心理ホラーと和風ホラーのダブルパンチ
- ★★★ Excellent!!!
作者の登場人物への視線が独特で、ある種類の人間に対する、熱狂的な偏愛のような物を感じた。それが小説全体に漂う、不気味な雰囲気を支えているように思えます。なにより心理描写が丁寧で、たびたび登場人物の心理に引きずり込まれるような感覚を覚える。引きずり込まれた先で、ぞわぞわと纏わりついてくる悪寒から、最後の最後まで逃げられないし、あげくは読後まで侵食する悪寒は、ホラーの醍醐味? とにかく読んだ後まで気持ち悪いし、怖かった。