第9話 娘の記憶
義父とハーピィの女性が再会に花を咲かせる場面を見て、胸の中にドス黒く暗い気持ちが湧く、前世で抱く事が腐る程あった、関係が腐り落ちて、色々とお金を請求して離婚してやった時にも抱いた気持ち、それは負の感情その中でも特に厄介で思考を鈍らせる程の悪徳。
それが私の中の嫉妬と言う感情。
義父がハーピィの女性を家の中に招きお茶の用意をしている、それをハーピィの女性もとても嬉しそうに眺めてから、私をその瞳で捉える。
「貴女を、見ていると、非常に、感情の、抑制がし辛いですね、 貴女も思う、所はあるかと、思いますが、 あの女の成分を、多く含んだ遺伝子が、居るのは本当に反吐が出そうになりますが、招いてくれた事に感謝を。」
ハーピィの女性の瞳は酷く淀み濁っているのを見て私も言い返す。
「私だって! あんな女の股から産まれたく無かったわよ! なんなの! 巫山戯るな!
私、私は! 私はぁ!」
義父の前で感情が昂る、私の見て来たモノが動画の様に選ばれて流れて行く、それがとても嫌悪するモノばかり
「そこまでだよ、 ごめんねティティ、余り彼女の事を悪く言って欲しくはないんだ、そして貴女もだ、余り僕の娘を虐めないで欲しい、どんな行動に出るか分からなくなるから」
義父がニコニコしてハーピィの女性を見て言う。
やっぱり、私はティティとして義父が好きだ。
唐突だけど転生前の話しをしよう。
糞母親の所為で父親と離婚により別れ、私は母親に引き取られた、離婚の理由は母親の不倫である。 オフィスラブからのトイレで励んでいる所を他の社員に見つかったらしい、それが父親の耳にも入り、元々虐げられる様にこき使われてた父親は私を引き取り北海道に帰ろうとしていたが母親がそれを拒否し、私の親権を渡さず、父親と離婚した。
父親からは電話番号と養育費を送られて来たが、母親がそれを自分の娯楽の為に使った、そして私は施設に逃げ込もうとしたけど、母親のツテで私は中学生になると、ニッチな風俗でオジサマ達の奉仕させられた。 中には私を買い取って養ってくれると言った人も居たが、暴力団の抗争に巻き込まれたとして、遺体として発見された。
そこからは、高校生になると、キャバ嬢と風俗をやらされ、お客様のチップをコツコツと貯めて、私は家出をして他の県へと移り住み、バイトをして、アパートを借りた時は、心から泣いたものだ。 訳ありアパートだったけど、私からしたら唯一の安らげる『家』だった。
バイトで貯めたお金を使って大学に入り、学歴を付けて、就職をした。 好きな人が出来て、結婚して、浮気をされて。
また居場所を失った。
逃げる様に、訳ありアパートにまた移り住み、パソコンゲームにハマった。
【冒険者の世界〜自由な世界で増えよ〜】とイカれたタイトル名だったけど、自由度が本当に高く世界は広かった、デフォルトのスキルとかがあったがそこを超えると、自分で家を作り、家庭を作り、町、村、街、国、などと作れるし、異種族の子孫も作れるし、本当に、その世界は私から見て光輝き、悲しくなり泣きながらプレイしてたのを覚えてる。
調教した魔獣や動物と狩りに行ったり、貿易をしたりと、サービスが終了するまで楽しんだ。
魔王による、異種族対人間の戦争ではギリギリで人間達が勝利し、私も村へ侵攻して来た異種族達にチャットで説得し、共存している事を証明したりなど、そして、その間に魔王が狂騎士との一騎打ちで相打ちで戦争が人間の勝ちとして終結したりとか。
そして、私は浮気相手だった女性にアパートを特定されて、アパートの外から監禁されて、外に出れない私に喚き散らしながら、アパートに火を付けて、私を殺した。
煙と焼かれる熱の中でこう思った、せめて、あのゲームの中で死にたかったと。
そして、意識が覚醒したらあの糞女と股男の間に産まれた娘だって言うのだから『女』と言う生物に吐き気を催す。 だが、私の光が、私を照らしてくれた、それが義父、私の唯一のパパだ。
だから、誰にも奪われたく無い、それだけは絶対に阻止しなくては、今度こそ、『私』を保てるか判らないから
これが、大まかな私の過去、この森でも、パパの為なら何でもする、それが私が捧げる事が出来る覚悟で、私の全てだ。
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