最終話 胃酸
この連載は今回で最終回とする。読んでいただきありがとうございました。
俺自身、答えはまだまだ見つからない。
今すぐに自殺したい気持ちもあれば、「いつか勝手に死ねるし今死ななくていいだろう」という甘えた気持ちもある。
7年ぶりに高校時代の友達に連絡を取ったら、今度会って酒を飲むことになった。ちなみに男だ。
俺は彼と会うのが少し楽しみだ。
俺がどれほど終わってるのか、彼にちゃんと見てほしい。
◆
俺の女友達は過食した後に口内に指を突っ込んでは、食べ物を全部吐く。胃酸は歯をどんどん溶かしてしまう。だから、俺の友達の歯は20代なのにめっちゃ溶けている。まるで老人みたいにボロボロだ。彼女は「死にたい」と呪文のように頻繁に言う。俺も死にたい。救いようが無いのは俺だって同じだ。
やることがない。正しくは、やりたいことがない。
真夜中、俺は散歩に出かけることにした。
適当にふらふら歩いて、自販機でアイスティーを買って公園のベンチに座ってアイコスを吸いまくって、音楽を聴いている。アイスティーが超うまい。拙者、コーヒーはあんまり飲まない。すぐ腹を下すから。酒以外には緑茶とか紅茶をよく飲む。
俺が吐いたタバコの煙は宇宙まで届きますか? むなしい。
この世の一切は無常だ。何もかも移り変わって、そのうち人も街も全部死ぬ。
孤独な街。俺は孤独だった。
寂しい。
明日も目覚めて、特に何もしない。
いつか本当に死んでしまう日が来るけど、特に何もしない。
おわり
新訳・自殺について Unknown @unknown_saigo
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