不思議な出来事

眠りねこ

お迎え?

この話は私が学生時代に経験した話です

当時住宅地ではあったけど、山の上に住んでいて大きな屋敷をどこからか移築して来たと聞いていました。門柱に木戸がついていて道路より下側に敷地があり階段を数段降りてから勝手口と玄関までまた数メートルありました。ほぼ勝手口を使って出入りする日常で、勝手口の扉も玄関と同じ様な立派なもので内側に網戸の引き戸があり納屋を通過して、また網戸の引き戸を開けて土間に入り、大きな石の上で靴を脱いでガラス戸を開けてようやく台所に入る感じでした。

台所から玄関に通じる廊下があり、廊下に沿って部屋が有り一番奥の部屋の窓からは門の木戸が見えました。

ある時門が開くキィという音を聞き、たまたま奥の部屋に居た為窓の方を見たのですが門が開いた形跡も無く誰もいませんでした。その時は聞き違いと思いそれっきりでしたが、数日後またキィと門が開く音がしましたがまた誰もいません。不思議に思いながら家族の誰にも言わずにいました。その後も門が開く音が続きました。

ある日今度は勝手口の外側の網戸が開く音がしたので、誰か来たと思い台所に行きましたが網戸が開いた形跡がありませんし誰もいないんです。あれ?と思いながら居間に戻りました。その数日後また網戸が開く音がします、でも誰も来ません。

それが何日も続き、流石に変だと思い家族に話しましたが鼻で笑われて相手にしてくれません。

その後今度は内側の網戸が開く音が聞こえます。全て昼間です大学生だったので授業時間が遅い日とかがあったので家にいました。

この頃父親が体調を崩して入退院を繰り返してました、ある時父親が「最近夢に死んだ親父と兄貴が出てくるんだ」と言い始め、「縁起でも無い事言わないでよ」と会話をしたのを覚えています。

「夢で何か言われたの」って聞くと「いや黙って二人とも立っているんだよ」と答えが帰り、「え〜?ホント縁起でも無いなーもう」「お袋を迎えに来たのかな?」「どちらにしても縁起でも無い」この頃祖母は呆け始めていました。この会話の数日後今度は台所の重たいガラス戸が開く音が聞こえます。がやはり誰もいません、この音私だけにしか聞こえていなかったようで、祖母も父もその時家にいた妹も聞いていません。「誰か来た」って言っても来てないし戸が開く音もしないよと言われました。

このガラス戸が開く音がした数日後父親は階段から落ち入院した病院で夜中に急変し、帰らぬ人になりました。当時はショックでこの事を忘れていたのですが、数十年経ってオカルト話の一つとしてお迎えの話を聞き、もしかしてあの時のだんだんと家の中に近づいて来る音はそれだったのではないか?

と思い始めました。

死神が徐々に家に入って来るんだと。


最近今住んでいる家でも聞こえる時があるんです

門が開く音、ただこの門は金属製の蛇腹式で、開閉音は、隣の家の門も同じ音なのでどちらが鳴っているのか不明なのです

がやはり音がしても誰も来ません。

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不思議な出来事 眠りねこ @honnomusi-3

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