はい。人間は存在します〉
へえ・・・たまたま人間じゃなかったってだけか。安心安心。
でも姿はまるまる人間だね?
〈人間との混血でありますので〉
あ、そうか。そりゃそうだ。
あ、でそうそうケイさん。近くに町ってある?
〈ここから南東に5キロほど行くと、ソディというこの国で見ても比較的大きな都市があります。〉
2キロっていうと・・・?歩いて1時間か。まあまあ近いね。道のりはどうなの?
〈平坦で歩きやすいですが、時たまモンスターや盗賊が出没します。〉
う~んそかそか・・・ねえ、ケイさんから見て僕ってモンスターとか盗賊に勝てる?
〈ご主人様だけであれば、怪我はしますが勝てるくらいかと。〉
あ~ね、そんなもんか・・・うん?ケイさんは入らないの?
〈私が入ると、楽勝ですね。〉
楽勝!?
〈無傷で勝てるかと。〉
無傷!!?
〈1人当たり2秒で勝てるでしょう〉
秒殺!?
〈テンポがいいですね〉
うるさいよ。
〈ですが、基本的には安全です。〉
う~ん、油断は良くないけど・・・でもそこまで言うなら、ソディに行くのもいいかもね。
〈現状最もおすすめです〉
あ、そうなんだ。じゃあ、そこに向かおうか。
Heyケイさん!ソディへの行き方教えて!
〈目的地へのルートを、表示します〉
やっぱり、君わかってるね。
次回ヒント:NH₄I
異世界だけど魔法は使いません! 猫の灯籠 @NekonoRantan
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