■ 351 ■ 登場人物紹介(349話終了時点)






 ク、リクスが時間を遡行したせいで色々と年齢管理が大変なことに……

 もしかしたらちまっと間違っている可能性もあるかもしれないのでここで一旦整理、作中最後の登場人物紹介です。

 二週目の話になった結果として新規登場人物が減る(なくなるわけではない)と思いますので、以後は多分物語完結まで登場人物紹介は無いと思います。多分。


 また、本作の執筆はお読み頂けた皆様の★と♡に大いに励まされております。450話ぐらいを目処に完結させるつもりなので、どうかここまでお読み頂けた皆様には最後までお付き合い頂ければ幸いです。




 ◆ラジィ・エルダート(8)


 髪色:白

 瞳色:蒼

 信仰:地母神マーター運命神フォルトゥナ

 普段の服装:ワンピースの上に白い神官服ローブ


 本作の第三章までの主人公。第三章にて死亡するも、その心臓と神臓はティナに受け継がれ、ティナを回帰神ノルティアへと押し上げることになった。

 再戦時間軸ではまだ八歳(本当は五歳相当の肉体で【創造神デウス】に産み落とされたので三歳程度)であり、前時間軸同様に【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】にて【書庫ビブリオシカ】を襲名、巡礼の旅に出ることとなるだろう。

 【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】での【書庫ビブリオシカ】候補生時代を書いても滅茶苦茶陰湿な話になるだけなので、この先しばらく出番が無くなります(主人公なのに!)。ただ、多分リクスのおかげで最後には幸せに成れるはずさ、多分。




 ◆回帰神ノルティア


 髪色:黄金

 瞳色:真紅

 信仰:回帰神ノルティア

 普段の服装:ない(それ以前に肉体がない)


 義妹ラジィの心臓を喰らい、天使の獣為変態で神臓を発動させ、神に至ったフォンティナリア・パダエイ・ノクティルカの現在の状態。ただ所詮天使の獣為変態などまがい物に過ぎないためか、実際には物質世界から消滅したものの第三臨界と神の中間程度に留まっている。

 もはや自分の意思では一切動けず、リクス(当代)がやり直しを重ねると、そのたびに回帰神ノルティア魔術が発動し、だんだんと平等なシステムである神という存在へ馴染み、ティナとしての自我は消失していく。だから出番は――もう無いといいね。

 無論、ティナとしての自覚が残っていてもリクスが辿り着くべき未来へ到達したら、結局は回帰神ノルティアも消滅するから何の意味もないと言えばないのですが。




 ◆リクス・エルダート(20)


 髪色:緑色

 瞳色:青

 信仰:心呑神デーヴォロ・ワイバーン、芽蒔神スパルトイ地母神マーター書庫ビブリオシカ(これらは同時発動不可)

 普段の服装:麻のシャツと綿のスラックスに、紋章の入っていないローブ


 ティナの回帰神ノルティア魔術によって十年前の過去へと飛ばされたクィス・エルダートの、その人生を終える最後の姿。ラジィを十八歳の未来へと導くために礎と成り果てた、傷だらけで一人苦難の道を歩むラジィの英雄ヒーロー。あと本命以外にはモテる男。

 最終章では五十二人のリクスが託した情報による、【演算 再現スプタティオ レフェロ】張りの最高効率で最善手を打ち続ける快進撃をみせてくれるだろうが――それがリクスを幸せにすることなど一切ないだろう。





 ◆エーメリー・エルダート(13)


 髪色:薄紫色

 瞳色:青

 信仰:地母神マーター武器庫アーマメンタリウム

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵A。

 最年長だけあり路地裏生活者にも詳しく、自分が麻薬中毒にされたことを訓練兵内で唯一把握していたが、何も手を打つことができずにいた。

 リクスに救われてからはそのお人好しをいち早く察知し、この善良だけどちょっと頼りなさそうな青年を自分が支えてやらねば、とファミリーのサブリーダーたるを己に任じている。

 なお前述の理由により訓練兵たちと心の距離が出来ていて若干の孤独感を抱いており、それもリクスに固執する一助を担っている。訓練兵Aの言う事は正しかったのだと他の訓練生も既に分かってはいるのだが――まだ皆子供だからね。




 ◆ビアンカ・エルダート(12)


 髪色:白(やや灰色)

