■ 216 ■ 登場人物紹介(213話終了時点)








 登場人物はどんどん増えていくので、エルダートファミリー+新規登場キャラのみでお送りします。





◆ラジィ・エルダート(16)


 髪色:白

 瞳色:蒼

 信仰:地母神マーター運命神フォルトゥナ

 普段の服装:ワンピースの上に白い神官服ローブ


 本作の主人公。【至高の十人デカサンクティ】の知識伝道担当【書庫ビブリオシカ】。情報分析と演算により敵の行動を予測、完封することを得意とする、噛ませ犬の代名詞であるデータ型魔術師。

 人類救済の為に次なる神の卵として【創造神デウス】が生み出した当代の天使でもあり、現在はそれが原因でミカに誘拐されて行方不明に。ちょっと主人公さん、貴方ちょっと攫われすぎじゃない? 進撃の○人じゃないんだからさ。



◆ティナ・エルダート(19)


 髪色:茶色

 瞳色:藤色

 信仰:心呑神デーヴォロ・ディブラーモール

 普段の服装:ブラウスとロングスカート


 エルダートファミリーの長女にして家長。元ノクティルカ一族であり、神子たるエテルナリアの姉。今はリュカバースにて子供たち相手の学校を開き、教師をして生計を立てている。

 ラジィのバフもあり教師としてはほぼ一人前になれたのだが、今のところ教師が一人しかいないので常にてんてこ舞いになっている。その為まだ無職かつ育ちの良さそうなソフィアを教師の道に引き込めないかこっそり企んでいるらしい。



◆クィス・エルダート(18)


 髪色:赤色

 瞳色:緑色

 信仰:心呑神デーヴォロ・ワイバーン

 普段の服装:黒いスラックスに黒シャツ、黒のベスト


 ティナの義弟にしてラジィの義兄。元リュキア第三王子。絵画教師は引退し、今はウルガータファミリーお抱え魔術師として生計を立てている。最初に厄介な相手に惚れてしまった為に苦難の道を歩くことになった、報われないヒーロー。

 断言しますがこの男は死ぬまで苦労し続けますよ、そういう人生を自ら選んでしまったので。女難の相もあるし心呑神デーヴォロのリミットもあるし、あとこいつが何でリュキア国王に望まれたのかもまだ分かってませんしね。



◆フィン(58)


 髪色:茶

 瞳色:黒

 信仰:太陽神アムン・ルー


 ラジィの騎獣であるスフィンクス山羊頭獅子体。知識の下僕故に太陽神教アムン・マグナに入り、次なる知識を求めて【書庫ビブリオシカ】の騎獣となった濫読家。

 ラジィとは親友の間柄で、放っておくと二人して資料室に籠もりきりになるという、お目付け役としては全く役に立たない駄目聖獣。根っこの性格は極めてドライで、その塩対応はティナやクィスが怯えるほどにそっけない。



◆ラオ(??)


 髪色:ない

 瞳色:ない

 信仰:お酒


 ラジィに討伐された古死長竜アンデッドエルダードラゴン。今はラジィの人工聖霊兼アミュレット兼ゴーレムみたいな立ち位置にあるラジィのつがい。ラオはマスコットキャラなのでこいつを戦闘に盛り込む気が作者には全くありません。

 いやだってラオが本気出すと内容がゾンビパニックになっちゃいますから……お爺ちゃんには偶にお小言言ってもらいながらお酒飲んでいて貰おうと思います。元々不安定な生まれでしたが、この度サヌアンの手が入ってかなり安定しました。



◆アウリス・ヒッター(19)


 髪色:桃色

 瞳色:水色

 信仰:心呑神デーヴォロ・ブリザードフォックス

 普段の服装:メイド服


 エルダート家の家政婦。ありとあらゆる家事をそつなくこなし、戦闘も強い完璧メイド。ついでにティナより美人でスタイルも良い、と完全に主を食っている。ティナが勝っているのはかろうじて胸回りぐらいかなー。

