第5話友達の涙(最終回)
山竹君(仮)と、山で遊んだ。野ウサギを捕まえる罠をいっぱい仕込んだ。
あれは、僕が小学6年生の時だ。
夏だったので、夕立に合い僕らは走って野山を駆けて、山竹君の家に向かった。
先頭を走っていた、山竹君が滑って転び泣いていた。
山竹君は転んで泣くような男じゃない。
山竹君は泥で滑った訳ではなかった。
何者かのウンコに足を取られ、転んだのだ。
ズボンのお尻は、クソまみれ。
僕らは、山竹君と距離を置いた。
山竹君は泣きながら、水道でズボンのウンコを流し、風呂に入り、復活した。
それから、テレビゲームをした。
僕はテーブルの上のボンタンが気になった。デカイ蜜柑だ。
僕はそれを、2つ掴みズボンの中に入れて、
「欲求不満な玉袋」
と、言った。山竹君は、烈火の如く怒った。
「帰れ!羽弦!その、ボンタンいらないから、持って帰れ!」
僕は無表情で、
「この、クソまみれが!」
と、言うと、山竹君はまた泣いた。
実に小学生は残酷ななものである。
羽弦行進曲 羽弦トリス @September-0919
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