主人公は決して善人ではなく優しい人でもありません

半端者が分不相応な力を手にするとどうなるのか、という良い見本の物語。
主人公は行く先々で神から与えられたチート能力を行使するのですが
中途半端な覚悟しか持っておらず知性も少し足りないので、無用のトラブルを招き
ざまぁされて身の破滅を招く人間を生み出すことを繰り返します。
もちろんざまぁされる側に最大の問題があるとはいえ
それって回避出来たのではないですか?と思わされることも多数。

他の転移者には、偉そうに日本の法や常識と異世界のそれとの違いについて講釈を垂れますが
自分はチート能力によって超越者として振る舞うという、典型的なダブスタおじさん。
周囲の女性運に全く恵まれないことには同情しますが、、、
これは所謂なろう系小説の主人公においては、お決まりのパターンなのでしょうけど。

人間の本質とは何か、ということを考えさせてくれると共に
教育を軽視することの危うさ、言葉を尽くすことの大切さ
を教えてくれる点において良い作品だと思います。
果たしてチート能力以外全てが少し足りない主人公の行き着く先はどこなのか
今後を楽しみにしています。