 もっともアウリス自身は破天荒な人が好きなので、ティナの配下から離れることはまずないでしょう。彼女がいなくなるとエルダート家は物理的な面で崩壊するからね、よかったねティナ。



◆ドン・ウルガータ(39)


 髪色:黒

 瞳色:黄色

 信仰:麻薬絶対許さない

 普段の服装:黒いスラックスに黒のスーツ


 リュカバース裏社会を支配するマフィアの大ボス。ラジィに振り回されていながらも、その生活を楽しめるふてぶてしさも備えている。というか振り回されすぎて慣れただけかも。シェファという相談役もいるし、こいつはツキのある男ですね。

 麻薬は嫌うが殺しは認める、とお世辞にも善人とは言えないが、ラジィの境遇を哀れんでいざというときの逃げ道を用意してやる程度の優しさは持ち合わせている。この小説におけるラジィの実質的な相棒は多分こいつだと作者は思ってます。



◆ウリエンス・ザムラディエル


 信仰:地母神マーター

 普段の服装:白い神官服ローブ


 地母神教マーター・マグナ政治部【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】勤務の広報局員。司教。要するに同陣営の中のラジィの敵1ですね。

 ただ広報なんていう、僅かな良い事実を膨らませ不都合は隠蔽する仕事やってると性格も曲がってくるだろうし、苦労してない人ではないんですよ。彼がクズかどうかは別として。



◆シャリク・サンティファクサス


 信仰:地母神マーター

 普段の服装:白い神官服ローブ


 地母神教マーター・マグナ政治部【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】勤務の外務局員。司教。要するに同陣営の中のラジィの敵2ですね。

 ただ外務なんていう、屁理屈を平然と並べる上に先に怒ったら負けな仕事やってると性格も曲がってくるだろうし、苦労してない人ではないんですよ。彼がクズかどうかは別として。



◆ヤマツ・ヘメセリス


 信仰:地母神マーター

 普段の服装:白い神官服ローブ


 地母神教マーター・マグナ政治部【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】勤務の内赦局員。主任司祭。要するに同陣営の中のラジィの敵3ですね。

 ただ内赦なんていう、憲兵みたいに内部の罪を洗い他人をしょっ引く仕事やってると性格も曲がってくるだろうし、苦労してない人ではないんですよ。彼がクズかどうかは別として。



◆アンブロジオ・テンフィオス


 信仰:地母神マーター

 普段の服装:白い神官服ローブ


 地母神教マーター・マグナ政治部【至高の聖域サクロ・サンクトゥス】勤務の総務局次長。大司教。要するに同陣営の中のラジィの敵4ですね。

 ただ総務なんていう、善人集団【至高の十人デカサンクティ】が決めた利益度外視な方向性を何とか現実に落とし込む作業やってるとイライラもたまるだろうし、苦労してない人ではないんですよ。



◆ミカ・エルフィーネ(??)


 髪色:白

 瞳色:真紅

 信仰:???

 普段の服装:白いドレス風のワンピーススカート


 陰で暗躍する謎の人物。当人曰く長い事寝てて久しぶりに活動しているらしいが、その剣の冴えはクリエルフィを一蹴し、正面対決ならダリルより強い第二分隊セカンドスクワッド長を含め皆一太刀で葬り去る程の強さをみせる。

 現在はラジィを真に人を救う神にすべく、ラジィを何処かへと攫って行った、第三部のキーパーソン。色々な意味で彼女は本作のラスボスに近い活躍をしてくれるでしょう。



◆アルテナリア・ハイモス・ノクティルカ(37)


 髪色:白色(白髪)

 瞳色:藤色

 信仰:心呑神デーヴォロ


 先代の神子にしてノクティルカの礎。己が受け継いだ礎をエテルナリアが継承した為、寿命を前に神子としての役目を譲り渡して逝去。その一生は全てノクティルカの為に消費された。

