魔王城崩壊まであと〇〇日

@aimiyuki1216

第1話



「魔王様!なにやら門の前にスーツ姿の人間が」


「フン、人間風情がこの屋敷に何のようだ」



毒液をかけて様子見して暇をつぶすか

調教して仲間にでもするか

どうしたものかと画面越しにその人間を見る。


「あ、どうもー

早速ですがこちらのお屋敷広いでしょう

たくさん魔物もいらっしゃいますし各フロアにウォーターサーバー設置してはいかがでしょうか?

毎日新鮮な水が飲めますよ」


「ウォーターサーバー……?」


はじめてきくワードだ

まずはこの人間の話を聞くとするか


「水道水そのままでは水はまずいでしょう

ここにコップをあてるだけで新鮮な水が毎日のめます

お湯もほら、飲めますよ

試しに飲んでみてください」


ありがとうございますといって受け取って飲んだ部下のスライムが溶けていく。

のむな、死ぬぞ


「ウォーターサーバーなどいらん

知能のない部下が勝手に死んでいくではないか」


「今だけオトクなんです!!

レンタル料、配達料は無料!毎月のお支払いは水の代金だけ!うちの水は〇〇賞をとった天然水でしてのむと肌や体調が飲む前とは激変!

料理に使うと料理もおいしく

形もコンパクトで邪魔にならないんですよ」


「ううん……」


水かあ。まあ屋敷の水は古びた水道でたしかにまずい

ウォーターサーバー……あってもいいのか?

いやしかし……いるか?いままでなくて生活できたのに

勇者来る前に武器とかでお金使いたい気もするよなあ。



スライムが叫ぶ


「お湯死にかけたけど美味しかったです!買ってください魔王!」「買って!」「お願い!」「買ってくれないと一生軽蔑する!」


数だけは多いのでめちゃくちゃうるさい


じゃあまあ……買うか


契約金0円だというし。




契約をきめると、画面越しにスーツの男は微笑んだ

メガネをずらしたその顔は

なんだかみたことがあるような気がしたんどけど


思い出せなかった。






「ふぅ……なんとか魔王にウォーターサーバー売りつけるのに成功したな

数カ月後に無料期間がきれると四千円ずつかかるし解約手続きの電話番号は繋がらないようにしてある

他にも色々売りつけて破産したとこで魔王城を落とそうって考えだ」


スーツを脱ぎ、あらわれたのは

髪がつんつんとはね、いかにも主人公ぽい顔をした

勇者だった。

その横の仲間達がつぶやく


「攻め方が汚っ……」

「もうついてくのやめたいんだけど」

「なんだよじゃあ他にどうやって魔王倒すんだよ」

「周りに火つけて逃げるとかさ」

「それも汚いし怖くない?!」



……魔王城が崩壊するまであと〇日




end

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王城崩壊まであと〇〇日 @aimiyuki1216

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