幼馴染がイケメンすぎる
授業が終わったその日の放課後。大輝の砂糖を口に含んだかのような惚気話をやっと聞き終わった俺は、早く家に帰ろうと教室を後にした。余談だが、大輝は澪さんと毎日一緒に帰っている。時々、大輝から帰りの誘いを受けることもあるが、澪さんとの時間を邪魔するのも悪いし、3人で帰るとなると自分が完全に浮いてしまうので丁重に断っている。
……本当はあんなラブラブカップルの甘い世界に入るのが少し、いやかなり耐えられそうにないからなんだけどね。幸せそうで何よりなんだけど。
「やっと解放された……さて、バイトもないし早く家に帰ろっと……」
安心に浸りきっていたその時だった。おだやかな風が爽やかで甘い香りを漂わせる、一人のイケメンを運んできたのは。
「ねぇ、美鶴くん。今から帰るのかい? なら私も付き添うよ。ちょうどさっき後輩ちゃんたちの触れ合いが終わって帰るところだったんだ」
「……俺の意思関係なく一緒に帰る気なんだね、
ちなみに、里瀬のほうが数か月ほど年上で本人の口調もあいまって、お姉さんのような存在に近い。実際とても面倒見がよくて、料理などの家事スキルも高い。イケメンに加えて、面倒見もよくてお姉さん属性ももっているなんて、恐ろしい幼馴染だ。後輩にも慕われるわけだ。
「……むぅ。そこは里瀬と帰るのはとても楽しいよって返すのがいいんじゃないかな。言う相手が私じゃなかったらすごく拗ねていたよ?」
「確かに……でも、そう言う里瀬が拗ねてる口調はどういうことなの?」
「……美鶴くんもまだまだ女心というのが分かってないんだね。だから彼女が出来ないんだよ?」
「やめて。その言葉はめちゃくちゃ心に刺さるから。泣くよ?」
「ふふ、冗談だよ。かわいい美鶴くんのそんな顔が見たかったから言っただけだよ。いじわるしてごめんね。 お詫びに良いことしてあげちゃうよ?」
「い、いや。それは別に大丈夫なんだけど……」
ごめんねと小さく謝りながらイケメンスマイルをかます里瀬。正直、顔が良すぎてものすごく恥ずかしい。幼馴染といってもこのイケメンっぷりに俺が慣れることは、きっとないんだろう。里瀬は小学校の時から今ほどではないにしろ、イケメンだった。それが数年を経てここまでかっこよくなるなんてすごいなぁ……と改めて認識した。
俺の胸が意識せずともドキドキしてしまう。やっぱりモテるためには里瀬に聞くのが一番だろう。そう思い、早速里瀬にモテるための秘訣を聞いてみることにしたのだった。
「(美鶴くん、かわいいなぁ……そういう笑顔はあんまりほかの人に見せちゃダメなんだからね?)」
あとがき
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まだ1話しか投稿していないのにも関わらず、たくさんの人に読んでもらって嬉しい限りです。これからも無理せずコツコツと頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。あと、里瀬さんは案の定、愛が重め濃いめです。
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