 瞳色:桜色

 信仰:地母神マーター御厨コクイナ

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵B。

 麻薬に関する知識の有無から訓練兵AとBからGには精神的な距離があったため、訓練兵たちの実質的なまとめ役をしていた子。

 事実が判明して以降はリクスの介添えもありエーメリーとの蟠りは解消されたのだが、それとは別問題としてリクスに依存気味のエーメリーとバチバチにやり合っている。

 ビアンカ自身は自分のそれは一〇〇%恋だと自覚している(事実がどうかはさておき……)ので、依存には厳しい目を向けるんですね。こらそこ、面倒な女とか言っちゃいけません。




 ◆シータ・エルダート(11)


 髪色:薄青緑

 瞳色:黄緑

 信仰:地母神マータースタブルム

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵C。

 リクスに素の自分でいいよと言われて素の自分を出した結果、極めて個性的なキャラであることが判明した問題児。

 スタブルム適性が準候補生並に高く、仲良くなれそうな相手には人間、動物、虫を問わずに懐く反面、人間社会の地位や立場というものには無関心。

 常にマイペースで他人に合わせようとしないので、リクスもビアンカもこの子には苦労させられている。反面、戦闘中のチームワークはエルダートファミリーの中でリクスに次ぐ立ち回りを見せる。




 ◆ディアナ・エルダート(11)


 髪色:金

 瞳色:水色

 信仰:地母神マーター納戸ホレオルム

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵D。

 極めて内向的で荒事は苦手(精神的に苦手なだけで弱いわけではない、どころか割と強い方)。ただ孤児になって間もないところを裏路地清掃で保護されており、裏路地生存能力(要するに残酷さと貪欲さ)は皆無に近い素直な子。

 そのためダート修道司祭への敵意は薄めで、リクスが洗脳を解くのにもっとも時間がかかった子でもある。洗脳が解けたあとは素直にリクスを慕い、まめに構わなくても大人しくしていてくれる、リクス(の体力的)にとても優しい子。



 ◆イーリス・エルダート(10)


 髪色:茶色

 瞳色:赤

 信仰:地母神マーター神殿テンプル

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵E。

 裏路地適性は訓練兵の中でもぴか一、ジィとはよくパンを奪ったり奪われたりしていた仲で、一番ジィと親しくしていた。

 口より先に手を出す(これはジィも同様)タイプで、E、F、Gはよく三つ巴の殴り合いをしており、この三人にはダート修道司祭もかなり手を焼かせられていた模様。

 適性は神殿テンプルなのだが、あまり性格と噛み合っておらず神殿作成には興味がないようである。でもリクスに訓練させられるんですがね。



 ◆フェルナン・エルダート(9)


 髪色:赤

 瞳色:黄色

 信仰:地母神マーター宝物庫セサウロス

 普段の服装:紋章の入っていないローブ


 ダート修道教会で鍛えられていた訓練兵F。

 ダート修道教会訓練兵唯一の男子で、元々マフィアの下にいたリクスからすると付き合いやすく、そのせいでエーメリーやビアンカに恨まれている可哀想な子。

 ただフェルナンはフェルナンで空気を読まず思ったことをそのまま垂れ流すなど、この子に全く問題がないわけでもない。ないわけでもないが、ちょっと哀れである。

 年頃の男の子のため、遅咲きの訓練兵Gが頭角を現し始めたあとはよく突っかかっていたが、別に憎んだりとかまではしていなかった模様。好きな子にちょっかい出してた、とかでもなく、単に年下に負けるのが悔しかっただけらしい。




 ◆カイ・エルメレク(19)


 髪色:青

 瞳色:金色

 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の【神殿テンプル】候補生。【神殿テンプル】襲名はほぼ確定された、神意に最も透き通った少女と謳われているが、当人的には最高指導者など絶対やりたくない普通の女性である。

 これがたった数年でラジィのお母さんみたい、とツァディに言われてしまうまでになるのだから――そうとう苦労したんでしょうね。




 ◆ダレット・ヘイバブ(39)


 髪色:紫

 瞳色:焦茶

 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の調剤担当【温室ハーバ】。カイが前触れも無く連れ込んできた訓練兵たちを自分の別荘に受け入れてくれるなど、善良な性格は十年前から何も変わらないすごく良い人。

