読めば読むほど惹き込まれる物語

始まりは2人の刑事から。読み始めてすぐ目にする凄惨な事件とテンポのいい彼らの会話、ミステリー小説の序章を読んでいる気分になります。しかしとある少女と出会うことにより主人公の浸っていた常識は非日常に変わり、ダークファンタジーの片鱗がすぐに感じ取れるでしょう。
物語は最初に主人公が関わった事件を基点として徐々に大きなうねりとなり、最終的には長き過去から続く愛情やすれ違い、利己的な思想の絡み合った物語へと帰結します。
そこに至るまでの物語、登場人物の過去や主人公との関わりが心地よいテンポで進められて飽きることなく読み進められます。キャラクターも魅力的で、1人1人の関わりが丁寧に書かれていてどの人物もとても温度を持っていて素敵でした。
本編も余韻に満ちた終わり方をしており、ぜひ一気に読んでいただきたいお話です。

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