 夫すら自分の意志で選べず、そんな役目を娘に継がせることに負い目があるも、それを投げ捨てることもできないままノクティルカの為に生きて死ぬ。この人生を礎と言わずしてどう呼べばいいのか。



◆エテルナリア・ユグルカ・ノクティルカ(17)


 髪色:蜂蜜色

 瞳色:若草色

 信仰:心呑神デーヴォロ

 普段の服装:マタニティワンピース


 アルテナリアの次女でありフォンティナリアの妹、当代の神子にしてノクティルカの新たなる礎。生き方はもう選べないが死に方ならば選ぶことができる、と改編部隊長ランベールに暗躍を命じた第三部のキーパーソン。

 ティナとは異なり次のノクティルカを率いる指導者としての教育をガチガチに受けていて、彼女自身は特に善とか悪とかを意識していない――というか国を維持する為ならば小の虫を殺すのはどこの支配者もやっているものですし。



◆ゼル・エルヴァンシュタイン(??)


 髪色:白

 瞳色:紫

 信仰:己(守護神ゲニウス

 普段の服装:村娘服に腰巻きエプロン、背中に猟銃と幅広の剣


 子供の死にたくないという嘆きに応じて現れるアンパンマンみたいな神様。残り七つしかないものの、撃ち込まれたが最期、神に成れる者(天使と一部の古長エルダー)以外絶対に死ぬ天使弾という最凶兵器の持ち主。

 一般的な即死技(笑)と違ってこの天使弾、本当に確殺なのだけど、なんとなくミカとかエテルナリアとかには無効化されそうな気がしなくない? はてさてゼルはキーパーソンになり得るのだろうか。



◆オーエン・ソギタニ


 髪色:黒

 瞳色:栗色

 信仰:ジガン流(の次に土神ヨルズ

 普段の服装:着流しに聖霊銀製の野太刀


 漢字で書くと曽木谷 桜燕。剣の道に全てをかけている修道者であり、魔術は食いっぱぐれないように、という基準で土神ヨルズを選んだ根っからの剣士。なので司祭にまでなっておらず洗礼はできない模様。

 竹を割ったような男で、クィス、ガレス、ナガル、リッカルド、マルクの誰とも仲は良好である。というか本作の男子勢ってみんな仲良しでとてもいいことですよ。ただ魔術が剣技のおまけ、って考えのこいつはこの世界ではかなりの変人です。



◆シメイ・イオリベ


 髪色:赤紫

 瞳色:紫色

 信仰:蛇神ハイドラ

 普段の服装:暗器を仕込んだ庶民服


 漢字で書くと庵部 紫明。蛇神ハイドラ教新人司祭、及び九頭龍騎士団所属の神殿騎士にして乱破。得意技は身体強化からの忍法手裏剣の術。魔術が大火力特化故に迂闊に放てず、代わりに磨いた手裏剣のワザマエ、地味に役に立ってます。

 蛇神ハイドラ教は人手不足のため、信者は子を無理矢理蛇神ハイドラ教に入信させ忍として育て世界各国に輸出している。イオリベもそんな出稼ぎ魔術師の一人だが、案外イオリベはこれで己の人生を楽しんでいるらしい。



◆セザール・アダン

 オスカー・ジャルベール

 マカール・ソゾーノヴィチ

 クジマ・モノイ


 中規模マフィアファミリーの頭領カポ。マカールは実に良い子なリュカバース発展プランが気に食わずアンティゴナと手を組んでの反乱を試みたが、ラジィの【全体観測オムニス メトリア】を欺ける筈もなく敗北、魚の餌になった。

 残りはオスカーを中心として割と新しい体制に適合、金稼ぎに尽力している模様。商人を雇用してあれこれ商売に精を出すのに少しずつ慣れ始めたようで、真っ当な商売やるのはいいことですね。



◆リリー・マクレーン(22)


