登場人物紹介

マル(マルーチャイ・アヌー・ジャンジャルバヌイ)

物語の主人公。カサン名ハン・マレン。アジェンナ国南部の片田舎スンバ村の生まれ。アマン人で妖人。人々に歌物語をして投げ銭ももらう「物乞い」の家系の生まれ。「妖怪の言葉が聞き取れる」という不思議な力を持つ。ヒサリ先生の学校で覚えた宗主国の言葉カサン語で才能を発揮し、アジェンナ首都のエリート校に進学。さらにカサン帝国の首都トアンへの留学が決まる。母がピッポニア人の捨て子だったため、ピッポニア人的な容姿なのが最大のコンプレックス。


オモ・ヒサリ

 マルの恩師。カサン人の女教師。皆が忌み嫌う僻村スンバ村の妖人が住む集落に果敢に乗り込み、生徒達にカサン語やカサン帝国の思想、その他様々な役に立つ事を教えた。カサン帝国に忠実な臣民でありながら、アジェンナの人々を差別する事なく愛をもって接する。結婚によってアジェンナ国首都のタガタイに移り住む事になった。


シン(ヤーシーン)

 マルがタガタイの高等学校で出会ったルームメイト。常に猿の面をかぶっている。実はアジェンナ国王の第一王子。お家騒動により廃嫡されたが、カサン帝国側は代々ピッポニアに通じて来たアジェンナ王家を信頼せず、彼を王位につけ傀儡にしようと目論んでいる。お調子者で大の女好き。アジュ人。


タク・チセン

タガタイ第一高等学校のマルの同級生でライバル。カサン人。優等生で正義感が強い。感情を表に出さないためマルは彼を誤解していたものの、最終的には強い友情で結ばれる。


オモ・ラン

ヒサリの妹。気が強く我が儘な性格。トアンの女子大に通う。マルに何かとちょっかいを出す。


テセ・オクム

カサンの教育界の重鎮。アジェンナ国内でカサン語やカサンの文化、カサン帝国の思想などを広める「文化部隊」の一員でオモ・ヒサリの上司。マルの才能を高く評価している。


エルメライ

スンバ村の村長の息子。アマン人。成績優秀でマルと共にタガタイ第一高等学校に進学。カサン帝国内では許されぬ同性愛者で、マルに思いを寄せている。現在はタガタイ大学に在学中。カサン名ネイ・ワン。


トウ・アムト

ヒサリの夫。かつては流行作家として一世風靡したが、徐々に活躍の場を失い、悶々としている。ヒサリとの関係も険悪になってゆく。


シム・キイラ

ヒサリと共にスンバ村に派遣された女教師。妖人ではない裕福な家庭の子らを指導。学校では現地のアマン語の使用を一切許さず、鞭を使って厳しく指導。教え子のエルメライをタガタイ第一高等学校に入学させた。


コイ・タイ

タガタイ第一高等学校時代のマルの後輩かつルームメイト。現在はタガタイ大学の学生。


《マルの故郷スンバ村の人達》


ナティ

 マルの幼馴染。口が悪く喧嘩っ早いが根は優しい。女だが男のように振る舞う。マルと共にオモ・ヒサリの学校で学んだが、マルがタガタイの学校に連れ去られた後に行方をくらまし、後に反カサンゲリラに身を投じる。妖怪ハンター。


イオとサニク

 ナティの双子の弟達。妖怪ハンター。


ロロおじさん

 興行主。妖人の芸人や妖怪を使った見世物をしている。


シャールーン

 ロロおじさんの見世物小屋の踊り子。マルと共にオモ・ヒサリの学校で学んだ。マルの初恋の相手。実はシンと深いつながりがある。


ジャイばあさん

 シャールーンの踊りの師匠。


ミヌー

 ロロおじさんの見世物小屋の踊り子だが、踊りはほとんどせず、もっぱらカサン兵の「お相手」をしている。オモ・ヒサリの学校で学びカサン語が話せる。


テルミ

 産婆の子。オモ・ヒサリの学校で学んだ後に看護学校に進学。現在はカサン帝国軍所属の看護師。


メームおばさん

テルミの母親。産婆。


ネビラおばさん

マルの友人メメの母親。葬儀屋。息子のメメはカサンの軍隊に入った。


カッシ

マルの友達。マルと共にオモ・ヒサリの学校で学んだ。人々から差別されている「山の民」で、彼自身怠惰で愚鈍な少年と見られていた。しかし読み書きを学ぶ事で、次第に知恵を身に付けていった。


ダビ

妖獣の革を扱う靴職人。オモ・ヒサリの学校で学んだ。向上心が強く、自分が妖人故に受ける差別や壁に憤っている。


ラドゥ

マルと共にオモ・ヒサリの学校で学んだ農民の青年。妖人では無いが「森の際地区」にやって来て妖人と共に学んだ。現在は農民達のリーダー的存在である。


ニジャイ

マルと共にオモ・ヒサリの学校で学んだが、不良生徒でドロップアウト。今は反カサンゲリラ組織「シャク・ジーカ」のメンバー。シャク人とアマン人のハーフ。


オムー

反カサンゲリラ組織「ラハン団」のリーダー。実は生き別れのマルの兄。


パンジャ

妖人の家の生まれだが、父親がカサン人相手の商売で儲けたため、裕福に育った。意気地無しだが身勝手な性格で、かつてはよくマルをいじめていた。ナティの事が好き。


バダルカタイ先生

オモ・ヒサリと共に妖人達の学校で教鞭を取っていた。マル達の母語であるアマン語の読み書きを教えた。古くからの土地の文化や慣習に対する愛着が強く、次第にオモ・ヒサリと対立を深めて行った。


《帝都カサンの人々》


タルク・シュシキン

カサン帝国大学の学生でマルの下宿仲間。シャク王国からの留学生。明るく几帳面な性格。マルを文学サークルに誘う。


クワラ・ハミ

トアン帝国大学文学部の女子学生。カサン人。マルが恋心を抱く。


キヤおばさん

トアンのマルの下宿先の主人。


ギョ・ゴク

カサン帝国大学の学生。文学サークルのリーダー。プライドが高すぎ、しばしば周りをしらけさせる。


座長

マルのアルバイト先のショーのホールの経営者の女。


モン・トク

マルがバイト先で出会うショーのホールの座付作家兼ドラマー。トアン帝国大学の学生。


《その他》

バットソバンおばあさん

鳥娘の羽を集めて織物を作る機織りのおばあさん。タガタイの貧困地区に暮らすアジュ人の妖人。


スヴァリ

マルが常に携帯している妖鳥の卵の殻で作った楽器。かつて洪水で死んだ女の子の魂が宿っている。そのお喋りは時としてマルを悩ませる。








 

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