かっこよくて綺麗でかわいい
俺は里瀬にイケメンになるための経緯を話した。最初は真面目に聞いていた里瀬は次第にニヤニヤとした顔を浮かべながら楽しそうに聞いていたが、普段のイケメンっぷりとのギャップによるものなのか、とてもかわいらしかった。かわいいとかっこいいの組み合わせは最強なんだなって……。
「ふ~ん、つまり美鶴くんの友達が最近惚気話ばかりするから自分もかわいい彼女を作りたくなったと……美鶴くんって意外と単純なんだね」
「……まぁたしかに。でも高校生のうちに彼氏、彼女が欲しいっていう人は結構いると思うけどね。里瀬だって彼氏が欲しいって思ったこと1回くらいはあるでしょ?」
それはシンプルに気になっていたことだった。里瀬ほどの人気者で顔も性格も良い女の子が好きになる人はどんな人なんだろうか。もしかしたら、すでにいるのかもしれない。幼馴染である自分であれば、答えてくれるのかもしれない。そんな理由からだった。
「う~ん。彼氏がほしいとは今のところ思っていないんだよね。もちろん、将来的には欲しいんだけど」
「あ、そうなんだ。ぶっちゃけ、すでに彼氏がいてもおかしくないと思ってたよ。ほら、里瀬ってすごくかわいいし綺麗だからさ」
これは言うまでもなく、嘘偽りのない言葉だ。実際、今の里瀬も顔を赤らめていてとてもかわ……あれ?
「……美鶴くん。そういうセリフほかの女の子に言ってないよね?」
「え、どういうk」
「言ってないよね? 言ってたらかっこよくなるための方法なんて教えないよ?」
ものすごくじーっと見られている。しつこいようだが、どんな表情でも里瀬の顔はめちゃくちゃ絵になるなぁ……って教えてもらえないのは困る!
「も、もちろん! 里瀬以外の女の子には言ってないよ! 里瀬が初めてだよ!」
「……! そうなんだ……なんか綺麗はともかく、かわいいって言われることは全然ないから嬉しいな……ちょっとだけ照れるね。相手が美鶴くんだからかな?」
「いや、そう言われるとこっちこそ照れるんだけど……。でも里瀬がかわいいのは本当だよ。かっこよくて綺麗でかわいいよ」
「うん……! ありがとう、美鶴くん。すごく嬉しいよ。」
普通、こんな風に人の容姿を褒めることはない。かっこよくて綺麗でかわいい。我ながらひどい褒め方だと思う。でも里瀬は笑顔でいてくれている。それが恥ずかしくも、どこか嬉しかった。
そして、気づいたら俺たちは里瀬の家の前へとついてしまっていた。すると里瀬が俺に向かって、
「美鶴くん。きみはもう十分かっこいいよ。でも、もっとかっこよくなりたいんだったら、これからも私だけにかわいいって言ったりして褒めるんだよ? わかったね?」
「う、うん。わかった!」
「ふふ、それじゃあまた明日ね。かわいい美鶴くん」
そう最後に言い残し、里瀬は家の中へと入っていった。短い帰宅までの時間だったが、里瀬は最初から最後までかっこいい女の子だった。
それにしても私だけというのが引っ掛かるが、要するに女の子をちゃんと褒めてあげることが大切なんだね……シンプルながらもとても重要なことだ。よし! これから里瀬の言う通りにしていこう!
「えへへ……これから美鶴くんにいっぱい褒めてもらえるんだ……楽しみだなぁ。でもちゃんと手の届く範囲にいさせないと、浮気しちゃうかもだから気を付けないとね……」
あとがき
更新が遅れてしまい、すみません。先週の木曜日に39.7度の発熱をしてしまい、休養していました。大学生活が始まったばかりで腹痛や胸の痛みなどで体調を崩しやすいですが、ゆっくり頑張っていきたいと思います。あと、いよいよヒロインちゃんと美鶴くんにの展があるので、お楽しみに。それでは、また。
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