第一話 ゲーム好きのフリマデビュー!!

ジェネラルイチマツ

第1話

俺は、いつも通りフリマで取引をしていた。


ある取引で、とある評価コメントを購入者に書かれたのだが、この出来事、この想いを、とにかく誰かに伝えたい!これについてみんなの意見を聞きたい!そんな強い衝動に駆り立てられて、その経緯を語るべくして、これを執筆しはじめたというわけだ。


俺は昔から文章を書くのが好きな性分で、高校時代の大学入試対策で論文の練習をしていたときには良く褒められていた。


この作品は、完全ノンフィクションだ。ここ最近1ヶ月くらいのことを書いている。もはや俺の日記に近い読み物だ。


書き出してみると筆は進むのだが、つい楽しくなって前置きが非常に長くなってしまい、一向に本題に辿り着く気がしない。


これを読んでくれる人がいるのかもわからない。この作品にアクセスするルートがインターネット上に存在しているのかさえ疑問だ。


反響次第では、続きを書くかもしれないし、気まぐれに始まり、気まぐれに終わるかもしれない。


そもそもこうした投稿も初めてのことだ。

暇で暇で時間を無駄遣いしたくて発狂してる人だけに読んでもらえたら幸いである。


そして、もし読んでくれたのなら、気軽にコメントをしてほしい。なぜならば、第二話を書く気が今のところ無いのである。


しかしながら、感想を書いてもらえれば俺のモチベーションになるのは間違いないだろう。


第二話を生み出すのはあなたかもしれない。



ーーーーーゲーム好きのフリマデビュー!!



俺(著者)は、フリマアプリを利用して、お小遣い稼ぎをして世界を支配する予定(未定)の32歳の独身男だ。


いわゆる"ゲームせどり"や"転売ヤー"と呼ばれる人種で、さまざまな人気商品の価格高騰の根源になっていることから、世界中から忌み嫌われている存在の1人だ。


俺の場合は、主にレトロゲーム機やレトロゲームソフトを取り扱っている。


人気商品の発売日になると、見境なしに日の出とともに飛び立っては、大人げもなく"子供達を泣かせるカラス"たちとは少し異なる存在だ。


さしずめ俺は、"ゴミ捨て場を漁るカラス"といったところだろう。


とある国には、ハードオフと呼ばれるダンジョンがある。カビとインクのにおいが立ち込めるそのダンジョンには、お宝が眠るとされる"青い宝箱"があるのだ。宝箱を引きよせ、傾けては、ガサゴソと掻き回して、元に戻す。これを繰り返すのがダンジョン攻略の秘訣だ。


時には、お宝を求めてオンラインショップというダンジョンも冒険する。


そして、手に入れたお宝はメルカリ王国や、PayPayフリマ王国で売ることができる。


いわば、俺のジョブは"トレジャーハンター"とも言えよう。


お宝と言っても、そう簡単に見つかるモノでもない。


俺が見つけた最高の宝は、220円で売っていた動作未確認のプレステ2用のパチスロコントローラーだ。


持ち帰って動作確認すると、問題なく動作する品だった。


これはなんと10倍の値段で売れた。


しかしゲームソフトと違い、サイズが大きいので、60サイズダンボールに梱包し、送料が700円とられた…


趣味を兼ねた小遣い稼ぎなので、まあこんなモンなのである。


他にも3000円が相場のゲームソフトが300円で発掘できたりもした。


"トレジャーハンター"と一言にまとめられてしまうのには、いささか抵抗を感じてしまう。


なぜならば、俺自身は標準的なトレジャーハンターだと自負しているが、トレジャーハンターと一言にいっても、その中には、複数のジョブを兼ね備えた、数多くの"亜種"が存在するのだ。


商品を手に取っては呪文をぶつぶつと唱える呪術師や、高いトーンと大声で店員さんに早口攻撃するモンク、きつい不衛生臭を放つ冒険者、パーソナルスペースを奪ったり、不快な接触を繰り返す空間魔導士、その場から動いてくれない"うごかないせきぞう"という魔物までもが存在するからだ。


今日もダンジョンには、強烈な個性を持ったトレジャーハンターたちで溢れかえっている。


そんな俺だが、恥ずかしながらいまは失業の真っ最中なのである。仕事を探している無職だ。

貯金もなければ彼女もいない。しかし決してモテないわけではないのだ。好きなように生きてきた結果、気がついたら今になっていた。ただそれだけだ。そうだ。きっとそうに違いないんだ。


俺はいい大学を出させてもらっているし、資格も持っていて、満足できる職歴で、仕事ができるヤツで人当たりも良く人望もあれば顔もいいので失業していることにあまり心配はしていない。


…と思ってしまうところを少し心配している。


俺は小さい頃から元々ゲームが大好きだった。初めて買ってもらったゲームは、幼稚園生の頃に発売されたスーパーファミコンのスーパードンキーコングだ。


今では2時間くらいで、全クリできる腕前だ。ロボットのようにいつまでも遊んでいたのを覚えている。


ーーーーースーパーファミコン、ゲームボーイ、プレステ2、64、 DS、PSP、Wii、PS3、3DS、PSvita、Switch


どれも周りの友達よりもたくさんソフトを持っていた。


今の推しは圧倒的に3DSだ。画面も綺麗、軽くて手が疲れにくく、やり込めるゲームタイトルも多い。フォルムも美しい! DSテレビというソフトがあればテレビも見れる!ダウンロードソフトも内蔵できる!