 悩めるリクスの相談にも色々と乗ってくれて、リクスとしては【至高の十人デカサンクティ】の中では一番ダレットに信頼を寄せている。

 リクス以外にも候補生や一般信者からも大いに慕われる、性格と知識欲と才能のバランスがよい皆のお手本である。




 ◆ラム・メドム(19)


 髪色:蒲公英色

 瞳色:橙

 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の【納戸ホレオルム】候補生。カイの同期で、この人も【納戸ホレオルム】襲名はほぼ確実視されている天才。

 感情的な反応が目立つため誤解されがちだが実は頭脳明晰でカイより頭の回転が早く、カイが【神殿テンプル】襲名に後ろ向きなのも、ラムが最高指導者やれば最適なのにと考えているためでもある。

 当然裁縫狂いのラムからすればそんなの知ったこっちゃないわけで。カイとは天才凸凹コンビと周囲からは見做されている。




 ◆テッド・ヨドカフ(32)


 髪色:きつね色

 瞳色:緑

 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の農地改良支援【菜園サジェス】。

 何事にも皮肉を言わねば気が済まない性格で、そのせいで目下の者たちからの受けがやや悪いのだが、根は善人のため割とそれで落ち込むことも多々ある、一種のコミュ障。

 ただそういう奴だと分かってしまえば、根っこの直実さが全ての言動に表れているだけと分かるので、大人と、あと皮肉の通じないイーリス、フェルナン、ラジィなどからは割と慕われている。




 ◆ザイン・ヘレット(23)


 髪色:亜麻色

 瞳色:黒

 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の家畜調教担当【スタブルム】。

 基本的に全ての生物を愛している博愛主義者なのだが、そのせいで善悪という概念を自ら造りながらも悪を為す人類に辟易しており、自分の神殿に閉じ籠もるか、新たな知己を求めて【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】を留守にしがち。

 人嫌いのため一般信者からの評判は悪いが、世界各地の知り合い(だいたいが人外)から様々な話を聞ける高い諜報能力と、一声かければ聖獣やら何やらが我も我もと力を貸してくれる高い戦力を兼ね備えた、恐るべき【至高の十人デカサンクティ】でもある。

 ただダメ人間なのは否定しようがない事実で、自他共にそれを認めている。





 初登場からかなり時間が空いてしまいましたが、せっかくなので三章の主役だった死屍たちもちょこっと紹介しておきますね。

 なお死屍たちの年齢は享年となっており、死んでからの活動年数はカウントされておりません。予めご了承下さい。




 ◆天屍スイ(10)


 髪色:白

 瞳色:緑

 信仰:土神ヨルズ



 アズライルが回収した死せる天使の一人。■ 232 ■で殺された天使の一人目。小さな都市の親無し孤児たちが集まって、空き家で共同生活をしていた中の一人。

 貧しい生活を哀れみ、人々に布教を行なっていた流れの土神ヨルズ司祭が洗礼してくれたため、天使としては珍しくちゃんとした魔術を使え、それを利用して小さな畑を作って生活していた。

 天使を駆り出すついで兼、拓かれた田畑を押収してしまおうという大人の一石二鳥で殺害されたというあんまりな死に方なのだが、学がないので怨み辛みみたいな物はあまり抱えていない。




 ◆天屍シャティ(12)


 髪色:白

 瞳色:橙

 信仰:無し



 アズライルが回収した死せる天使の一人。■ 232 ■で殺された天使の二人目。風が吹くだけで痛みが走るという贅沢病に冒された貴族によって、四肢をズタズタに切り裂かれた上で幽閉された挙げ句に殺害された不幸な子。

 ただ貴族に捕まる前に他の孤児たちから庇って貰えたこともあり、天屍の中では仲間思いな性格の持ち主。アズライルに四肢を直して貰った後は、来たるべき日のため、地下大空洞神殿から主要都市までの移動にどれくらいかかるかを足で回って確認する役目を担っていた。

 その過程を天屍世界一周記全七巻として纏めて執筆しており、その内容は多種多様な書物を嗜んでいるラジィをも虜にするなど、結構な文才も備えていた模様。




 ◆天屍トゥマ(13)


 髪色:無し

 瞳色:無し

 信仰:無し


 アズライルが回収した死せる天使の一人。■ 232 ■で殺された天使の三人目。ごく普通のストリートチルドレンで自分の生存が第一であり、スイやシャティのように周囲と良好な関係は構築できていなかった。