 髪色:ブロンド

 瞳色:栗色

 信仰:冒険神アーレア

 普段の服装:パンツとベスト


 冒険者ギルドリュカバース支部受付担当。冒険者ランクはCヌル。冒険者規範を読み込んだラジィによって新ギルマスに仕立て上げられた(というか彼女の上司たちはサボタージュしてたので他に適合する人がいなかった)。

 現在はマフィアのハスラーを派遣してもらい支部長としてリュカバース支部を回している。冒険者ギルドリュカバース支部は実質的なマフィアの下部組織になってしまったが、これは即座に増員をしなかった冒険神教の落ち度だからね、仕方ないね。



◆ユクタ(20)


 信仰:火神プロメテス


 クラン【尽務オペラ】所属のベクター・グリーズ率いるパーティ【尽務オペラ・炎】のメンバー。冒険者ランクCヌル

 才能はあるけどまだまだ尻に卵の殻がついた新米魔術師である。火神プロメテス信者なのに冒険者をやっているのは、何やら人探しをしているかららしい。



◆アシャー(16)


 信仰:冒険神アーレア


 クラン【尽務オペラ】所属のベクター・グリーズ率いるパーティ【尽務オペラ・炎】のメンバー。冒険者ランクC。

 スカウトとしての筋は良いのだがまだまだ戦闘能力は低め、これからの成長を期待してユクタと共にベクターが育てている新米クランメンバー。



◆ガイアン(25)


 信仰:冒険神アーレア


 クラン【尽務オペラ】所属のベクター・グリーズ率いるパーティ【尽務オペラ・炎】のメンバー。冒険者ランクB。

 そこそこのベテランでベクターも頼りにしている盾タンク。しかしAランク魔獣と正面からやり合うにはまだまだ鍛え方が足りない模様。



◆ジノ・バレンシア(36)


 信仰:冒険神アーレア


 クラン【尽務オペラ】所属のクランハウス管理人。冒険者ランクはB。常にリーダー不在で、ベクターとカルシダがバチバチやっている【尽務オペラ】を上手く回している縁の下の力持ち。

 そのことをベクターもカルシダもちゃんと分かっているので、ジノが駄目といったことにはきちんと従う。そういう意味でベクター、カルシダ、ジノのトライアングルはわりといい関係であると言える。



◆カルシダ・クライン(28)


 信仰:冒険神アーレア


 クラン【尽務オペラ】所属の自称ナンバー2。【尽務オペラ・蜂】を率いる細剣使い。冒険者ランクはA。

 スピードタイプの戦士でパワータイプのベクターとは方向性が異なっていることもあり、どちらが格上とも言い難い。腕が良いのは事実で、ただ気まぐれなところもあり、それが冒険者ランクでベクターに劣っている理由。



◆クリストフ・マクガイン(72)


 ブルーノの忠実な配下にしてソフィアの付き人。そろそろ年なので、ソフィアの後見人を探すようブルーノに申し出てラジィを紹介された。ラジィのことは後見人というよりソフィアの同年代の友人として歓迎している。

 元々はソフィアの護衛でもあるのだが、最近はリッカルドin地母神機兵マーター・マキナがソフィアの護衛として付いているので、家庭内の仕事に専念していてちょっと出番が減っている。老執事、作者も好きなんですけどね。



◆ソフィア・レンティーニ(14)


 髪色:青

 瞳色:緑

 信仰:地母神マーター

 普段の服装:スカートとブラウスの上にローブ


 秘匿されて育てられたブルーノの娘。リッカルドの為に地母神教マーター・マグナに入信、リュカバース支部教会唯一の信者として教会の手入れを任されている。納戸ホレオルム適性は【至高の十人デカサンクティ】候補生にも並ぶ。

 クリエルフィとは資質において拮抗しており、お互いあとから来た奴(クリエルフィはあとからリュカバースに来た人で、ソフィアはあとから修行を始めた人)に負けたくないとちょっとライバル視している部分があるようだ。