つい先日、ダウンロードサービスは終了してしまったが、もちろん、やりたいものはダウンロード済みだ。


なによりも、タイトル豊富でソフトが安い‼︎これに尽きる。


ちょっと前までは、SwitchのMinecraftにドハマりしてよく遊んでいた。


24時間かけて、友人の家を内装の細部まで作り込んでみたり、知恵熱が出るまで時間を忘れて遊んでしまうほどゲームに熱中していた時期があった。


そんなある日のこと、Switchで遊んでいると、ある程度Switchで遊ぶ人なら誰もが遭遇する

"ジョイコンドリフト"がエンカウントしてしまった。


※ジョイコンドリフトとは、アナログスティックの傾きを検知する黒いシートのようなパーツが、スティックを動かすことで少しずつ摩耗してしまい、スティックを動かしてないのに勝手に動いてしまう誤信号が出てしまう現象のことである。アメリカでは多くの訴訟問題がおきているとか…


ご存知の通り、ジョイコンは非常に高い…高すぎるのだ…。


こんな壊れやすいものを壊れるたびに買い替えていては、新しくSwitchが買えてしまうというものだ。


この現象が起きた時にすぐさま症状をネットで調べると、ジョイコンの修理方法を紹介する動画に出会った。


ーーーあすか修繕堂(YouTube)


そこでは、事細かにジョイコンの治し方や、必要になるツールやパーツが紹介されていた。


このやり方なら1000円くらいで直せるではないか‼︎早速俺は修理キットをポチッと取り寄せて、動画を真似して修理してみた。


修理の結果は…



ーーーーー大成功‼︎


ジョイコンドリフトは見事に解決‼︎

ジョイコンの修理は、正常なジョイコンと自分で治したという達成感と満足感を俺にもたらした。


ありがとう‼︎あすか修繕堂‼︎


この時から、あすか修繕堂やジャンク修理に関する動画が自動再生で流れるようになった。


※今現在では、摩耗するシートをつかわず、磁力で検知できるユニットパーツが4000円ほどで売られているそうだ。これに取り替えると、ジョイコンドリフトは起こらなくなるという。



半年くらいすると、またもややつがエンカウントしてきた。


一度倒した敵に俺が負けるわけがないだろう。俺はまた修理キットをポチッと取り寄せた。


2回目のジョイコンドリフトとの戦い。


俺は動画を見ることなく記憶とセンスを頼りに戦闘を開始した。


しかし、バッテリーのコネクタの外し方をわかっておらず、金属製の鋭利なピンセットで無理やりホジホジして外そうとしたため、パーツのプラスチック部分をピンセットでガリガリと削り潰してしまい、プラスマイナスの配線が接触して、ジョイコンはじごくのいかづちを呼び寄せ、見事にショートした。



ーーーーー大失敗‼︎


俺は新しいジョイコンを購入した。

さらに俺は、衝動的に有機EL版Switchを購入した。


ジョイコンを買う必要なかった…

俺はSwitchの二台持ちになった。もちろん、結局一台しか使わない。


ポケモンのソードシールド間で交換ができるくらいしか、特にメリットがなかった。買ったばかりのジョイコンは、すぐに役目を失った。


それから俺は電子工作の動画に夢中になっていった。

ハンダゴテを買った。はんだ吸い取り線を買った。ニッパーや精密ドライバーセットも買った。接点復活スプレーも、潤滑スプレーも買った。


なんか治したい…なんか治したい…なんか治したいぃぃぃ‼︎

……治します‼︎ 僕が治します‼︎


俺は、トレジャーハンター兼回復魔導士にジョブチェンジした。ジョブレベルは1。使える特技は"ネジ回し"と"ハンダ付け"だけだ。


最初の患者はメルカリ王国から運ばれてきた。ブラックカラーの旧型3DS 元王国兵士

出井黒三(80歳)だった。


彼の体は、戦争による負傷も多かったが、十字ボタン認識不良という病に侵されていた。


起動はする…ゲームは読み込む。ただ十字ボタンの反応が非常に悪く、強く押さなければ反応しないので、これではゲームどころではない。


この病について調べてみると、分解し、ボタンの下にある金属接点を拭き拭きしてお掃除すれば治ってしまうこともあるという簡単なオペのようだった。※拭いてダメなら金属接点シートを取り替える必要がある。


しかし、おれは回復魔導士としての経験はジョイコンを一度直して一度壊しただけの駆け出し回復魔導士だ。


知識などないド素人である。ド素人で良いものなんてものは、エッチなビデオくらいだ…

とでも言いたいところだが、あいにく俺は素人モノにまったく興味がない。女優こそ至高である‼︎最近はちょっと前のロングヘアーの頃の小島みなみがお気に入りだ。


たくさんのネジを外して、たくさんのケーブルを引き抜いて、ようやく患部に到達。


接点の掃除が完了して、組立まで完了!

