第61話 友人
「なんか久しぶりじゃね?こうやって二人で遊びに行くのは…なぁ?永井」
「そうだな…去年の年末に遊びに行ったくらいか…?というかお前…試験前なのに遊んでいいのかよ、俺はここ最近ちゃんと勉強してるけどよ?三枝って成績良くなかったような…」
「ゔっ………そ、それはそうとどこ行くよ?バッティングセンターか?ゲーセンか??」
そんな会話をしながら俺たちは街の中をブラブラと二人で歩いていた。
あの勉強会の次の日、俺が朝から勉強をしようかと思っていると、久しぶりに三枝から遊びの誘いの連絡が来ていた。
最初は断ろうかと思っていたが、俺としても昨日の夜からずっと勉強をしていた為、少しは息抜きがしたかったのもあって了承した。
この前三枝が休んでいたのも、少し勉強したら知恵熱で倒れてしまったとか…
普通ならば試験前に遊びに誘うなど正気の沙汰では無いが、コイツの場合は…まぁ現実逃避だろうなぁ…。
「何だったら今から海とか行くか!?夏といったら祭!BBQ!!花火に海の女の水着ぃ!!!」
「いや野郎二人で海行って何が楽しいんだよ…そもそもここから遠いから行きたくねぇよ」
「んなもん決まってんだろうが!!ナンパだよナンパ!!!」
「声かける勇気もないくせに…よく言うぜ…。そもそも俺はそう言うタイプじゃねーって、と言うことは自動的にお前にも出来ないよ」
「あぁ!?それくらい俺にだって出来らぁ!!!それとも何か!?お前はあの大学の【四季姫】であり幼馴染とか言うラノベでよくあるタイプの美少女の美涼ちゃんと、誰もが羨む美貌を持った完璧超美人の一条先輩とよろしくやってるからナンパする必要ありませんってか!?!?このクソ野郎が!!!!!」
キーンとするくらいの大声と早口で横からそう捲し立てて来る三枝。…コイツには瀧川と沢城さんの事は言わないほうが良さそうだ。バレた時がある意味一番怖いが。
それはそうとできればもう少し静かにしてほしい、近くの人にめっちゃ見られてるからね。
「そういうんじゃねーって。美涼は幼馴染だからともかく、なt ……一条先輩とは成り行きで仲良くさせてもらってるんだよ。それに俺だって立ち位置くらい弁えてるし、相手は俺の事なんて何とも思ってないよ。あったとしても親愛だ」
「けっ!どうだか!!いくら永井がフツメンだからって、そのうちあそこの喫茶店のテラス席に座ってるカップルみて〜に美涼ちゃんと一条先輩とイチャイチャするんだろうがぁ!?呪い殺すぞゴラァ!!」
俺が否定しても勝手に暴走し、とあるテラス席の方を指差した三枝は血涙と鼻水を流しながら歯ぎしりしている。…器用な奴だ。
俺も三枝が指を指している方向を見ると、確かにそのテラス席には高校生くらいだろうか。テーブル席の角に座っている一人の男の子を取り囲むように、超がつくほどの系統が違う美少女3人が座ってそれぞれ男の子に引っ付いている。
「はい綾人君、あーんして下さい?私が食べさせてあげますから」
「えっ!?こ、ここでか!?璃奈!?」
「カップルならこれくらい当たり前ですよ?ほら…早く?ケーキが落ちちゃいますから」
そんな事を黒髪のサイドロングの子が、ケーキの刺さったフォークを差し出しながら横に座っている男の子の方を向いて言っている。
「ちょっと待ちなさい璃奈!!アンタねぇ!相変わらず油断も隙もあったもんじゃないわ!さっきアヤトの横の席を選ぶための阿弥陀くじもアタシの所に何か細工してたでしょ!?」
「…?一体何をいってるのか分からないですよ?鈴華さん」
「よくもアンタそんな白々しい顔を…!相変わらずムカつくわねその顔!!」
その行動を黒髪の子の前に座っている、綺麗なブロンドの長い髪が特徴のモデル体型の子が黒髪の子と言い合っている。
「ま、まあまあ…璃奈も鈴華も落ち着いて……」
「ねぇねぇあやくん、こっち向いて?」
「ん?何かあった?茜ちゃ――むぐっ!?」
「えへへ、引っかかった♪どう?ウチのケーキ美味しい?」
その言い合いをよそに、男の子の前に座っていた茶髪で巨乳の子がアーンを奪っている。
「「あ〜っ!!?」」
「アヤト!茜の食べたんだったら、アタシのも食べなさいよ?」
「そうですよ?綾人君、私達の事は平等に愛してくれるんですもんね?」
「あやくん?もう一口どうぞ?」
「ちょ…まっ……」
「「「嫌(です)(よ)(だよ)♡」」」
そんなやり取りを堂々としている高校生の…カップルなんだろうか?複数人の女性が額に大きなやけど痕のある、爽やかで少し筋肉質なイケメンの男の子とそんなやり取りをしていた。
「
「あ、あぁ…お前がうるさいからな……ゲーセンとバッティングセンター…行くか?」
「もちろん行くぜ!!!この気持ち諸共空へかっ飛ばしてやるぜぇ!?今の俺なら、嫉妬の心で増幅されて○谷を超えられる気がするぜ!!!!!」
鼻息を荒くした三枝はそういうと、足早に俺の前を歩いて行く。
そんな三枝と離れないように俺はあの高校生のカップル達から目線をそらし、三枝について行く。
(しっかしすごいな…最近は男一人に対して女性複数人で付き合ったりするのか…。しかもあんな二次元から飛び出してきたみたいなそれぞれジャンルが違う超美人が…?あの男の子凄いな…)
そんな事を思いながら俺は気合の入っている三枝と共に、まずはバッティングセンターに向かった。
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皆様大変長らくお待たせしました…。やっと小説が書けるくらいには体調が快復しました、これからまたぼちぼち再開していきます。
後、大半の人にとっては知らないキャラが出て来たと思いますが、これは作者なりの処女作のキャラ達の供養という感じですね…。
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