第4話ちぐはぐな女子グループ
「ちぇ〜。マジで殴るなんてどうなのよ?痛たぁー……バカになるよぅ」
「
「まあまあ、落ち着いてなぎなぎ。恵になんかされたら言ってよ。私がガツンっとやっとくから、ねっそろそろ落ち着こなぎなぎ」
私が泣き止み落ち着いた刹那に、頭に拳骨を喰らった萩野が殴られた箇所を摩りながら唇を尖らせ、ぶつぶつと愚痴を垂らした。
そんな彼女に腹が立ち、殴りかかろうとしたが慰めてくれた鼓原が萩野に近づけまいと押しとどめ宥められ、大事に発展しなかった。
鼓原の女子グループに属するあの辱めを目撃していた残りの二人が気まずそうに言葉を振り絞った。
「汐嶋ちゃんってあんな声出すんだね」
「可愛くて、アレな気分になった」
と、二人が口々に言った。
辱めを受けた友人に掛ける言葉がそれかよ、と内心愚痴を吐く。
年頃の女子だから、というのもあってこんな反応なのか、と納得している自分がいた。
「なぎなぎに掛ける言葉はそんなんじゃないだろう、二人とも」
私たちに駆け寄ってきた鼓原が私以外の二人の女子を小突いて、そう言った。
「ごめんなさい」
「ごめん」
鼓原に叱られた二人の女子が軽く頭を下げ、謝る。
「そんな気にしてないから良いって」
「なぎなぎってば、もうー。なぎなぎがそう言うんなら、良いかー」
鼓原が本心を見透かしたように呆れて、納得してないながらも諦めて言った。
教師が生徒を口説いて良いんですか? 闇野ゆかい @kouyann
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