第14話 モンスターが現る

「明らかに量がおかしい!」最初に気づけた隊員はだれだっただろうか?

洞窟の穴のそこから謎の生命体がわんさかとあふれ出てくる。

撃っても撃っても新しく出てくる数のほうが上回っていた。

こんなことはまだ知らない。また、初めての現象だ。


ダンジョンで攻撃を続けるとある自衛隊の一団は、押し寄せるモンスターたちの波に少しづつ後退せざるを得ない。

「バリケードをつくれ!少しでも足止めしろ!」

そこにあった持ってきていたもので壁を作ってみるも・・・

 ウォーーォー!!

大きな咆哮、ドッコーーン!と物を壊される大きな衝撃。

砂埃の中、うっすらと見えてきたのは、

まだ未確認の生命体、さっきから押し寄せてきているいわゆるゴブリンのような生命体には到底似つかない、大きな影だったのだ。


隊員たちが最期に見たのは、その影がものすごい速さで目の前に来たことだった。



それから、そのモンスターの波を抑えようとすることむなしく、モンスターは洞窟の外に出てきた。

モンスターの本能であろうか、モンスターたちは、とあるイベントに集まっていた人だかりの方向に向かって歩みを進めた。

無装備のゴブリンたちや、逆に装備のようなものがあるゴブリンたちが先に人だかりに着いたのは、およそ正午のことだった。



「ぎゃー!?」

「っっきっきゃーー!?」

「ぎやーー!?」

目の前でモンスターに人を殺されたり、自分が殺されたり、

HPで死が決まるので、ダメージがとても痛いというわけではないし、一撃でやられているわけではないが、2撃目でやられてしまっていた。そして首を切られた。死体は消えていった。


そんな光景を見て困惑しながら、「逃げなくては」と思った人が大半だろう。

もちろんもっと高いところから見てしまったとある白銀の髪の子も例外ではない。

「やばい、ヤバイ、なんだこれ、ここから、逃げなくては。」


ちなみに例外はたとえばこいつらのような者である。

「あの時目覚めたオデの力、今ここで使わずしてどうするんだ!」

「フッ、あの力は、SNSで活躍するためのものではなかったのだな、道理でこの力のことを投稿してもすぐに消されてしまうのだな(?)。力を感じる、ここで活躍しろと感じる!」


こいつらはふるいにかけられた者たち。

世界が変わったときに、何を思ったかステータスボードをだして、何を思ったかこの出来事を信じてひそかに練習していたというふるいをかけて生き残った者たちである。


「スキル 炎魔法Ⅰ!」

タッタッタッタッ「職業スキルッ スラッシュ」


そこから生まれた炎の球は、ゴブリンに命中。

速い速度で振り下ろされた「初心の剣」は、ゴブリンを攻撃していく。

ゴブリンたちも投石したり、素手で殴ってきたり、棒のようなもので叩こうとしたりそれが繰り返された。


モンスターは倒されていく。モンスターは首を切らなくてもHP0になったらとどめとなるので倒されていく。遺骸は消えていく。

その光景にはほかの人へ更なる困惑を生んだ。

しかし依然としてモンスターは流れ込んでくる。


「なんなんだよこいつら!数が多すぎではないか!」


_______________________

僕は逃げるために地上まで下りてきた。

本当は地上まで下りてこなくても駅に行けるのに必死で降りていたら地上だった。

横目に見ると、なぜか抵抗している人が何人かいることに気が付いた。

炎を出したり、剣を使っていたり、そのような人たちが戦っていた。


そうか、スキルだ。あの力だ。ほかにも使える人がいたんだ。

と思ったのと同時に、時間を止めたら簡単に逃げられるとも思った。


・・・でも、「それでいいのか?」

時間を止められるのなら、どんなに時間がかかってもモンスターを倒せるはずだ。

ユウトならするはずだ。人助けを!

モンスターを倒す力があるのに、助けなくてどうする!?



「スキル 時間因子操作(停止)」

その瞬間、僕の周りは時間が止まった。

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