◆リッカルド・レンティーニ(14)


 信仰:闘神アルス

 普段の服装:地母神機兵マーター・マキナ


 ブルーノの息子、の霊精アストラル体。肉体は死産している。ソフィアに肉体を間借りしており、使用できる脳の領域が狭かった為にソフィアより幼稚だったが、【リベル】で記憶を補われてからは劇的な成長を遂げている。

 とはいえ深追いして失敗したりと、戦術に対する理解は未だ浅い模様。第一分隊ファーストスクワッド戦で唯一デバフを弾くキャラだったので、もう少し活躍する予定だったのですが……ごめんよリッカルド。君は強すぎたんだ。



◆アレフベート・ギーメル(34)


 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の武器製造担当【武器庫アーマメンタリウム】。ただ武器を作るだけではなく、地母神機兵マーター・マキナのような複雑な道具も作れるのですよ。ドワーフとはそこが違うのです。

 基本的に善人で照れ屋であり、あと案外子供に対する面倒見が良いのがバレバレな凄くいい人。ラジィの前の前、二十代前半で巡礼の旅に出たことが色々と彼に影響を与えたみたいです。孤児の扱いとかね。



◆サヌアン・メフィン(70)


 信仰:地母神マーター


 【至高の十人デカサンクティ】の護符作成担当【宝物庫セサウロス】。分かりやすいマッドサイエンティストではあるが、当然最上位地母神教マーター・マグナ徒、善人なのでやるな、といわれたことはやらない良識がある。

 とはいえ根っこが【至高の十人デカサンクティ】の中でもピカイチの学者肌で、政治に関わるのを嫌うのはあまり褒められたモノではないですね。政治、疎かにすると全て自分たちに返ってきますから。



◆オーピス(44)


 信仰:海神オセアノス


 海神オセアノス教の聖獣、白イルカのネレイス。ラジィとシンルーが作った海藻畑がお気に入りで、密度の高い海藻の中を泳ぎ抜けるのがなんだか気持ちいいらしい。イルカらしい高い聴力を持っている。

 そのせいで奴隷船の中の呻きまで聞こえてしまい、少しばかり滅入っていたようだ。もっとも奴隷船を排除したらクラーケンが居着いてしまった件についてはラジィが問うに『……ノーコメントで』だそうだ。うん、やっちゃったね。



◆ティモシー・マクレア(52)


 レウカディア所属の奴隷船クロティーダ号の船長。インガオホーとしかいいようがないですね。なおハリー・ミッチェルの持論である「笑って死ねたらそれはいい人生」を全うしたように見えるが、それは表面的な話。

 笑うか嘆くか迷ってしまい、心の底から自然と笑えなかった時点で彼のそれは単なるまがい物、虚勢でしかないって事です。一緒にしたらミッチェル(先代)が怒りますよ。ここは区別しておきましょう。



◆ウィリアム・ウェイン(34)


 ウルガータが雇用した元商船員。花火を上げているところをいきなり海から上がってきたダリルに切りつけられて大怪我を負うも、彼自身は海に逃れて生き延びた模様。

 とはいえ手塩にかけて育てたマリンソルジャーの四割近くを仕留められ、正直傷が癒えた現在では頭を抱えてしまっている。優れた海兵っていうのはそうそう代えが効かないからなぁ。



◆ソン・クンミン(28)


 チャン・ロンジェンが雇用した元江賊。同じくこちらも生き延びたものの、ウィリアムと一緒になって困り果ててしまっている。

 暫くは警邏隊に魔術師を乗せて戦力の低下をカバーしたいところだけど、ガレス、ラジィ、クリエルフィが脱落し、ラジィ奪還のための戦力も整えなきゃいけないリュカバースにそれだけの余裕があるかどうか。前途多難ですね。