それでは張り切って参りましょう。


電源ボタンをーーー、オーーーンッ‼︎


ーーーーーブツンッ‼︎


ん?

いまおならしたの…おまえ?


電源が勝手に落ちた…


オホン、もう一度、気を取り直して…

電源ボタンをーーー、オーーーーーーンッ‼︎

(…シーーーーーン…)ふ〜ん。そうなんだ。


これはたぶんショートといわれるものだ…

すぐにわかった…こいつはもう死んでいる。なぜだ…何が原因だ…この多汗症の手汗で基盤ショートしたとでもいうのか⁉︎これか⁉︎これがあかんのんか⁉︎素手でやったのが不味かったのか⁉︎これも本番ではゴムつけないとあかんのんか⁉︎…


もう一度分解して開けてみると、ケーブルがコネクタから一つ外れていた。異世界人は、これを"ツケワスレ"というらしい。


もちろんその"ツケワスレ"が原因かどうかさえわからないがおそらくそうなのだろう。たぶん。考えてわかるものでもない。これが死んでいるのかさえもわからない。俺は駆け出しなのだから。


もうしらないんだからねっ!!フンっ!


俺はその亡骸をそっと引き出しにしまった。


すまん出井黒三。

俺にはお前を助けることはできなかった。俺にもっと力があれば、お前を助けられていたかもしれない。


…出井黒三(80)逝去 死因 医療ミス



俺は出井黒三の死を悔やみながらも、次なる患者をPayPayフリマ王国から招き入れた。


限定ファミコンカラーのイケメン旧型3DS

ーーーーーファミ・コンタロウ(15)サッカー界の若きホープ


こいつは、充電穴のパーツの真ん中にある、接点をがついている板状の部分を相手選手の悪質なファウルを受けて骨折してしまい、ケーブルを刺しても充電ができない体になっていた。しかし、充電台を使用すればスタンド用接点充電はできるというものだった。しかし、スタンドを装着しながらゲームをするのはいかんせんやりにくい。こいつは傷も少なくイケメンで、まだ若い。なによりこのカラーリングが素晴らしい!なんとしても生かして俺の相棒にしたい!

しかし今のお前の体では、大好きなサッカーを続けることはできない。どうにかしてやりたいが、俺には回復魔法などまともに使えない。使えるのはねじ回しとハンダ付けだけだ。


俺が手術をすれば、もしかしたら、こいつも出井黒三のようになってしまうかもしれない。


俺は、そっと引き出しを開けて、出井黒三の亡骸に優しく手を当てた…こんなに冷たくなっちまって…ごめんな…


カラカラーーン!…ん?


出井黒三の体の中から、何かが落ちてきた。


こ、これは…

ーーーーー意思表示カード‼︎


説明しよう。意思表示カードとは、自身が死んだ時に臓器を提供する意思があれば、ドナーになれるって感じのやつである!ドナーカードともいう!


出井黒三はここに来る前から、自分はもう助からないことを悟っていた。


そこには、すべての臓器を提供することに同意すると書かれていた。


出井黒三‼︎

お前の命、決して無駄にはしないぜ‼︎


そして俺は右手にハンダゴテを握り、左手に、はんだ吸い取り線を握り、出井黒三の体から、健康な充電コネクタパーツのハンダをとかし、臓器を摘出することに成功した。


そしてそれを分解したファミ・コンタロウの体内にハンダ付けすることにも見事に成功したのだ‼︎


さあ、あとは…電源が正常に入るのか…

それだけじゃない…充電はちゃんとできるのか…


脳裏に出井黒三の顔が浮かぶ…


…おれが…おれが助けるんだ!




…ピチャァァァァァン(水滴音)



    ー♪ー♪ー♪BGM♪ー♪ー♪ー

 ♪我が心 明鏡止水-されど掌は烈火の如く-♪



出ろぉぉぉぉぉぉ‼︎ガンダァァァァァァァァム‼︎


流派!東方不敗の名にかけてッ‼︎


俺の"小指"が光って唸るゥゥ‼︎


勝利を掴めと轟き叫ぶゥゥ‼︎


ばぁぁぁぁぁぁくねつッッ‼︎


ゴッドフィンガァァァァァ‼︎


電源ボタンをーーーーッ‼︎




オーーーーーーーーーーーーーーーンッッ‼︎‼︎




デデデンッ♪


第一話 終

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