届かぬ思い

進藤路夢

第1話

山本、すまんな、まあ座れ。

今日の試合の事だ。

うん。

そう、最後。

バッターは今日4三振の杉下。

ランナー一塁で

初球をバックスクリーンへサヨナラホームラン。

これで、甲子園出場を決めたわけだ


さっき、テレビ中継の映像を確認した。

俺のサインを送る所は映っていなかった。

だから、後は山本お前だけなんだ。

俺が、バントのサインを送ったのを知ってるのは・・・

杉下本人は、サインを勘違いしているから大丈夫。



俺は選手を信じ続けた監督と言われたいんだ。

頼む!

黙っておいてくれ! バントのサインをしたこと。

この、この思いだけは、山本、お前に届けたい!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

届かぬ思い 進藤路夢 @niseuxenntu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