イケメン女子たちを参考にイメチェンしたら、ガチギレされた…
Calc.
友人からの惚気話と助言
惚気話。それは今の俺にとってあまりにも別次元の内容であり、甘すぎるものだ。よく惚気話を聞いて、ブラックコーヒーが欲しくなるという定番のセリフがあるが、本当にその通りだということが最近わかった。それは俺の友達の影響なのだが……もうすぐ来る頃だろう。
「なぁ美鶴。昨日、また
ほら来た。俺の席目掛けて走り、惚気話という砂糖をぶつけてくるコイツは
「はいはい。またお得意の惚気話かな? 相変わらずラブラブだね」
「ら、ラブラブかぁ……そうかぁ、そう見えてるんならめっちゃ嬉しいな……」
「はぁ……こりゃ相当重症だね。澪さんのこと好きすぎでしょ」
「そりゃそうだぞ! あんないい彼女なんてほかにいないし、最高の彼女だぞ! 好きに決まってる」
「……それを俺じゃなくて澪さんに言ってくれればいいんだけどね」
見てもらえればわかる通り、大輝は彼女が出来てからというもの、ことあるごとに俺に惚気話を話してくる。最初は仲が良くて俺も嬉しいよとか、そんな素敵な彼女を手放すなよと、祝いながら返事をしていたのだが、これが一か月続いているとなると、糖分の過剰摂取でどうにかなりそうだった。もちろん、聞くのがどうしても嫌なわけじゃないし、別れるよりもこうしてラブラブな関係でいてくれたほうがずっと嬉しいんだけどね。
「美鶴も彼女ができたら俺の幸せな気持ちがわかると思うぞ。」
「はぁ、彼女ね……たしかに大輝の惚気話を聞くうちに、彼女がいたらいいなとは思うけど、俺一度も恋愛経験なんてないしなぁ……誰かに聞くとしても身近にいるのは大輝ぐらいしかいないし……あ、」
俺がそう呟くと、大輝は誇らしげで自信に溢れた顔をしていた。これは完全に俺と同じ考えが思いついたのだろう。
「ふっふっふ……美鶴にはいるじゃあないか! あのイケメンたちが! あの人たちを参考にしたら美鶴も絶対に彼女が出来るぞ。なんせあの人たちは超がつくほどのイケメンなんだからな!」
「あはは……そうかなぁ。でもやってみてもいいかもしれないね。あの子たちは本当にイケメンだから、一番参考になるね」
「だろ? 早速今日にでも聞いてみたらどうだ。美鶴は好かれているからきっと教えてくれるし、応援してくれると思うぞ」
かなり乗り気で楽しそうに語る大輝に、若干置いて行かれるも自分も内心楽しみだった。こんな自分でも彼女が出来たら、もっと幸せなんだろうなと淡い期待を胸にして、俺は大輝の惚気話の続きを聞くのであった。
「ふふっ……。美鶴くんが彼女をねぇ、楽しみだなぁ……早く私の彼氏にしないと……」
あとがき
約2年ぶりの新作です。今年で大学生になり、バイトなどで忙しく、かなり投稿頻度は遅いかもしれませんがのんびり待ってもらえると嬉しいです。
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