第2話 故郷へ帰る運び屋
僕は屈み女の子と目線を近づけ、ゆっくり手を伸ばし柔らかい髪を優しくゆっくり撫でる。
女の子は撫でられると「にへらっ」と笑顔になる。
まだ一歳の女の子の持ち上げベッドへ座らせると枕の下に手を入れに木の板を両手で差し出してきた。
『貴方が治療したとはいえ、足に怪我をした、それはもう荷物よね? 娘も荷物だから故郷へ連れて帰って、じゃないと捨てるから』
僕は唖然とし、今まで見ぬふり気付かぬふりをしていた感情が湧き立つ。
突然捨てられる事への悲しみ、木の板で説明される悲しみ、何より、故郷から引き摺り出すように連れて来たのに用済みとあれば捨てられる怒りと更なる怒り。
それは自分の娘を邪魔だから捨てると言う理不尽な理由による怒りであった。
頭の中はぐちゃぐちゃで激情に任せて扉を封じて毒ガスで殺すか、今回の洞窟で戦った『黒龍』の火炎袋を使った消えない傷でもと思うくらいには、思ってしまった。
だが、目の前の女の子を見て冷静になる。
(この子だけは幸せにしてあげたい)
心の中でそう呟く。
「パパの家に行こっか」
絞り出せた言葉は震え、痙攣する頬を引き無理矢理笑う。
女の子は理解出来てる様に頷き、僕に天使の様な笑顔を振り撒いてくれた。
僕とミリムは女の子を連れて【暗黒の寝所】迷宮のある【冒険者の街 クロム】から去り、僕の故郷【絶死の魔森】へと帰るのであった。
それから四年後の娘が五歳になった頃
この人も寄り付かない魔境での名付けが始まった。
この森【絶死の魔森】と呼ばれている森の中央部には【聖樹】と呼ばれる樹齢何千年もある大木が根を張り、地面を掴んで持ち上げている様な伸び方をしているのが特徴であり、最も重要なのが、【聖樹】様である。
なんと、樹の幹には白ベースの青い修道服を着た目隠しをしている【聖樹】様が生えているのだ。
そう生えている。 言伝で聞いた話では最初は頭だけだったと、年代を重ねて行くうちに、首、肩、胸、右腕などなどと樹から出て来たと【聖樹】様が直々に解説してくれたそうだ。
今では各部位を入れたり出したりできる様だ、今は二の腕から先を樹入ったまんまにしていらっしゃる。 両手を樹に当て臀部や背部を此方に向けた姿勢は扇情的ですらある。
だが、今日の主役は僕の娘の名付けである。
そんな名付けに集まったのは【絶死の魔森】の住人達である、小鬼と呼ばれるかゴブリンと呼ばれる、緑色の肌に尖った耳と鼻に特徴的なのが子供の様に小さい背丈で大人と言う種族。
次がアラクネと呼ばれる隠れた種族、彼女達は種族の関係上女性しか産まれず、蜘蛛の脚に蜘蛛の頭の部分から人間の腰かは上があり、糸を使った罠や現地で設置型弩弓を置き、弩弓の死界に隠れ弓で獲物を狩る種族である。
次はオークで、豚の頭に二メートル以上の身長に筋肉の塊である胴体と強靭な足腰てある。
特徴と言えばアラクネと種族柄似ていて男児しか産まれずゴブリンの女性やアラクネ達などから嫁を貰い奥さんに尽くす、力持ちで清潔な紳士達である、 そして強姦はするが、大抵は求婚をしてくる、弁えた紳士達である。
翼有種族であるハーピィ又はセイレーンと呼ばれる鳥の翼に鳥の脚を持った女性が殆どの種族、その翼で空を飛び木の上で生活をして陽気で優しく美しい種族、特徴は男児が非常に産まれ難く、子育ては種族全体で行う子供を大切にする種族である。
そして最後に人類種族最後にして雑多で多岐に渡るのが獣人種、因みに、ハーピィは腕が翼にである為、含まれなかった。
獣人種の特徴は種族が多い事、特徴もそれぞれ、これに限る。
ここまでが人類種族である。
そして、【魔獣】達もここでは全員が住人である。
全種族に家族が居て護るべき居場所がある森の住人達が僕の娘の名付けの為に集まってくれて居た。
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