最終話 点灯
私は、窓越しに外を眺めていた。掴もうとすればするほど遠ざかっていく空を、私はいつも恋しく思っていた。
今日も変わらず空を視る。同時に、両手を太陽の光で輝やかせながら昔の思い出に耽ていた。
あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。あれ以来、私は現界に行ったことはない。というか行くつもりもない。
窓際の特等席に座ってお茶を飲んでいると、後輩が手を振りながら歩いてきた。
「せんぱ~い。ち~す。長がお呼びですよ~」
「そう、了解よ」
私はあれから努力を積み重ね、現在は警視総監補佐の役職に就いている。彼女の仕事を手伝ったり身の回りのことをしてあげたりと、シャラと協力して業務をこなしている
私は木製の扉を3回叩いた後、ゆっくりと中へと入る。部屋の奥には豪勢な椅子に座った雲子の姿があった。
「お、来たか」
「うん。で? 用って何?」
すると雲子は右手を頬に添えた。
「サリナ。天界守護組の合言葉を知っているか?」
「いや、知らないけど」
「まぁ色々あったもんね。ではサリナよ。わっちらは当初、対ルシファー専門部隊として結成されたことは知っているな?」
「うん。それは知ってる」
「よし。天界守護組はルシファーを倒した後、旅人の警護をするようになり、それが発展して今に至る。そして、組織発足当時から受け継がれている合言葉がある」
すると彼女はおもむろに口を開いた。
「革命の陽を灯せ」
革命のヒ 天界より参りし五人の神達 リート @fbs
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます