第15話 これこそがスキルの性能
そこにいた人も、ゴブリンも動くことはない。
一度こうなってしまえばこちらのものだ。
ストレージから剣を取り出す。剣の重みが伝わってくる。両手でしっかりと握る。
「アビリティ 縦斬り」
上方向にまっすぐと斬り上げられる。
ゴブリンの体は斬れない、だが剣先はしっかりと上に来る。
なんとも変な感じになるが慣れないといけないなと思った。
まるで剣の重さを感じさせない素早さだが、アビリティが切れると
「重っ」
剣が少し下がってしまう。
「まだまだ、」
そのままさらに
「横斬り!」を使う。
今回の場合、ゴブリンは剣より左にあるから・・・(左に斬る!)
剣は左方向へまっすぐ進んだ。
斬れはしないがそのまま貫いていく。
だが問題なのは倒したのか倒せていないのか時間を止めていると全くわからないことだ。
ということで追加で2回ほど「横斬り」をしておいた。
他のゴブリンへも同様だ。
ゴブリンが密集しているところへ
「横斬り!」
今にも襲おうとしているゴブリンへ
「横から失礼、縦斬り!×4」
と、どんどんとゴブリンが来た方向に進んでいた。そんな時だった。
ドゴーン!と大きな音がしたのは。
ビクッ(え・・・・・・)
恐る恐る近づいてみると、そこでとんでもない光景が広がっているのを目にした。
止まっているゴブリンや人がいる中でその一体だけが動いていた。
とても大きな体をしていた。大きな爪があった。
その爪で止まっている人たちを切り裂く動作を繰り返していた。
人たちに傷等は見受けられない。その爪に体を貫かれてもだ。
理解が追いつかない。
謎の力 クロノス(姫) は時を操る力で最強のようです ウニーモロコシMARK2 @Uni-morocoshi2
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