最終話 点灯

 私は、窓越しに外を眺めていた。掴もうとすればするほど遠ざかっていく空を、私はいつも恋しく思っていた。

 今日も変わらず空を視る。同時に、両手を太陽の光で輝やかせながら昔の思い出に耽ていた。


 あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。あれ以来、私は現界に行ったことはない。というか行くつもりもない。


 窓際の特等席に座ってお茶を飲んでいると、後輩が手を振りながら歩いてきた。


「せんぱ~い。ち~す。長がお呼びですよ~」


「そう、了解よ」


 私はあれから努力を積み重ね、現在は警視総監補佐の役職に就いている。彼女の仕事を手伝ったり身の回りのことをしてあげたりと、シャラと協力して業務をこなしている


 私は木製の扉を3回叩いた後、ゆっくりと中へと入る。部屋の奥には豪勢な椅子に座った雲子の姿があった。


「お、来たか」


「うん。で? 用って何?」


 すると雲子は右手を頬に添えた。


「サリナ。天界守護組の合言葉を知っているか?」


「いや、知らないけど」


「まぁ色々あったもんね。ではサリナよ。わっちらは当初、対ルシファー専門部隊として結成されたことは知っているな?」


「うん。それは知ってる」


「よし。天界守護組はルシファーを倒した後、旅人の警護をするようになり、それが発展して今に至る。そして、組織発足当時から受け継がれている合言葉がある」


 すると彼女はおもむろに口を開いた。


「革命の陽を灯せ」

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革命のヒ 天界より参りし五人の神達 リート @fbs

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