きみを私で染め上げる
もうすぐで日付が変わる時間帯。私は帰りにあった出来事がずっと頭にのこっており、ベッドの中で悶々としていた。
「かっこよくて綺麗でかわいいか……美鶴くんらしくて好きだなぁ……ふふ」
小さいときからずっと変わらない美鶴くんらしい言葉だった。あの子は昔も今も、かなりかわいらしい見た目と純粋な性格をしている。だからこそ、彼女を作るためにイケメンになりたいと言ったのだろうが、私から言えばもう十分イケメンだと私は思う。というよりこれ以上魅力的になったら、私がどうなってしまうのかがわからない。
……今日の私はずっとこんな調子だ。教室でいつも通り美鶴くんのことを眺めていたら、私のようなイケメンの人たちからモテる秘訣を聞こうという会話が聞こえ、心の中が美鶴くんを独占したい気持ちでいっぱいになってしまった。こんな重い女はきっと嫌われてしまうかもしれない。でも、美鶴くんは私のことをたくさん褒めてくれたんだから、私のこの想いを真正面から受け取ってくれるだろう。いや受け取ってもらわないとダメだ。
「それにしても、あのかわいい美鶴くんがイケメンになっちゃったら絶対周りの女の子たちに狙われちゃうな~。……あげる気なんて一切ないけどね」
そう、今のうちに美鶴くんのことを私だけのものにしなければならないのは明白だった。今日も美鶴くんに「私だけ」を褒めることと言っておいたが、美鶴くんのことだ。多分すぐにそのことを忘れるか、ほかのイケメンたちに迫られてしまうのだろう。特に後者が考えられる。
もしも、美鶴くんが今よりももっとカッコよくなって、ほかの女子と付き合うことになったら私はどうなるのかな? ……いやそんなことは考えたくないし、考えても無駄だ。私が彼の彼女になるし。
それに今の私はただでさえ、とても魅力的でかわいい美鶴くんを《《自分色》に》染め上げることが楽しみでしょうがない。彼を好きになったのはずっと前からだが、こんなチャンスが来た今、弱気な自分とはお別れだ。
「(美鶴くん、必ず君を私のものにしちゃうからね……そしてたくさん甘えて甘やかしてね……)」
今日から私はカッコいい幼馴染みではなく、かわいい幼馴染みを狙うただの雌となったのだった。
あとがき
またまた投稿が遅れてしまい、本当にすみません。家庭環境の話や腹痛のことで病院に行ったりなどで忙しすぎて…(泣) これからもこうなることが多いですが、よろしくお願いいたします。
追記
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イケメン女子たちを参考にイメチェンしたら、ガチギレされた… Calc. @gureninjya
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