第6回 文章を考えてみよう(6)キャラクター篇

 今回はキャラクターに関して考えてみたいと思います。副読本としてフィルムアート社さまの「きちんと学びたい人のための小説の書き方講座」(https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270)のキャラクター篇を参考にします。

 

 作家は4タイプに分かれると言います。キャラクターの親になりキャラクターを娘のように扱うタイプ、映画監督になってキャラクターは俳優やスタッフのように扱うタイプ、箱庭のように自らのなかで自由が利くと考えているタイプ、クラブのママタイプといったタイプです。なのでひとそれぞれキャラクターへの距離感がかなりちがいます。これはTwitterで誰かが話していた内容です。検索してみるのもおすすめします。


 キャラクターの掘り下げはいつも頭が痛いです。なぜなら私は作品のなかのキャラクターを俳優のひとり程度にしか見てこなかったからです。なのでキャラクターの作り方は非常に興味深く感じています。

 よく映画作品に対する批評家やファンの言う人間が描けていないという批判がありますよね。映画に登場する人物はすべてキャラクターですし、ここで指摘されている人間とは「本物の人間」のことではありません。キャラクターです。一方でどんな媒体であれキャラクターと言ったときにはいろいろなレベルや段階があると考えます。


 たとえばライトノベルの主人公やヒロインといった属性が張り付いてキャラクターという場合もありますよね。

 これもキャラクターということにはなるのですが、もう少し踏み込んでお話しすると作劇上のうえでキャラクターを考えたとき、キャラクターがいきいきと動き出す、あるいは動かすにはどうしたらいいのかという問いにつながってきますよね。


 このように考えを巡らせたときに人間への理解が重要になるようなメタ認知的な視点もあるにはあります。そういう視点で「人間」が描けていないという批判は腑に落ちます。ですがわざわざ人間を引き合いに出すよりかはキャラクターが描けていないという批判のほうが作家にはやさしいはずです。

 

 フィルムアート社さまの連載で面白いのは主人公は誰なのかとした上で、キャラクターは目的ベクトルを持った存在だという指摘です。目的があれば、つぎに重要なのは動機、さらに代償を伴っている、そんなふうにキャラクターを彫刻します。

 つまり小説というのは当たり前ですがキャラクターを描くことです。キャラクターが、その人物がはっきりと作者も理解できるようになるように描くことが重要なのです。そんなふうに意識して自分の小説が読めたときがいよいよ勝負の時なのですね。

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