◆ティーノ・コステロ

カルロ・トロッティ

フー・チーリン

グイード・ドッシ

ユージン・バーグマン


 それぞれウルガータ、レンティーニ、ロンジェン、リッツォーリ、ミッチェルファミリーから独立した小規模ファミリーの頭領カポ

 流石に古巣に頼るわけにはいかないものの、ある意味暖簾分けに近い形なので、上から不当な圧力暴力が振ってこないこともあって結構のびのびとやりたいことをやっているようだ。



◆アンティゴナ・カルセオリー(36)


 髪色:鈍色

 瞳色:小豆色

 信仰:芽蒔神スパルトイ


 いやはやすまないアンティゴナさん。第一部でも登場しているくせに百一話で紹介するのすっかり忘れてましたよ。カルセオリー伯領を支配する、コルレアーニ、ウルガータ、マカール、クリエルフィと次々手を組んでは次々掌を翻すクソ野郎。

 しかし致命的なまでの失敗はしない、その処世術に長けた知見は馬鹿にできたもんじゃありませんよ。ただ自信過剰なので為政者としての実力は低く、ラジィに腹パン喰らってる今の状態が実は彼にとって一番失敗しない平和な状況だったり。



◆ムーサ・カルセオリー(32)


 髪色:亜麻色

 瞳色:土留色

 信仰:芽蒔神スパルトイ


 アンティゴナの熱烈なプロポーズを受けて妻となったリュキア貴族。なんか突然変異的なレベルでリュキア貴族としては善人で、ただ善人すぎて政治的には全く役に立たない。それを差し引いてもアンティゴナはいい人に惚れたと思うよ。

 愛妻家の夫に大事にされ、まさかその夫がマフィアと組んで麻薬売買に手を染めていたとはこれっぽっちも考えていないと、ここまで来るとちょっとお人好しにも程がある気がしますが……たまには美しいご婦人とか書きたくなるじゃないですか。



◆ファウスタ・ユーニウス(25)


 髪色:黄土色

 瞳色:琥珀色

 信仰:芽蒔神スパルトイ


 リュカバース第一の港があるユーニウス侯爵領を支配する侯爵。席次は序列百十二位と下位七百の中では最上位に近く、何より芽蒔神スパルトイの序列がものを言う社交界では向かう敵無しだったのだが……

 表舞台に出てきた竜牙騎士団に序列を盾に圧力を加えられたときに出てきた地金は余裕のある男のそれではなく、アンティゴナに近い典型的なリュキア貴族のそれでした、というのは現実的だけど嫌な話ですよ。



◆オクレーシア・レーミー(28)


 髪色:ブロンド

 瞳色:虹色

 信仰:瞳神オクルス

 普段の服装:イブニングドレス


 レウカディアにて最強を誇る魔術師であり、リュカバースにおけるラジィとウルガータの立場を兼ねるレウカディア裏社会の王。【魅了テンプト】と【溶解リクオー】という魔眼持ちで、目を合わせれば誰でも完封できるチート魔術師。

 もっともその魔眼は既に制御不能なまでになってしまっているため、人前に出るときは眼帯で両目を閉ざすという不自由な生活を送っている。館内に使用人とかが全然いないのは、自分だけしかいなければ目を閉ざす必要が無いからです。

 大人になる前に散々自分の魔眼でやりたい放題やった結果、人を【魅了テンプト】することを恥じていて、敵以外には魔眼を使わないよう重く自分を律している割と善い人。そのせいでファウスタにも逆らえないのは自縄自縛だなぁ。



◆クリエルフィ・テンフィオス(16)


 髪色:金色

 瞳色:青色

 信仰:地母神マーター

 普段の服装:町娘服にちょっとだけお洒落なエプロン


 地母神教マーター・マグナ政治部総務局次長アンブロジオの一人娘。正攻法として育てられただけあって、他人を思いやれる優しい少女――なのだが徹底的に貴族として教育されていたので、その優しさが最初は庶民には一切向かなかった。