 天使狩りに襲われ殺害された挙げ句、巻き添えを食らった孤児たちの怨嗟の声を炎の中で聞きながら死んでいってため、アズライルの「次なる天使が生まれないようにする」思考に強く同調している。

 肌は焼け爛れ目も溶け落ちているため、全身を包帯で隠したミイラのような姿になってしまっているが、アズライルが彼女の痛覚は再生しなかったため、天屍になって以後は安らかな生活を送ることが出来ている。

 これを安らか、と言える点に天使の生き辛さが集約していると言えよう。




 ◆天屍ラドゥエリ(11)


 髪色:白

 瞳色:金

 信仰:地母神マーター



 アズライルが回収した死せる天使の一人。生前は地母神教マーター・マグナに拾われ【書庫ビブリオシカ】候補生にまで上り詰めることができた才媛。

 ただ運悪く実戦訓練中に腹部を負傷したことで天使であることが露呈してしまい、まだ天使についての理解が浅かった時代だったため殺処分されてしまった不運な子。

 ラジィと同程度の超々超大容量を誇る拡大【リベル】である【書架アーキウム】を構築でき、また【写本トランスクリーヴォ】に長けていて、天屍全ての記憶を抽出し【書架アーキウム】に保存しているなど、ラジィに負けず劣らずの優れた地母神マーター魔術師としての素養を備えている。

 天屍の中でもっとも強いためにアズライルの右腕として世界各地で暗躍しているミカに替わり天屍を纏める、アズライルの左腕にして実質的な天屍のリーダー。言うなればミカが武官でラドゥエリが文官ですね。




 ◆死屍イサク・イルベルド(18)


 髪色:燃えるような赤

 信仰:獣魔神フェラウンブラ・タンク


 ラジィの生きる時代まで続く名門イルベルド侯爵家の、ミカの生前時代の長子。やや前時代的で貴族本来の在り方こそが正しい貴族としての在り方だと考える、思考があまり柔軟ではないものの誇り高く真面目な侯爵令息。

 基本的に獣魔神フェラウンブラは己の信者の考え方や生き方から再計算した獣魔を与えることが多く、メルカバと名付けられたイサクの獣魔を見れば、イサクの性格がほぼ分かるというものだろう。

 ミカの時代には狩猟騎士団最強とも言われ、その戦いぶりから轢殺戦車ジャガーノートという二つ名を名付けられていた凄まじい暴威。

 クィス、アウリス、シンルー、イオリベの四者を平然と同時に相手取り、これを終始圧倒するという実力は折り紙付き。

 ただ、究極的にはその戦術は重さと速さと堅さによる直線的な力押しなので、高精度の予測を操るラジィはある意味天敵であり、しかも俯瞰で観察されていたこともあってあえなく完封されてしまった。もうちょっと活躍させたかったナ。




 ◆死屍シェディ・カラサリス(18)


 髪色:藍に近い青

 信仰:獣魔神フェラウンブラ・トレント


 ラジィの生きる時代まで続く名門カラサリス侯爵家の、ミカの生前時代の長女。状況判断能力に優れ、己を取り巻く環境における最適な生き方を纏うことができる才女だが、根っこはガチガチに己の生き様を貫く鉄の女である。

 地面に根を張り、どれだけ攻撃を受けて大地から魔力を吸い上げ再生、反撃する様からして、ある意味この子もトレントを授かるべくして授かったとしか言い様がない。

 己の目的を達成するためなら容赦なく他者に暴力を振るい、貴族の権力も平然と行使するなど苛烈なことも平然と行なう。

 ただ根底に不正と腐敗を嫌う誇り高さを備えていたため、その内心を知ったミカが心を寄せるなど、貴族としてはかなり善良であったようだ。

 そんな彼女の気合いと不屈も、徹底的に全てを呑み込んで焼き払う溶岩流には勝てず、敢え無くイオリベの後先考えない全力魔術に敗北することとなった。

 もうちょっと活躍させたかったナ。イサクとシェディを、と言うよりメルカバとザックームを。あとこの二人の父親の獣魔であるプテリゴトスとボリュボテスにも。

 でもそれをやると『天使ミカ・エルフィーネの死』がドンドン伸びちゃうからね……ぶっちゃけミカの過去編は15話ぐらいで終わらせるはずだったからね……






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