24話 ねこふんじゃった・6ターンめ

 6ターンめ。


「そんじゃ、フツーに」


 ユウスケは前へ5マス進む。

 猫の鳴き声は鳴らない。


「肉球、あまり取れませんわね……。大丈夫ですの?」


 エリカが言う。


「無問題でしょう。進めるマスはたくさんありますし、BチームとCチームが詰みかけてますから」


 カイトが答える。


「そうだ、ユウスケなら大丈夫!」


 後ろから、柴田がガシッと2人の肩に手を回した。


「私たちは、あの子を信じて応援しなきゃ! そうだろ?」


 そう言って、柴田はウィンクしてみせる。


「その通りですわね」

「では、応援のために僕が、一般〇性脱〇シ――」

「やめんかあああああああ!!」


 エリカが肘で小突き、柴田はスパーンと頭を叩いた。


「…………」


 フウカはその横で、険しい表情でゲーム場を凝視していた。


 続いて、Bチーム。

 桑原は、右に5マス進んだ。

 猫の鳴き声が、1回鳴った。


 Cチーム。

 高橋は、桑原を追い詰めるように、右へ3歩、奥へ2歩進んだ。

 猫の鳴き声が、1回鳴った。


 Dチーム。

 チヒロは手前に3歩進むと、右へ2歩進んだ。

 猫の鳴き声が、2回鳴る。


「あれ……? これ、俺ケンカ売られてる?」


 ――そう。チヒロは、どんどんユウスケに近づいてきていた。

 このまま安全地帯で行ったり来たりを繰り返せば、チヒロに閉じ込められてThe ・Endである。


「…………」


 チヒロは、ギロリとユウスケを睨みつけた。

 唇をおぼつかなく動かすが、何を話そうとしているのかは判別不可能だった。


 Eチーム。


「よーしいいよ! そのままはしっこまで走ったら、次の列をターンして!」

「はーい!」


 言われるがまま、とてとてと走るソウタ。


「ソウタくーん、そこでストップ!」

「はいっ!」


 折り返して2マスめで、ミケの静止がかかる。そこで、猫の声が鳴った。


 6ターンめが終了した。



 あつめたにくきゅう

 Aチーム……3コ

 Bチーム……5コ

 Cチーム……7コ

 Dチーム……8コ

 Eチーム……4コ



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