 リュカバースでラジィに(精神的に)敗北して以降は自らの歪みを認め真に優しい人に成れたのだが……最期にヒューゴやトマス、ルチアやその子たちの未来をマルクに託すなど、【至高の十人デカサンクティ】候補生に相応しい素質の持ち主。



◆マルク・ノファト(18)


 髪色:緑色

 瞳色:橙色

 信仰:地母神マーター

 普段の服装:白い神官服ローブ


 ラジィからはクリエルフィの脳筋腰巾着だと思われていたが、実際にはクリエルフィより頭の回転が速く現実的な物の見方ができる英才。まだ多少教科書通りとはいえ、ナガル相手に押し負けず戦線を維持できるなどかなり高水準で纏まっている。

 クリエルフィから後を託されてもラジィを恨まずその意思を次ぐなど、彼もまた【至高の十人デカサンクティ】候補生に相応しい素質の持ち主である。ただツァディを越えるのは――うん、どれだけ優れた資質があっても無理だと思うよ。



◆アッティス・ファリスキー(66)


 信仰:芽蒔神スパルトイ


 クリエルフィに、このリュキアでは外国貴族の流儀を貫いても何の意味もないよ、と唯一事実を教えてあげた騎士爵。現リュカバース駐屯リュキア騎士団長の実の親で、息子たちの振る舞いに多少呆れているも、言うだけ無駄なので放置している。

 なお、彼自身とて騎士団を引退し老後の娯楽として妻と外国を旅して回って初めて、リュキアの異常な選民主義と歪みを理解した体たらくである。つまり若い頃は息子たちと変わらない傍若無人だったので、今更批判もできないという自嘲もある。



◆ダリル・アッカーソン(21)


 髪色:紫色

 瞳色:灰色

 信仰:心呑神デーヴォロ薄刃影狼ウェプアウト


 第一分隊ファーストスクワッドの1-1。ダリアという妹がグラナの家族になって死んだため、仇を討つためにどこぞより得た薄刃影狼ウェプアウトの心臓を喰らって戦技を磨いていた、仲間思いだが自身は既に捨て身の死兵。

 復讐のために力を得たものの、それはやはり邪道でしかなく、「もうグラナは死んでるし後は好きにしてもいいよね?」とばかりにどこかの誰かにいいように使われてしまった。彼の人生とは一体何だったのだろうか。



◆シェリフ・イドリース(21)


 髪色:橙

 瞳色:青

 信仰:太陽神アムン


 第一分隊ファーストスクワッドの1-2。チームのムードメーカーであり捨て鉢なダリルと他のメンバーの間を取り持て、更にはダリルに現実的な忠告もできる、副官兼参謀として希有な資質を備えたサブリーダー。

 難点は素だとちょっと下品な点があり、いい歳して平然とサリタのスカートを捲り上げるなど、乙女心の理解以前にちゃんとした常識があるのかと怪しまれてしまうその迂闊さにある。仕事はできるが私生活だと途端にだらしなくなるタイプ。



◆サリタ・ロサリオ(17)


 髪色:濃紺

 瞳色:黒

 信仰:饑餓神イネディア


 第一分隊ファーストスクワッドの1-3。えー、正直に言うと彼女が第二部のヒロインになるはずでした。その過去はぼかして書きましたがかなりひどい家庭内暴力R18なので、こう、幸せにしてあげたかったのですが。

 気付いたらコルナールという「かーっ! 見んねヤナ! 卑しか女ばい!」が存在を主張し始めていて……大丈夫、サリタにはもっといい男が現れるさ――ということもなくこの結末よ。うん、作者も少し泣く。



◆コルナール(16)


 髪色:青緑

 瞳色:紫

 信仰:陣神カストラ


 第一分隊ファーストスクワッドの1-4。えー、書き始めたときはサリタのおまけでした。それがあれよあれよと頭角を現し「卑しか女杯」を制覇してクィスと並ぶというね……小説書きってだから楽しくて止められないゲフンゲフン。

