第15話 聖ジョルジョ祭 その十一
そうしていうるうちに、イザベラはとうとう熱を出した。
寝ていても少しも心は休まらず、熱はなかなか下がらなかった。
「もう気にしないで。こんなことばかり続けていたら、本当に死んでしまうわ。」
枕元で母が涙声で言った。
それでもイザベラは悲しくて寝ながら涙を流し続けた。
数週間後、やっと熱は下がった。
イザベラは、力が抜けてふらふらする身体に鞭打ち、数週間ぶりに図書館に行った。そろそろと階段を上り、全身の力で樫の扉を押し開けた。
次の瞬間、イザベラは我が目を疑った。
ちゃんと4人揃ってテーブルに就いているではないか。
彼らはイザベラに気づくと、一斉にこちらを見て微笑みかけた。
イザベラは、涙がこみ上げてきて、4人の顔がゆらめいて見えた。
つづく
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