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2024年4月4日 21:53
ノロノロ読みになってしまいましたが、ようやく結末を見届けることができて嬉しく思っています。中世ヨーロッパの絵画のような美しい風景描写にまさしく「人間」を描いた愛憎劇が錯綜し、非常に重厚な物語でした。 ともすると危うい表現になりがちなセクシュアリティ関連の描写も、三人の力関係がほぼ互角だったからこそ、三つ巴の戦いとして没入することができました。特にティモシーとナンシーの契約はどう考えてもナンシーの方が割にあわないと思うのですが、彼女の気迫がさながら負け戦でも勝負に打って出る戦国武将のようで、鮮烈な生き様に息を飲みました。むしろシスヘテロ男性として最も優位なはずのティモシーが、勢いでは三人のなかで最も押されていたように見え、結果的に「試合に勝って勝負に負けた」感が味わい深かったです。一方で、熾烈なライバルである二人がビビアンの小悪魔っぷりには戦友のように共感するシーンもあり、こういった描写が憎しみだけではない絶妙な関係性を表していたと思います。 また、あとがきでフィクションにおけるセクシュアルマイノリティの描かれ方やキャラクターのSOGIについてきちんとご説明されているのも、とても好ましく感じました。作者さまが苦心した部分については、やはり本編のスピンオフという位置づけが物語に制限をかけてしまったのかな、と思います。いつかもう一度類似のテーマで作品を書かれたら、その時はきっとまた楽しみに読ませていただきたいです。
作者からの返信
完走&感想ありがとうございます!三人の関係性を見守りながら物語をじっくり堪能していただけたご様子で何よりです。作品全体の雰囲気や、あとがきの補足についてもご評価をいただきまして嬉しく思います。おかげさまで、今後このテーマに取り組む場合は、現実世界で現代寄りで考えてみようかな、と少しモチベーションを持つことができました。どうもありがとうございます。
ノロノロ読みになってしまいましたが、ようやく結末を見届けることができて嬉しく思っています。中世ヨーロッパの絵画のような美しい風景描写にまさしく「人間」を描いた愛憎劇が錯綜し、非常に重厚な物語でした。
ともすると危うい表現になりがちなセクシュアリティ関連の描写も、三人の力関係がほぼ互角だったからこそ、三つ巴の戦いとして没入することができました。特にティモシーとナンシーの契約はどう考えてもナンシーの方が割にあわないと思うのですが、彼女の気迫がさながら負け戦でも勝負に打って出る戦国武将のようで、鮮烈な生き様に息を飲みました。むしろシスヘテロ男性として最も優位なはずのティモシーが、勢いでは三人のなかで最も押されていたように見え、結果的に「試合に勝って勝負に負けた」感が味わい深かったです。一方で、熾烈なライバルである二人がビビアンの小悪魔っぷりには戦友のように共感するシーンもあり、こういった描写が憎しみだけではない絶妙な関係性を表していたと思います。
また、あとがきでフィクションにおけるセクシュアルマイノリティの描かれ方やキャラクターのSOGIについてきちんとご説明されているのも、とても好ましく感じました。作者さまが苦心した部分については、やはり本編のスピンオフという位置づけが物語に制限をかけてしまったのかな、と思います。いつかもう一度類似のテーマで作品を書かれたら、その時はきっとまた楽しみに読ませていただきたいです。
作者からの返信
完走&感想ありがとうございます!
三人の関係性を見守りながら物語をじっくり堪能していただけたご様子で何よりです。
作品全体の雰囲気や、あとがきの補足についてもご評価をいただきまして嬉しく思います。
おかげさまで、今後このテーマに取り組む場合は、現実世界で現代寄りで考えてみようかな、と少しモチベーションを持つことができました。
どうもありがとうございます。