 強烈にキャラを訴えてくるコルナールとクィスの結末をどうするかは214話で触れたように散々悩みましたが、このように落ち着きました。彼女の結末は永久にクィスに纏わり付く呪いになってますよ、ちゃんと。



◆ジェローム(15)


 髪色:青色

 瞳色:黄色

 信仰:傀儡神レゴプーパ


 第一分隊ファーストスクワッドの1-5。一見して女に見間違えられる中性的な顔立ちと、あと傀儡神レゴプーパ教徒として純粋に繰り人形に対する興味を持つ真面目な学徒。あとシェリフのブレーキ役(止められないんですが)。

 地母神機兵マーター・マキナの出来映えには心底惚れ込んでいて、傷一つ残さないよう丁寧に扱っていた。多分、生きてサヌアンやアレフベートと会話できてれば二人のどちらかの弟子になっていただろうが――そういう未来はなかったんだよ。



◆ヤナ(12)


 髪色:赤色

 瞳色:茶色

 信仰:心呑神デーヴォロ・ディブラーモール


 第一分隊ファーストスクワッドの1-6。心呑神デーヴォロ魔術師としての素養があることを知らず、飢えから逃れるために運良く(運悪く)狩れたディブラーモールを焼いてさ、食ってさ、したのが運の尽き。怪奇モグラ女には貧民街も厳しかったらしい。

 そのまま孤児たちと殺し合いに突入し、死にかけていたところをダリルに拾われた。まだ分隊入りして時も学も浅いため、とにかく浅慮。善悪がどうこう言う前にただの子供である。実働部隊員の中で唯一生き延びたがさて、ここからどうなるやら。



◆シミオン・ロウズ(22)


 髪色:桃色

 瞳色:青

 信仰:獣魔神フェラウンブラ・魔ダニ


 第一分隊ファーストスクワッドの1-7。性癖に関してはもう手遅れで救いようがないのだが、魔術師は庶民のために力を振るうべき、という点を未だ抑えている時点でリュキア騎士よりはよっぽどマシだったりする。

 獣魔もあくまで魔獣を殺す目的で授かってるしね。ただコルンという女の子は他人のために力を振るう気など更々なく、その全てをガレスに捧げているだけ、という事実を読み誤っていたのがシミオン最大の失敗だった。

 彼視点では、強い献身の心を持つコルンをシスコンガレスが攫ってマフィア(自分)の為だけに利用している。だからガレスからコルンを解放して神殿に戻してあげなきゃ、という風にしか見えてなかったわけです。うーん……



◆アナベル・カンデラリア(18)


 髪色:赤色

 瞳色:緑色

 信仰:歌神カンタス

 普段の服装:舞台用ドレス


 第一分隊ファーストスクワッドの1-8。魔術師としての素養があった孤児で、その為オクレーシアの命令で歌神カンタス教入り。その後レウカディアに戻ってきて表の顔としてカンデラリア歌唱団を義父と発足。各地を巡業していた。

 ただ、表の顔で歌神カンタス魔術を用い人に希望と喜びを与えて回る仕事が楽しくて仕方なくなってしまい、もう分隊がどうとかには完全に興味がなくなってしまっている。根っからの陽キャだったみたいですね。



◆ラーマコス・カルセオリー(16)


 髪色:亜麻色

 瞳色:土留色

 信仰:芽蒔神スパルトイ

 普段の服装:竜牙騎士団の正装


 クィスが第三王子だった頃、席次六十六のスティクスと年が近いこともあってそこそこ仲良くしていたアンティゴナの息子。竜牙騎士団から出たことがない筋金入りの叩き上げ騎士なので女性の扱いを知らず、ただのいい人で終わってしまうのは哀れ。

 竜牙騎士団はミカすら認める通り、本当に精鋭揃いでリュキア王国のためだけに動くので、これまでのリュキア騎士とは比較にならない強さと真面目さを備えているのです。さて、指揮官を任されたステネルス第二王子は彼らと仲良くやれるかな?






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